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卒業公演としての競技会 競技編 [終章]

 2008-03-23(Sun) 2007年度 県馬術連盟選手権大会 馬場馬術競技第2課目2004
■チーム【山桜】は私が一番手。
今回はクラブから応援の仲間が多くかけつけて、
馬付きや進行係などそれぞれを引き受けて下さる。
だから私は何の心配もなく4%先生の下乗りを馬場の外から眺める。
準備馬場は、エンジン全開の馬たちでにぎやか。
■「2課目はB馬場よ」と聞いて驚く。
「去年と違う場所なの?」
B馬場は、本来の馬場馬術用のアリーナで、馬場埒で囲まれその周囲は芝地と林と落ち着いた雰囲気。
「ここでやるとは思わなかった」
「この馬場で経路を踏むイメトレしておかなくては…」
標記を見て運動するというより周囲の景色を見て位置の判断をしているから、見慣れぬ場所は人にも馴致がいるのだ。
運良く4%先生がオープン参加で一度経路を回って下さることになっている。
先生の姿を自分に置換えて見つめる。
うん、大丈夫。
■いよいよ【山桜】に騎乗する。
彼はちょっと息が弾んでいて、わずかな扶助でトンと前に出ていく。
常歩でしっかり歩いてもらいながら、手綱のコンタクトをとっていく。
すごい ! 手綱ピッチマーク3番目が最初から常に拳の中にあって、どのように運動しても動くことがない。
まずは馬の息を整えて、クリアで平静だが覚醒度の高い状態を維持できるよう、馬の動きに合わせて大きな一歩で常歩を続けてもらう。
「そう、そう、それでいい」と彼に語りかける。
■「じゃあ、もちぇさんここで輪乗りしましょう,軽速歩で」と馬場の中に入ってきて4%先生が声をかける。
ええ? 人馬の直前チューニングまでやっていただけるんですか?
準備馬場はひとりで各個乗りに挑むつもりでいただけに、先生の声に驚く。
ここまで至れり尽くせりだとかえって過保護かな?なんて思いもかすめる。
軽速歩すると鐙が吸い付くような感じ。
「なんて乗りやすいんだろう」「これは私の鞍だったかしら?」
いやいや、もう分析なんてくそくらえだ。
ああ、新鮮な春の朝に、こんなに気持ちよく馬に乗れるなんて。
それだけで充分。
そして、回りがよく見える。
インストラクターから会員に乗り替わったとたん進路が不安定になった馬とか。
「あの人はあまり上手じゃないから、こちらから避けてあげなくちゃ」
「あの馬が過ぎてから駈歩出した方が安全そう」とか。
つい周囲を優先させてしまうのはいつものことだか、怖くて動けないというのでない。
「もちぇさん、預かったカメラが上手く動かないんだけど」と馬場の外から呼ばれる。
「あーはい、はい」と馬を近づけてカメラを点検してしまう。
視野の外で、4%先生が「準備馬場でそんなことやっている場合なんですかねえ」とやきもきしている波動が伝わってくる。
『センタードライディング』では〈ソフトフォーカス〉を乗馬の基本にとりあげているが、まさにそんなかんじ。
視野が極端に広くて、どこで何をやっているのかなんとなくわかってしまうのだ。

■いよいよ待機馬場にコールされる。
「輪乗りの軽速歩でリズムよく元気よく」
ベルが鳴らされて、大会運営の高校生がA点の馬場埒を開けてくれる。
「お世話になります」なんて高校生君にお礼をいうゆとりもあって、
いざ入場。

P1000689_1.JPG
■演技は、さらさらと流れて行くように進んだ。
思うように前に出て,思うように曲がり,思うように移行してくれる。
左手前の駈歩に乗っている時に,ぽつっと風に涙が飛ばされて行ったのを感じた。
「あれ涙、なんで?どうした私?」と自分の中を探っているうちに、
駈歩からの下方移行、常歩で短蹄跡を歩いていると押し寄せてくるものがある。
速歩にしたとたん、
「ああ【山桜】、【山桜】、君に乗るのはこれが最後なんだね」と胸中に言葉となってあふれ出てくる。
半巻き乗りで中央線、主審が起立して迎えてくれるところをG点で停止敬礼。
後ろから拍手の音が聞こえてくる。
【山桜】の首筋をやさしくなでて、向きをかえて帰る道すがら、泣きそうになった。
すべてが終わった…

■【山桜】は2番手の選手が騎乗するので、あっという間にわが手を離れて行った。
その後のことは、なんだかぼーと過ぎてしまってよく思い出せないのだ。
チーム【山桜】全員で記念写真をとろうなんてカメラを構えてみたり、あちこち元気よく動いていたはずなのに。


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