So-net無料ブログ作成
検索選択

大人の倶楽部 [丁寧に暮らしたい]

 2007-09-23(Sun) 秋分の日
■3連休が続く秋の行楽シーズン
「今度、外乗に行ってきまーす」との楽しげな声もちらほら聞こえてくる。
怖がりの私は、知らない場所で知らない馬に乗るのは気が進まない。
ところが「行きませんか?」のお誘いを受けて、「もちろんっ!」と飛びついたビジター騎乗があるのだ。
競技会を見に行って、そのたび不思議なオーラで引きつけてやまない、とあるクラブ。
そのクラブへのお誘いを受けたのだ。
■早朝、待ち合わせをして車に乗せていってもらう。
何気ない市街地から横道に入って「えっここを曲がるの」と驚くような道をいく。
教えられなければ決してたどり着けない【ポーの村】のような場所だった。
■よその乗馬クラブにお邪魔するのだから、なんとなくドキドキする。
競技会での不思議なオーラの正体はどこにあるんだろう?
素敵な馬や先生のホームグラウンドはどんな様子なんだろう?
そんな場所に自分が身を置いて、しっくりくるんだろうか。

■馬場を囲むようにして、オフィスや馬房やパドックがある。
こじんまりしているからひと目ですべてが見通せてしまう。
馬場に枝を広げるケヤキがある。
いいなあ、緑陰を感じて馬に乗れるじゃないの。
レッスンやスタッフへの指示で八面六臂の活躍をしているクラブの先生。
挨拶もそこそこに「どうぞ、好きなところ見ていって下さい」
うわぁ、私が秘密を探りにきたことをご存知ですな…
「今日はあの馬に乗るから」
「いま乗っている人が終わったら、レッスンしますからね」と言われ、馬場に目をやると、なんだかきれいな人が乗っている。
先のベストドレッサー賞にしても、洗練された美しい方が多いような気がするんだが…
ここを紹介して下さった方も美人だし、垢抜けないおばさんは肩身が狭い。
■鞍や長靴の準備をしているうちに乗りかわりの準備が整う。
「どのくらい乗ってますか?」の問いに
「180鞍ぐらいです」←(おばさんは人の鞍数の3分の1の実力しかないから、ウソの申告をしているわけではない)
「駈歩がとっても苦手です!」と強調しておく。
「この馬は拍車がなくても大丈夫です、ただ手綱はぎゅっと持たないですこし前を楽にして乗るようにしてください」
「止まる時になかなか止まらない、口が粘っこいんです」
「それ以外はとってもいい馬なんですよ」と【クレヨン】君の特徴を紹介してくれる。
■引き馬にしても騎乗手順にしても、どんなに気取ったところで普段のやり方が出てしまう。
クラブをのぞきに来たつもりだったが、馬に乗ってしまえばこちらのこともすべて伝わってしまうのだ。
「怖がりでどんくさいおばさんだ」と言わずともわかってしまう。
常歩、軽速歩をしてみる。
「緊張してカチカチですよ、力抜いて」と声が飛んでくる。
0から10までの緊張度で言えば3程度のはず。
自分のクラブで久しぶりに配馬される馬に乗る時の緊張度とさほど変わらないのだが、それでも固くなっているのが傍目からわかるのか?
「もっともっと力抜いて」と続けざま言われる。
もー「緊張を解け」という指示は難易度の高い指示なのだよ。
しかし【クレヨン】君が気持ちよく一定のリズムで動いてくれるので、こちらもだんだん調子が出てくる。
■手綱を緩めたままで軽速歩を続ける。
と、「なんでそんなにそっくり返っているの」
「もっと前傾して」「もっと前」「また倒れてきちゃったよ」と声がかかる。
これまでさんざん前傾しないようにと注意されてきただけに、びっくり。
「こっちきて」
馬場の中央で馬を止めて、先生の傍らで説明を聞く。
「速歩と軽速歩の時の姿勢は違うんだよ」
「ほら、鐙に立ってごらん」
「ずいぶん鞍の前にきているだろう」
「ここが自分で無理なく立てる位置なんだから、それより後ろで立つには手綱につかまるとか、馬の動きを利用しているとかしているはず」
ううむ、確かに〈動きに取り残される〉感じは頻繁にあったなあ。
「膝の屈伸運動だけでいいんだよ」
「ほら、よけいなところに力が入るから、膝が鞍から離れちゃう」
「膝下でつかまったりしない」
「膝から上の腿の部分が土台、膝から下はスイッチを押すために自由自在に動かすところだよ」
駈歩の影に隠れて見落としがちだったが、軽速歩でのわずかな〈取り残され感〉とか〈リズムに乗り切れない感じ〉は、やはり馬の邪魔をしている証拠なんだなあ。
鐙を1穴短くしながら、正しい脚位置の説明も入る。
「膝とつま先と踵で作る直角3角形と、お尻の付け根と膝裏と踵を結ぶ3角形が(きれいに)並んでなきゃ」
「脚が後ろに行けば、ほらきれいな三角形にならないだろ」
「じゃあ、手前を換えて続けて」
ようやく馬場を回る感じにも慣れてきて、蹄跡から内側に入らないようになんて邪念も出てくる。
と「また後ろに倒れてきてる、もっと前」
「ほら、前に」とご注意が飛ぶ。
「じゃあね、手綱は伸ばしてしまっていいから片手にまとめて持って」
「空いた手を前にまっすぐ伸ばして」
おお、腕が前に伸びると重心も意識も「前に」出ていく。
私は馬と「前に進む」という意識を共有していなかったのだ。
動いている【クレヨン】君に取りあえず乗せてもらってますという荷物意識だったなあ。
違う視点で見てもらうと、普段埃をかぶっているような部分に光があたる。
面白いなあ。
■「じゃあ次、駈歩やってみましょう」
「おーい調馬索持ってきてくれ!」
「じゃあ、駈歩の合図出してみて」
こう言われると、固くなって構えてしまうのを自覚する。
内方姿勢を取って〜外方脚で合図して〜 もたもた〜
でもなんとか発進してくれるが、取りあえず乗っているだけで精一杯。
「輪が小さくなってきたから、もっと外に出して」
「鐙脱いでみよう」なんて言われたとたん、速歩に落ちる。
再度発進させる時には「左(内方脚)でちょんと」なんて言われると、頭の中は大混乱。
ええ?どっちのこと?
「並足からでいいから落ち着いて」なんて言われて何度かやっているうちに、ようやく「はは〜ん、ここの馬は内方発進で出るんだ」と気がつく。
外方脚をまず引いておいて内側の脚をちょん、おお、ちゃんと発進するじゃないの。
ありがたし。
でもいつものことながら、駈歩する馬に何とか乗っているのが精一杯。
「う〜ん、人の動きが馬と逆になっているんだよなあ」
「腰が固いというか」
ええぇ、乗り難いなあと感じるのは、推進が足りないとか拳が一定になってないなどの馬の走らせ方の問題じゃないんですか?
速歩の正反撞についていけなくて馬から転げ落ちそうな状態と同じってことですか?
反撞が抜けなくてドカドカ乗っている時には、推進も何もあったものじゃない。
それと同じってことなのか? 発想の転換を迫られる。
「調馬索で小さくやっているからやり難いってこともあるから、じゃあ自分で駈歩やってみて」
駈歩出るかな?といつもの心配が杞憂に終わる。
【クレヨン】君、ありがとうね。
「うん、右手前の方がまだましだね」とコメントいただく。
「内方の手綱がきつくならないように」
「内側の座骨に乗って!」
「(輪乗りから)そのまま、まっすぐ前に」
「またここで輪乗りして」
自分に課す要求水準は低いので、はじめて乗った馬に駈歩をしてもらえればそれだけで幸せになる。
うふふ、駈歩しているよ〜 楽し〜い
「はい、じゃあ速歩に落として、手綱楽にして2周軽速歩したら常歩にして終わりにしましょう」
■記念すべき外部レッスン。
普段と違う経験ができた。
思っていた以上に先生から受けるパワー(良い意味でのプレッシャー)が強かった。
怖いとか細かいというのではなくて「持てる力はすべて使ってごらん」という無言の圧力を感じる。
真剣に通うとすれば、十分に応えてくれるレッスンになるだろう。
■このクラブは、こじんまりしている馬場だけど、パドックの向こうには遠くまで見通せる畑が広がっているし、ケヤキの下を通る時にはちょっとした外乗気分になる。
それでいてすぐ近くで先生やスタッフが他の馬たちが見守っているという安心感。
馬を使って組織的な利益を得る施設ではなくて、乗馬のために個人が管理できる範囲で作られたクラブなんだなあ。
馬場の砂、厩舎の敷料にいたるまで管理者の意識がすみずみまで行き渡っているということか。
乗馬クラブの経営のありように翻弄されてきた【よちよち乗馬クラブ】会員としては、うらやましい限りである。

■馬にも乗せてもらってあちこち見せてもらって最後に「どうでした?」と聞かれた時、「馬がみんなかわいいです」という表現しかできなかった。
馬が痛ましく見えるクラブの対極にあるということなのだか。

■私は普段、初対面の馬と接する時はいきなり体に触ったりせずに、まずは手の甲をそっと差し出す。
たいていの馬は鼻の穴を広げてフーガーと匂いをかいでくれる。
ニンジン等の食べ物を持っていないとわかるとプイと背を向けるものもいる。
さらにあちこち真剣に匂いをかぎたがる馬には、今度はこちらからもクンクンしてみる。
この間にどこまで近づけるかで、馬との心理的な距離がはかれる。
私に興味がなかったり関わりを嫌がる馬は、すうと離れていってしまうのだ。
ここの馬のほとんどは、「何?だれ?あそんでくれるの?」とどんどん近づいてくる。
頬ずりをせんばかりの馬もいる。
君たち、社会的な存在としてちゃんと向き合ってもらっているんだね。
そして「馬としてかわいがられている」というプライドがあるね。
■クラブには、犬や猫や金魚にメダカと生き物も数多くいた。
行き届いた世話をされている様子。
ああ、このクラブの人達は生き物が好きなんだなあ。
どの子たちも、存在としての価値を認められているんだなあ。
経験の浅い私には、クラブの馬の程度とか馬匹管理云々はまったくわからない。
でもこのクラブは、存在の価値を認められて人への基本的な信頼をもった馬たちがいるのだということは、強烈に伝わってきた。
■馬の信頼に応える人間でなくては、このクラブではやっていけないらしい。
幼い人お断り。
大人か大人になるべく努力している人の乗馬クラブなんだ。
うーん、競技会での輝きはこんな環境から生まれてくるのだろうか。
謎は深まるばかり、不思議だ〜。





nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 2

chari

楽しかったようでよかったですね~^^
私はめったに先生のレッスンはないのですが、
たまにいろいろ言われると、本当に頭も体も使うんですよね^^;
それだけ、ふだん自分がサボってるってことなんですが~・・・。
来月はいつ来られますか?
今度は、ぜひご一緒しましょう♪
by chari (2007-09-26 10:07) 

もちぇ

行ってきましたよ〜chariさん、
予約から送迎まですっかりKさんのお世話になってしまいました。
(Kさん、ありがとうございました)
のらお君の「ちょーだい」も見せてもらいましたよ、ほとんど水平にまで顔を傾ける一途さが可愛いかった。
アフターライディングでは、おいしい昼食にサメやイルカの舞踊りと秋の休日を満喫して参りました。

実は、今回のツアー経験は「楽しかった」+「ちょっとしたカルチャーショック」でいまだに消化しきれてません。
自分のクラブだけが世界のすべてではなかった…
馬に真剣に向き合っている人達のパワーに圧倒されたとでも言うのか…   
時間をかけないと整理できません。
来月はこの未消化の感じを何とかすべく、さらに踏み込んでみたいと思います。
chari さんのご意見も伺いたいですし、是非おつきあい下さい。
by もちぇ (2007-09-26 16:59) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。