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504/505鞍目 乗り較べ [第12章 初級騎座拳安定編]

 2007-07-02(Mon) 初級クラス 通算504/505鞍目
■7月からサマーシーズン
レッスン時間は30分に短縮され、昼休み(休馬時間)が10:30から15:00になる。
午前と午後が大きく分断されてしまうから、どの時間にレッスンを入れるか迷うところ。
暑いさなかに根を詰めた運動は向かない。
去年はバランス強化シーズンであったが、
はてさて、今年は何に取り組むことになるのか?
■ぱらつく雨の中、本日のお相手はひと鞍目が【アウグスティヌス】
ふた鞍目が【ときめき】
2頭とも久しぶりの配馬。
去年の初秋つまり私が2課目の練習を始めてからは、おつきあいがなかったのだ。
■2006年の若衆は、この2頭に加えて【チャンドラ・グプタ】の3羽ガラス
それぞれの個性が際立ってきて乗り較べると面白い。
■【アウグス】の乗り心地は絶品。バネが効いていてゆったりとしていて安心して乗れる。
ただ、ときおり「こんな仕事やってられるか〜」と職場放棄したくなるようで、突然ゴネゴネと進まなくなる。
ゴネゴネに対して「えっ?」「どうしたの?」と「わけを話してごらん」という姿勢でいると泥沼化するので、「バカ言ってないで、仕事!仕事!!」とぴしっと流すと「はあ〜」と職場復帰してくれる。
駆歩発進には、従来通り手間取る。
気配を察して発進してくれるベテラン馬とは違うので、〈ためてゆるして〉という扶助のタイミングがとれない。
「もうそこから前をゆるして」と4%先生に声をかけられる。
どうも最後までギリギリに持って合図を出しているから「どこに出て行けというんだよ〜」と思わせているらしい。
一旦、駆歩が出れば柔らかく伸びやかな駆歩を続けてくれる。
■次のレッスンでは【ときめき】に乗る。
若衆のなかでほとんど駆歩に乗ったことがないのが彼である。
跨がったとたん「うわっコンパクト」と驚く。
歩幅が小さくタカタカとした反撞。
ちょっとした扶助でだっとスピードが上がるしキュッと鋭く回転する。
まるで日本が世界に誇るコンパクトカーですな… ジムカーナには最適。
「そんなに焦らなくていいから」とゆっくりリラックスして動いてもらうことに腐心する。
駆歩は右手前のみ苦労して発進したが、後は上手くいかなかった。
発進の合図が伝わらないと、どーと焦った速歩が出る。
それを止めて落ち着かせて再度駆歩の合図という一連の流れが、ヒートアップして混乱するだけになる。
止めようとすればするだけ、前に行きたがりこちらの姿勢もバラバラになってくる。
一度は駆歩できたのをよしとして、左手前は諦めてしまった。
まだまだ、駆歩のバランスとタイミングは馬の愛情に頼っているのが実感される。
■右に向きたがらない【グプタ】といい、馬の苦手をカバーするために自分の技術を向上させる必要性に迫られる。
速歩までなら、外方をしっかり支えるとかバランスバックして落ち着かせるとかなんとかなりそうなのだが。
駆歩は馬に教えていただく段階に留まっている。
4%先生がよく言っているが、
「駆歩も速歩も同じように乗ればいいんです」
「駆歩でできないなら、速歩でまず出来るよう練習していきましょう」
そうそう、勢いに乗せてわ〜と走ればいいってものではない。
バランスとリズムとタイミング、無理も無駄もない芸術的な動きが理想なのだから。



506/507鞍目 2、3mmの世界 [第12章 初級騎座拳安定編]

 2007-07-04(Wed) 初級クラス 通算506/507鞍目
■4月にクラブで撮影していたドラマの放映日が決まったらしい。
『○○○〜△△△ー乗馬クラブ殺人事件!』7月最後の土曜夜。
乗馬の指導員が殺人の容疑者。
死体の傍には、サバイバルナイフと鞭と蹄鉄があったらしい。
はて? ナイフと鞭は持ち歩くことはあっても、何で蹄鉄なんだろ?
突っ込みどころ満載の予感。楽しみである。
■本日、ひと鞍目は【アレフ・ゼロ】ふた鞍目は【山桜】にお世話になる。
レッスンの最後に4%先生が評した「ずいぶんリラックスして乗っていましたね」のひと言が、すべてを物語る。
馬に乗っていると
「なんだか、何でも出来そうな気する」
「私はカモメ〜、自由に空をはばたく〜」という気分になる。
100鞍にひと鞍あるかないかの魔法の時間。
「人が乗りやすいとは、馬も乗せやすい」というフレーズをかつて耳にしたことがある。
だから乗馬を続ける中で常に、暗闇を照らす先の光としてこの〈心地よさ〉を目指してきた。
何がどうしたとあまり細かく思い出す気力がないのが、今日の騎乗日記の困った所。
■【アレフ】も【山桜】も元気よく動いてくれたことが、最も大きな理由。
輪乗りで「外側をしっかり握って」がキーワードとなる。
肩から腕一本分の重さがストンと下にさがって、肘が起点の接線を張る。
あるべき所におさまるとなんの無理もない。
曲げようとか内方姿勢をとらせようとか思わなくても、輪の向かい側に視線をやっているだけでスムースに回ってくれる。
軽速歩でも駈歩でも同じようにできた。
■斜めに手前を換えでの斜線歩度を伸ばす運動では、以前から「もう少し前をゆるして」と言われていた。
ようやく今日それを実感。
2課目の斜線常歩と同じように、馬が前に行きたがるのにあわせて手綱をゆるすと馬がハミを追っていく。
2、3mmの違いなんだと思うが、前に行くゆとりがあるところに馬は安心して進んでいけるのだ。
これが脚の合図と一緒にガチャガチャ動いていたり、手綱をゆるすつもりが緩んでしまうハミだとまったく信頼できない代物になる。
馬が安心してゆだねられるハミの持ち主に何としてでもならなくては…
■速歩や並足からの下方移行の練習を最後にする。
「止まれ」の合図に、バランスバックに脚をやや後ろに使って手綱の動きを止めて〜とマニュアルどおり身体を動かす。
4%先生から「脚を使って!」とこれも最近なじみのお小言が飛ぶ。
どうしても止めるとなると手綱でという昔のやり方が先に立ち、「そうそう脚も使うんだった」と後から付け足すように使っているのが問題とみた。
それなら「とまれ」で、まず脚を使ってみよう。
両脚をちょっと引いてふくらはぎをつけてから、背中から腰にかけて緊張させてみる。
おや、ふくらはぎが支点になって重いバランスバックができるじゃないの。
あらまあ、手綱なんてほとんど使わず【ヴィーヴ】が反応するように肢を止める【山桜】
これまで手綱を握って合図をしていた時は「ぐっ、あっハイ止まるんですね」とタイムラグがあったのに今のは「すうトン」と収束。
「脚を使うと後肢が踏み込みますから、その分馬の前半分が軽くなって次の動きがし易くなるんですよ」と解説してくださる先生。
これからはバランスバックは脚とセットで使うのを肝に銘じよう。
■とにかく今日は、わずか2、3mmの世界ですべてが完結する感じ。
小さな扶助で必ず反応が返ってくるから、あれこれ馬に話しかけるのが楽しくてしかたない。
初心者向きの懐の深い馬たち【アレフ】【山桜】
簡単に動いてくれるからつまらないという上級者もいるが、今の私にはなくてはならない先生だ。



508鞍目 [基本的な運動] 実習 [第12章 初級騎座拳安定編]

 2007-07-06(Fri) 初級クラス 通算508鞍目
■明日は七夕。
もう2007年の半分が過ぎてしまった。
半年前の1月5日、美容院でシャンプーしている時に
「あっ、私、まともに駈歩できるようになる…」と天啓が下ったことを思い出す。
ありがたいことに〈馬による〉という限定付きながら、
「駈歩オッケーです楽しいです」と言えるようになった。
すとんと降りてくる確信=天啓は「まさか?無理でしょ?単なる願望でしょ?」という反論を寄せつけない。
しかし、どんなに「乗馬が上達するって言って」と天啓を望んでも、
天は黙して語らず。冷たい。
■本日の配馬は【山桜】
〈もちぇの愛馬〉と噂されているようだが、好きとかお気に入りという次元を越えている。
〈主戦馬〉という雰囲気。彼となら一緒に戦場に出て行ける。
朝一番のレッスンは【毒うま】【チャンドラ・グプタ】との3騎部班で、ごんちゃん先生が担当。
35m×35mの本来の初級用馬場を使う。
合同レッスンが多くて、中級の方とドレッサージュアリーナ全面を走り回っていた身には、
「狭い〜短い〜物足りない〜」
おうおう、偉そうな感想じゃないか…
■レッスンは、手綱を伸ばして常歩、軽速歩のウォームアップから。
「みなさんも中級にあがると各個乗りをすることがでてきます」
そうそう、運動会の準備馬場とか…
「自分で馬の運動を組み立てなくてはなりませんから、覚えていきましょう」と
ごんちゃん先生が運動の目的や内容を説明してくださる。
「まずは動いて馬体をほぐすところからです」
「固くてぎこちなかったり眠っている馬が動き出すまで、左右の手前で10分ぐらいはかけましょう」
「関節や筋肉が滑らかに動かないと斜め横足などの運動もうまくできませんからね」
「そして、駈歩まで動かして準備運動です」
「その間に、今日の馬の調子はどうかな?反応はどうかな?と確かめていきましょ」
確かに手綱をブラブラにしても大丈夫な馬とがっちり持っていないと躓く馬がいる。
どの馬も同じような運動をすればいいというものではないから、馬の反応を細かく受け止めどうするかを考えなければいけない。
今のレベルでは、教官から「こんな風に運動させて」と指示を仰がないと何もできない。
■駈歩まで流して常歩に落とし、ようやく「少しずつ手綱をとって」と声がかかる。
いきなり手綱を短くしてはいけない。
脚を使って馬の首があがってきた分、余った手綱をたぐりよせる。
隅角や巻き乗り等の回転運動のときも狙い目。
軽速歩では、
「脚をまっすぐ下に踏み込んで」
「ふくらはぎの横が馬体に接するように」
「足先が外に向くと拍車が不用意に入りますよ〜」と基本的な注意がとぶ。
足元の安定しない人のために
「今度は鐙に立ちましょう」と2ポイント速歩の練習が入る。
「体をまっすぐ立てるようにして」
「膝と足首を柔らかく使って反撞を受け止めて」
自分の膝がタカタカタカタカと勝手に伸び縮みする感じが愉快。
我が意識とは別に勝手に動くというところがミソで、動かそうとか合わせようと意識を向けると途端にタイミングがずれて反撞とぶつかりバランスを崩す。
勝手にどうぞと自分自身を馬の動きに預けられる気分になることが大切なのだ。
〈鐙を踏む〉とか〈腰を浮かせ続ける〉という意識はほとんど必要ない。
2ポイントを維持するのは〈馬に預ける〉感覚だけでいい。
「鐙に立ってられる時のふくらはぎや踵の位置をそのままに、座ってみましょう」とごんちゃん先生の声。
■脚が安定したところで、今度は手綱に注文がつく。
「外側の拳をしっかり持って」
うえ〜、外側をきっちり張るのは難しい。
肩から肘がストンと落ちて、肘から先が1本のラインになるように上半身をしっかり立てなきゃ。
「脚をしっかり使って!」
そうそう、前に出ないと手綱はすぐゆるゆるになる。
馬に手綱を引っ張っていてもらわないと。
「座った時に内側の拳をぎゅっと握って、立つ時に緩めて」
「内側の拳を握る緩めるを繰り返していると馬は安定した外側のハミに頼ってきますから」
「外側に一定の力がかかるのがわかりますか?」
あれ〜?【山桜】は外側向いてますな。
つまり内側の刺激に対して外側がゆるいから、楽な方に向いてしまうのだろうな。
肩肘腰にまっすぐに重みが降りてないと鉄壁の外方にならない。
そして内方脚で押し出す。
一瞬だが「よしっ」ときれいな体勢がとれる。
外の肘が重みがかかって馬の首が下がり、楽に動く。
わずか数秒。まだまだ修行しなきゃ。
「馬がハミを受けてくれば、そこに向けてもっと後肢を踏み込ませていけるし」
「外方が馬にきちんと意識されていると楽に巻き乗りや反対駈歩もできるんです」
そうか〜、内方姿勢というのは外方のハミを起点にして馬を動かしていることなんだ〜
「皆さん馬を前に出すのに長鞭を使ったりしてますが、
敏感な馬だと鞭を振る動き、特に外方拳の動きを別の意味に捉える馬もいるんです」
「だから、なるべく脚を中心にして推進してきましょう」
「【山桜】にも拍車つかって大丈夫ですからねっ」
足元が不安定だから拍車は使いたくないと思ってきたが、
手綱を一定にすることを考えると拍車は標準装備と考えた方がいいかも。
■内方姿勢は初級クラスの最初に〈馬を内側に向かせる〉というところから入るが、
輪線に沿った馬体の屈曲という形のみならず、収縮とかハミ受けとか外方の支えとか
その網羅する範囲は広く深い。
〈内方姿勢をとらせた〉と同じ表現でも、その中身には天と地程の開きがある。
3課目Bの運動(8字乗りとか巻き乗り駈歩や反対駈歩)ができるようになるためには、
内方姿勢を極める必要があるのだ。
これからの練習の方向性が示されたな。
■駈歩だってもちろん内方姿勢そのもの。
水曜日のレッスンで4%先生が「その拳をしっかりその位置で持って」と強調していたのは、このことだったのだ。
【山桜】の駈歩にはなんの心配もなく乗れるので、
いろいろ考えながら乗る。
「頭、肩を後ろに身体を起こして、腰を前に」と声がかかる。
「タタターン」という反撞の「タタ」の部分をお尻の下で受け止める。
そして、伸びたり縮んだりする馬の首の動きが拳に伝わってくる。
かつて「拳が安定すれば、ゴムのように伸縮する感じがわかってきますよ」と言われていた通り。
馬の体が伸びてきて、私が振り抜けそうになるときには、
内側の脚を強く使ってみる。
よしよし、首が起きて座るのが楽になる。
半年前、とにかく「駈歩を続けてくれ〜」と必死になって馬の背にしがみついていた時とは全然違う。
自分手足が自由に動くようになったし、馬から感じ取れることが何百倍にも増えた。
「あと1周駈歩したら、速歩、常歩に落として停止しますよ」と予告がある。
スムースな移行のためには、勢いで走っているのではなく
充分な前進気勢と安定したリズムが必要だよねと脚を使って背を起こして準備をする。
速歩には華麗に移行するが、その後の速歩にちょっと乗り切れない。
ちょっと背を張った状態でやりとりしていると、後ろから迫る【グプタ】
彼も慌てて走っている様子。
と、外側から抜かれたのに驚いたのか、ビょンどわ〜と飛び出す【山桜】
(防振マットの上にぬめと乗っているような感じで、
「なんで普通に乗っているんじゃ」と落ちそうにない自分に却って驚く。)
【山桜】が飛び出すということは、ここが馬とちゃんとコンタクトがとれてない証拠なのだ。
下方移行中の速歩は、駈歩より速歩のリズムのほうが早いから、スピードを落とすつもりでゆったり構えるとリズムに乗っていられなくなる。
この一瞬の慌てぶりで、ハミが当たったり手綱を引いたりと馬には辛い思いをさせているのだろうな。
落ち着いてからの速歩では、脚とバランスバックですうトンと停止も決まる。
■最後は自由常歩でクーリング。
馬の鼻息が落ち着いて、首を下げてゆったり歩いていられるようになれば終了。
たとえ暑い時期でも「馬がさぼっていたら鞍下にしか汗はかきません」
「首や股に汗をかいているのがしっかり運動した証拠ですよ」と汗の評価の仕方も教わる。
【山桜】ちゃんと汗かいたかい?
「楽しかったよ、ありがとうね」といい気分を分かち合って帰る。
■今日のごんちゃん先生レッスンは「馬の基本的運動:実習編」という感じ。
個人的に「もちぇさん、そこがダメ」と注意される所はなかったが、学ぶことは多かった。
まだ酷暑とは言い難い季節だけに、30分のレッスンは「え〜もう終わり?」と物足りない。
2鞍連続して予約するのもいいが、万が一暑くなったら2鞍はつらいだろうなあと臆病にもなる。
まあ、あともう少し乗りたいという気分で終えるのがいいのかも。


解放されし初級者 [サマリー]

 2007-07-07(Sat)
■めでたくも7が並ぶ日にちなんで。
2007年も半分が過ぎた。
最近、馬に乗るのが楽しい。
できないこともダメなことも山積みだが、
「どうしてできないんだろう」という己を縛り付ける鎖がとけて
「自由になった」という開放感を感じる。
4%先生がいみじくも「リラックスして乗れてましたね」と評するとおり。

○1月 出稼ぎのお正月休みを利用して数鞍騎乗。
    「駈歩で飛び出されても怖くない」平常心でいる自分に気がつく。
○2月 出稼ぎ終了。
    400鞍目【山桜】に騎乗したレッスンを機に競技会出場をめざす。
    駈歩経路の途中で速歩に落ちるレベルからスタート。
    正確な図形を描くポイントを守ることを厳しく言われる。
    折り返し手綱を使う練習を始める。
    速歩での推進(のんびりダラダラはダメっ)を注意される。
    駈歩での輪乗り、斜めに手前を換えなどのパート練習がメイン。
○3月 歩度の詰め伸ばし、駈歩での輪乗りと隅角通過との明確化を練習。
    競技会が近づくにつれ【山桜】以外に頼れる馬がいない状況に不安になる。
    前日に競技用にテンションを高めた【山桜】に騎乗して、乗り心地に感激。
    18日県選手権大会馬場馬術第2課目競技に無事出場を果たす。
○4月 競技会のDVDを見て、速歩や駈歩で拳が動いている姿に愕然となる。
    手綱につかまってバランスを取らないことを最優先課題とする。
    駈歩では「外方脚引きすぎない内方脚前で使う」
   「減速した時に馬に覆いかぶさらない」という注意を延々とされるが、
    2ポイントキャンターで鐙を踏む練習をしたとたん一気に解消。
    クラブ内スプリングホースショーに向けて、
    直前に【アレフ】とペアを組む。
○5月 ホースショー馬場馬術第2課目に【アレフ】で出場。
    11月の運動会同種目より得点率で10ポイントを上回りリベンジを果たす。
    駈歩でのバリエーション(追い越し、すれ違い、各個乗り)が増える。
    重い馬への扶助の出し方への苦手意識が顕在化。
    障害競技の観戦に行く。
○6月 体調不良のためオーバーホールに入る。乗馬は3週間程休みがち。
    県大会2日間すべての競技を観戦する。 
    初級者から国体予選レベルの競技者を見ていて
    「あんな風に乗ればいいんだ」と何となくイメージがつく。
    騎乗バランスが安定してきたと評される。
    手綱の扶助が課題になってくる。
    短く持つ、緩ませない(調整は肘の開閉で)、外側の拳をしっかり持つ等。
    駈歩では、お試し反対駈歩や鐙上げができるようになる。
    500鞍を越えて、教官の指示待ちではなく自分からどうすべきかを
    考えられるよう意識を変えるべく、自立を決意。
○7月 騎乗していて楽な感じ、自由な感じを味わう。

上手くいったと思ったら途端に足をすくわれる経験が多いだけに
今後の波乱が予想されるが、それでも今の開放感を声高に叫びたい。
「こわい」「むり」「できない」と身体中にまとわりついていた緊張感が解けた喜び。
私はいま、自由だ〜!

     
    


509鞍目 落ち込む [第12章 初級騎座拳安定編]

 2007-07-09(Mon) 初級クラス 通算509鞍目
■うららかな解放された気分のレッスンが続いていたが、今日はどよ〜んと落ち込む。
「気力と体力とお金と時間をかけても、こんなに下手クソ…」
「ああ、すんなり上達する人がうらやましい」
まあ、落ち込み気分は循環してやってくるから珍しくないのだが、
乗馬にかまけて、ないがしろにしたことの反撃が凄まじい。
「乗馬にかけた時間とお金、もっと他にかけるべきだったのでは」
荒野にただ一人とり残されたような虚しさに取りつかれる。
■本日は【アレフ・ゼロ】
【毒うま】【山桜】との3騎部班。
右手前の速歩がガクガクしてどうにもならない。
輪乗り(右手前)ではどんどん内側に切れ込む。
馬が上手く動けないところを騎乗者がどうやってカバーするのか?
今日はなす術もない。
乗り難いといわれている馬をこともなげに乗りこなしている人を見ると、
「乗り心地が悪いから乗れないんだもん」と堂々開き直っている自分が惨めに思える。
■唯一の救いはアレフの駈歩。
とっても気持ちよく乗せていただいた。
ありがたし。


乗馬クラブの風景 8 [丁寧に暮らしたい]

 2007-07-10(Tue)
■馬に乗るためにいくクラブだが、馬以外にもいろいろある。
「知らないでいることが一番よかった」と言ってしまう自分を振り返って…

■クラブに通い出した最初の頃、判別できるのはフロントと担当インストラクターのみ。
どんな職種の人がいて何をしているかなんて、知る由もなかった。
ましてや会員の見分けがつくはずもない。
ひとりで行くから、
「こんにちは」「おつかれさまでした」と声をかけられるだけで嬉しかったし、
上手そうな人達が「新作のベスト買ってみたら〜」などと楽しそうにおしゃべりしているのを聞くと、それなりのコミュニティがあって新参者が気安く加われるものではないとわかった。
■新顔でも別のクラブから移ってきた方もいれば、まったくの初心者もいる。
だから、似たような境遇の人を捜す手だては服装。
ジーパン等をはいていたら、まだお試し期間中。
地味な色の無難なキュロットをいつも同じようにはいていたら、多分同類。
雑誌の広告にあるような新作のキュロットをはいていたら、
かなりこの世界に馴染んでいる先輩。
上から下までハイスペックな新品で固めていたり、どう見ても無理な色とかデザインを身につけている方は、馬に乗ることより馬に乗っている自分を愛しているのだと解釈して、あえて近づかない。
とまあ、似た者探しが大変だった。
■長く続けているうちに、見知った顔も増えそれぞれの事情も飲み込めてくる。
ちなみに同じビギナークラスで親しく話ができるようになったのは、入会してから3ヶ月後ぐらい。
フロントで馬具を注文する以外に、
馬具屋のセールで安く手に入ると教えてもらったのは入会後1年以上経ってからだった。
この頃になるとクラブの先輩とも話ができるようになり、
いずれ少しずつ揃えていくべき馬具や服装のことも教えてもらえるようになった。
わがクラブの状況では、インストラクターから強制的な馬具のセールスはないので、気がつくといつでも借り物状態ということもある。
ヘルメットとブーツ(チャップス)とキュロットは、入会して今後継続していこうと思った時に購入。レンタル馬具と同じものを注文した。
○駈歩クラスに進級した段階で、短鞭を購入するよう言われた。
○初級クラスに進級した段階で、豆拍車を購入するよう言われた。
○鞍は、正反撞速歩の練習をするようになってから購入する必要性を感じた。
買うまでに教官の自鞍に試乗させてもらって乗り心地の差を実感。
それでも、高価な買い物ゆえ「この先続けていく自信があるのか?」と悩む。
しかしいったん買うと「続けざるを得ない」と積極的投資に傾くようになる。
○馬具屋のセールで冬用のジャケットやお手入れ道具など堰を切ったように購入。
福袋なるものの存在を知り、馬具=敷居の高い特別なものという感覚が失せる。
ゼッケンやパッドなどにもこだわりが出てくる。
○部内競技の練習が始まるころから、競技会に必要になるものは少しずつ揃えた方がいいと言われ気になり出す。
革長靴などは直前に慌てて買うと、はき心地がしっくりこないという話を聞きオーダー長靴にあこがれる。
馬場をやるなら筒型の長靴が規定なのだが、甲の低いひれのような足を持つ私は迷わず編み上げにしてもらう。
ショージャケットは、周囲の方々を見て考えた。
最初は借り物でいいと言われるが、サイズが合わずどう見ても情けない姿はバツ。
ばっちり決めてとオーダーでジャケット作っても、高価すぎて雨が降ったらもったいなくて着れないのもバツ。
将来的にはきちんとしたジャケットを手に入れるとしても、最初は海外通販の安物でいい。
雨の日泥の日用の予備ジャケットして今後も使えるし…
ハットは、初級クラスの競技はポーラーハットなのだと聞いていたがカタログには見当たらない。
老舗に行けばわかるかもと出かけたら、雰囲気に呑まれ気がつけば英国製の高価なトップハットをお買い上げ。
日本人の頭にあわないハットをどう調整するのかと懇切丁寧に教えていただいたゆえ、断れなかった。
ちなみに調整方法とは、
前後に長いハットは、横幅がきっちりあうものを選ぶ。
帽子はひとつずつ微妙に違うので試着して決めるのがベスト。
前後のグラつきは、帽子の内側に縫い付けてあるリボンの隙間に薄いスポンジを入れて調整する。
あらふしぎ、ハンカチサイズのパットをおでこの部分に入れるときゅっと締まって、頭を振っても落ちなくなる。
後ろは開いていても大丈夫。3点固定で問題なし。
男性は敬礼で脱帽するから、パッドは縫い付けるとか貼付けるなどの固定が必要かも。
細々した小物までいれたら結構なお買い物になる。
○ようやく一通りそろえて今後は高額な出費はないと安心していたら、最初に買ったショートブーツやチャップスにほころびが…
いやはや、振り出しに戻れってことか。






510/511鞍目 ボスの座 [第13章 初級手綱の感触編]

 2007-07-11(Wed) 初級クラス 通算510/511鞍目
■まっとうな梅雨空が続いている。
時折雨脚が強くなるものの馬と一緒にいると気にならない。
乗り終えた頃には空が明るくなり、ひぐらしが「カナカナカナ」と鳴き出した。
■ひと鞍目は【アウグスティヌス】
雨でキャンセルが出たため、ぽつんとひとりのレッスン
ゴンちゃん先生に見ていただく。
■【アウグス】は馬場への引き馬中に路傍の草に首をのばす。
これまで他の馬に同じことをされた時は「こらこら、だめよ」と甘い態度だったのだが、彼に対しては「ボスはどっち」という危機を感じるのだ。
【アウグス】は牡馬だからか、乗る人を試すような雰囲気がある。
「お前に従うかどうかはオレが決める」と。
「ここでうやむやにしていけない」と心の声がつぶやく。
草を食べようとするところをグイと引っ張ると、さらに先に進んで引手を無視しようとする。
「ダメっ」と強く言って草を食べられないよう引き戻す。
さらに引き馬でピニョン氏のステップ1( だるまさんがころんだ )を実行。
3回目でようやくこちらの歩みに合わせてピタリと足を止めてくれる。
「よしっ」と首筋をなでて褒める。
私は、他の馬にはここまでストレートに「わたしがボスよ」と主張できない。
不思議と彼に対しては、いらだちでもなく怒りでもなく平常心で対抗できるのだ。
■「お待たせしました」と馬場に入ってレッスン開始。
先程のやり取りで理解してくれたようで、すんなり常歩、軽速歩と運動が進む。
「鏡で見たら、後肢が前肢の跡かそれより前に踏み込んでいる状態をよしとします」
「【アウグス】のやる気のない引きずるような肢運びの時は、反撞が少ないし砂煙があがるのでわかります。今日のような雨の馬場なら、馬の足音に気をつけてみて下さい」
「引きずるようなざぁ、ざぁではなくて、力強いざっ、ざっという一定のリズムが聞こえてきたらOKです」
力強いリズムを刻むか、いい表現だなあ。
とにかく隅角でも巻き乗りでも、つねに一定のリズムを目指す。
遅れがちになる隅角は、手前から強めの脚を使ってスピードにのせたまま通過する。
エンジンの回転数が落ちやすい【アレフ】などだと、何かするたびアクセルを踏み込まないといけないのだが、そういった余分な手順がいらないので楽である。
■準備運動最後の駈歩発進では、恒例の手間取り。
雰囲気を察してすっと出してくれる馬以外では、〈騎座が浮いて手綱につかまる〉問題がいまだ解決してない。
「だんだん慣れてくるだろうし、苦手があってもいいいじゃない」と昔ほど深刻に悩まなくなった自分。
ただ【アウグス】は見逃さなかった。
「隙ありっ」とばかりに内側によれてくる。
蹄跡に戻そうとするとピタリと止まる。
再度、ボスの座をかけて勝負。
脚でドンと蹴る。動かなければ長鞭でビシッ。
「動かない時は尻鞭でいいですが、内側に入ってくる時は肩鞭で伝えましょう」とごんちゃん先生の親切なアドバイス
求める動きをしてくれるまで、扶助の合図は段階的に強くしていく。
反応してくれたらすぐさま合図を止める。
そして、最初の軽い扶助から始める。
ようやく駈歩が出る。
ベテランの練習馬を相手にすると「こんな下手クソな私なのに、ごめんね」と恐縮しつつ腰が引けた状態で扶助を出すのに、【アウグス】に対しては「下手だろうが私がボスなんだから」と言えてしまう。
なんとかねじ伏せたようだったが、駈歩で隅角を過ぎるといきなり馬の腰がフニャとなる感覚。
反対の手前でも同じようなフニャ感。
「怖い、続けられない」
メタメタ発進でばらけた駈歩をさせているからか?
「馬場がぬかるんでいるのでコーナーで後肢がすべるんだと思います」と解説して下さる先生。
私がもっと駈歩を上手く出せれば、こんなことにはならないのだろうが…
結局、駈歩は隅角までて終了。私の判定負けになってしまった。
■気を取り直して、本運動に入る。
速歩ではつけ入る隙をあたえない。
輪乗りから輪乗りの手前を換え、中央線から左右8の字乗り、3湾曲蛇乗りと、
姿勢の入れ替えをしながら内方姿勢の練習。
「内側の鐙を踏み込んで」「内側に乗って」と明確に新しい姿勢を示す扶助を指示される。
今回〈内側に乗る〉内側の座骨に荷重する感覚が、はっきりとわかる。
シーソーのまん中に立ち、片方に踏み込むとそこが重くなりグッと締まって動き、他方が軽くなって大きく動く感覚のよう。
シーソーに踏み込む足のかわりが座骨の感触。
■ひたすら速歩が続く。
直線では、
「馬を支えてあげて下さい」
「ハミを頼って踏み込んできて大丈夫と伝えて」と声が飛ぶ。
こう言われると「ひ〜、ふ〜、いつまで続くの速歩〜」と音を上げていられない。
まっすぐまん中に座って馬のリズムと一緒に動き、手綱の感触に神経を集中させる。
馬の歩みにあわせてわずかに「ぐっぐっぐっ」と脈動が感じられる。
リズムのない「ぐうー」でもないし、速歩のリズムと異質の「ガチャガチャ」でもない。
「馬がハミをかんでますよ」となると、私の腕は馬のもの。
勝手に握り換えたり、必然性のない動きをしてはいけない。
「ぐっぐっぐっ」と感じる脈動に少しだけ元気がなくなったようにみえる。
慣れてきて気を抜いたかな…
「はい、しっかり走って」と脚で合図すると、外側の肘につんと力がかかってふと動きが軽くなる。
「そう、いいですね」というごんちゃん先生と「うわあ、楽〜」という私の声が同時。
だめだ〜はしゃぐから、すぐ気持ちのいい走りが崩壊する。
それでも何度か、外方の肘につんと重さがかかって、すうと楽になる瞬間を味わえる。
こうなるとあきらかに「私がボス」
タイミングのズレなど誘導で失敗して図形が乱れることはあっても、馬が言うことを聞かないということはない。
■レッスンの講評時に、
【アウグス】に対して「君もここまでできるようになったか…」とねぎらうごんちゃん先生。
「牡馬や牝馬は、ホルモンの影響もあるのか感情が反映されることがあるみたいなんです」
「嫌となれば徹底的に反抗したり、心をゆるすとしっかり言うことをきいたり」
「その点、せん馬はいつも一定という感じなんですが」
うわあ、密かに【アウグス】とボスの座争いで花火を散らしていたのがバレたかな。
とにかく本日は、駈歩で判定負けするも最後はきっちり勝ててボスの座を手にした。
次は防衛戦になるが、駈歩で攻められるとつらいなあ。


510/511鞍目 コンタクト [第13章 初級手綱の感触編]

 2007-07-11(Wed) part2 初級クラス 通算510/511鞍目
■水曜日ふた鞍目。
お相手は【時鮭】で4%先生のレッスンとなる。
かなり雨が降っている。
以前はぬれる自分や馬が心配だったが、今は雨に打たれて馬場に立っている教官に申し訳なく思うようになった。
「雨の中のレッスンが続くと風邪をひかないかと心配です」と伝えると「大丈夫ですよ」の返事。
う〜ん、この先生は馬と同列に考えていいのだろうか?
馬が大丈夫そうなら先生も平気なのか。

つづく


512鞍目 こころの隙間 [第13章 初級手綱の感触編]

 2007-07-12(Thu) 初級クラス 通算512鞍目
■今日も湿度が高い。
インドアのプールサイドにいるような気分。
このところ、合同クラスの嘆き節が天に届いたのかクラスを分けてのレッスンが目立つようになった。
というわけで、本来の初級が使う正方形馬場での話…
■本日は【霧丸】さま。
【ムーン】と2騎部班でごんちゃん先生に見てもらう。
各個乗りに慣れるようにという配慮もあってか、速歩までは対面通行の指示。
「左側通行ですから、右手前が外側、左手前が内側を通って下さい」
馬場半分の直径約15mの輪乗りも左右に分かれて行い、相互乗り入れをして手前換えをする。
「姿勢の入れ替えは一旦馬体をまっすぐにしてからですよ」
「新しい姿勢がとれるよう、内側の鐙をグッと踏んで」
「馬の首が外向いちゃってますよ」と内方姿勢の練習が続く。
ここまでは、よかった。
馬も落ち着いて内方姿勢の扶助に従ってくれる。
対面や相互乗り入れも、カドリールのようで楽しかった。
■駈歩で暗雲が立ちこめる。
「じゃあ、それぞれの場所で駈歩輪乗り」
うっそ〜、この輪乗りの直径15mって巻き乗りと変わりないじゃないの〜
田んぼのような馬場で、タイミングによっては【ムーン】と対面する駈歩ではないか。
「できるかなあ」と及び腰で駈歩発進の扶助。
もちろん発進ならず速歩に逃げられる。
「さっきと同じように内方姿勢をとらせてから、駈歩出しましょ」とごんちゃん先生のアドバイスをいただくが、こうなると座ってられないし手綱にはつかまるし悪循環。
「どうせ、私は雰囲気で駈歩発進してくれる馬に頼ってますよーだ」
「発進の扶助を落ち着いて正しく出せないんですよーだ」と己が欠点をあげつらってみる。
そして、
「先生、この小さい輪乗り駈歩を対面でするのは正直コワイんです」と直訴。
「じゃあ【ムーン】の後ろに付いて駈歩することにしましょう」と運動の指示をかえてもらうが、これ以降【霧丸】には駆歩してもらえなかった。
がっくり…
■泥沼馬場での駈歩は、心のどこかで「嫌だな」という想いがある。
そんな心の隙間を【霧丸】につかれたレッスンだったように思える。
もちろん、速歩が出ても慌てず、内方姿勢をとって座りつつ手綱につかまらず扶助を出せるようになるのが一番なのだが。
「私が下手だから」と嘆く内罰的傾向ではなく、
「駈歩する環境が私には怖かった」という外罰的傾向になっている自分を自覚する。
■落ち込む私を見かねて、ごんちゃん先生が声をかけてくれる。
「乗り易いといえない【霧丸】の速歩に座れてましたね」
はい、それだけが唯一の救い。
「駈歩だって出せればいいというもんじゃないですから」
「速歩に座れるってことは駈歩でも座れることに通じますから」とやさしいフォロー。
■でも、どうだろう。
レッスン中に、速歩でドカドカ跳ねているのと駈歩全滅とどちらが情けないか?
駈歩出せない方が目立つし、かっこ悪いのでは。
ああ、新馬や障害馬の駈歩発進がスムースにできるようなりたい。
(七夕さまにお願いをしておけばよかった…)


513鞍目 そうは問屋がおろさない [第13章 初級手綱の感触編]

 2007-07-13(Fri) 初級クラス 通算513鞍目
■鞍ロッカーの扉を開けたままにして道具の出し入れをしていたら、
「ごそごそ、ボムっ」とゴムまりのようなものが飛び出してきた。
「ひっ、ひぃーーふーふー」と横っ飛びする私。
大きな悲鳴をあげるのはかろうじておさえたけれど、身体中ピクピクしている。
馬房の前のロッカーだけに驚きかたも無意識に馬に似る。
ゴムまりの正体は、厩舎の管理人(猫)【よね】ちゃん。
「今日は13日の金曜日なんだから、脅かさないでよねえ」
■本日は【アウグスティヌス】で4%先生のレッスンとなる。
このところ若衆や障害馬たちの駈歩発進不良に泣かされているだけに、突破口が見つかるか?
■ボスの座争い第2戦。
馬房から連れ出す時から「取りあえず従うけれどボスとは認めてないから」という雰囲気がありあり。
【アレフ】や【霧丸】などのベテラン馬なら「ごもっともでございます」「私のお相手をいただくだけであり難く存じます」と思えるのだが、【アウグス】には「私をボスと認めさせたい」という妙な意地をはりたくなる。
■4%先生が下乗りをしている姿を眺める。
私の鐙革の長さを変えずに乗って下さっている。
ふうむ、私と同じ位置で脚の合図をだしているわけだ。
首を上げている【アウグス】に手綱を操作して、鼻梁のまっすぐなちょうどいい位置に首を下げさせている。
駈歩発進で一歩目からちゃんと出なかったり、速歩に落ちて再発進している時の先生の姿勢は微動だにせず。
脚でポンと合図をしてそのままの姿勢で待っている。
と、ややあってパカランと駈歩が出る。
私はここで待てないのだ。
いつも動いてあわてて拳があがって姿勢はぼろぼろに崩壊。
「あれ?通じなかった?」とより強く外方脚を蹴りつけようとして膝が上がり鐙は外れる。
だだだ〜と飛び出す速歩を止めようとしてグイイと手綱を引くから、よけい発進時は手綱につかまっている。
先生のように動じずに乗れればいいのだが。
■乗り替わってレッスン開始。
大きく伸びやかに動いてもらうことに専念する。
動かしながら、手綱でのやり取りが緊密化するにつれて長鞭が邪魔になりだしたことを相談する。
「長鞭でなく拍車をメインに扶助を出す方がいいのでしょうか」
「持ち替えたり鞭を入れるたびに大事なところで手綱が緩んでしまって…」
地上からは、
「長鞭でいいと思いますよ」
「静かにそっと持ち替えればいいんだから」と今ある道具の使い方に習熟せよとのお達し。
急遽、鞭の持ち替えの練習になる。
「軽速歩で斜めに手前を換えて隅角まわって直線に出たら持ち替えましょう」
「カーブでは左右の手綱での扶助が必要だからね」
持ち替えるとなると外側の手綱のテンションが変わらないようにしないと…
いったん片手に両手綱と長鞭を握り込んで、空いた片手で鞭をそうっと引き出す。
両手綱を握る拳がまん中で動かないよう、指に感じる手綱のテンションが変わらないよう慎重に。
練習しながら了解した。
繊細な手綱のやり取りに集中している時は、長鞭を持ち替えようなんて思わない。
長鞭が邪魔で手綱が緩むと感じる時というのは、馬を前に出せなくてなんとかしたくて雑に動いてしまうときなんだと。
■「じゃあ駈歩出しましょう」の号令が、ボスの座争い第2戦のゴングとなった。
隅角に向けて、内方姿勢をとり内方脚で押しつつ外方脚をやや後ろに引いてポンと合図。
私を哀れんでくれる馬なら、ここでくわっと駈歩が出る。
ところが、すか〜と速歩が出るだけ。
「あれ、外方の合図が聞こえなかったかな?」とより後ろに引いて強めにグイと合図を出す。
するとさらにダーと速歩になるだけ。
「速歩続けさせない!」「馬は速歩でいいと思っちゃうから」とお叱りの声。
ここからは、いつもの迷宮へ。
【アウグス】は「お前になんぞボスの資格はねえよ〜」とばかりに、減速や下方移行の合図に抵抗する。
思いっきり手綱を引っ張る局面にきたら、もうバランス云々は吹き飛んでいる。
馬と綱引きをしながら、どんどん加速する速歩に乗っていて座るも手綱もあったもんじゃない。
なんとか減速しても、今度は身をよじってあらぬ方を向く【アウグス】
安心して乗れる軽速歩を本能的にとりながら、リズムよくバランスよく乗れる状態に持っていくのはもう理屈でもなんでもなく、自分を守るため。
そこを「軽速歩をしたら馬も楽になるからダメです」
「軽速歩をした時点で馬に負けちゃってますよ」と審判から負けの宣告。
■バランスを崩したまま無理矢理発進の扶助を出しても、膝が上がり鐙がはずれてパニックに陥るだけ。
自分が安心して扶助を出せる落ち着いた走りに安住すると、馬には「楽なこの走りでいいのだ、駈歩出さなくてもいいのだ」と伝えることになる。
私には、抵抗してきた相手とぶつかってさらに組み伏せるという闘争心がない。
抵抗にあったら、相手が抵抗しないところまで要求を下げるという妥協が人生の指針になっている。
これは相手を冗長させるだけとも言うが…
結局、偶然に出た駈歩でも「いつ勝手をされるかわからない」という不信感の中で乗っているので、
「もちぇさん、鐙をしっかり踏みこんで」と姿勢も悪いまま。
今週の駈歩は、さいてー。
■これ以上やっても埒があかないと判断した4%先生は「軽速歩を」の指示。
駈歩がダメなほど磨きのかかる速歩。
身をよじり勝手に加速したり立ち止まったりと荒れていた【アウグス】なのだが、
一定のリズムで気持ちよく前に進む軽速歩の中で、落ち着きを見せる。
「鐙をしっかり踏んで」「踵が下がり過ぎるくらいでいいから」と
駈歩迷宮での戦いでくずれた姿勢を直すよう指示がでる。
気持ちよく乗れる時には、すぐに正しい姿勢に戻れる。
「長蹄跡は歩度を伸ばして」の指示を聞いて、
短蹄跡では少し前をもって推進して、ためをつくる。
そして長蹄跡にまっすぐ向いたところで、きゅっと脚を使うと一歩一歩が伸びていく。
「拳を少し前に差し伸べて」と言われて【アウグス】にハミを追わせる。
歩度の詰め伸ばしにきちんと反応してくれる馬が、さっきの「だれがおまえの言うことをきいてやるか」と抵抗していた馬とは思えない。
「じゃあ、どんどん手綱を伸ばしてちゃって」の指示に【アウグス】の首が長く伸びて下がっていく。
最後は人馬ともにリラックスして気持ちよく終えられた。
■馬場を出る時に4%先生は「もちぇさんも拍車使った方がいいですね」とぽつり。
やっぱり、そう思います?
【山桜】のように触っただけでもわかってくれる馬でないと、私の合図は伝わってないのかと思う時があるのだ。
特に外方脚を引いて合図するのが伝わらないと、次の手段が回し蹴りになってしまう私には、みすみすバランスを崩して失敗を呼び込んでいると思える。
「拍車をつけて怖い思いをしたというのでなければ使ってみましょう」といわれる。
拍車が原因で暴走されるより、駈歩発進の拘泥で暴走されるほうが何倍もコワイ。
(あの落馬事故がそうだったのだから)
だから「駈歩でなくてもいいわ」と心の奥で負けることを選んでいるに違いない。
■ボスの座争奪戦第2戦は、私の完敗。
【アウグス】は「駈歩で押し切ればオレが勝つ」と気がついたようだ。
洗い場で肢を洗って水で流しながらマッサージをすると気持ち良さそう。
通りかかったごんちゃん先生が、
「もちぇさんは【アウグス】と相性いいみたいですねえ」と声をかけてくる。
「ボスの座争いできるほど相性いいですっ」と冗談半分に応える。
お世話になるとか、かわいがるという相性の良さではなく、
〈真剣に向き合ってくれる〉という手応えを感じさせてくれる馬なのだ。
何となく言うことを聞いてくれたら「今日は私の勝ち」という生半可なものではなくて、
彼の信頼を得たボスになりたいと思っている。


ひとりごと [丁寧に暮らしたい]

 2007-07-15(Sat) 
■何かを続けていく時に、メンタルコンディションマネージメントって大事だと思う。
「うわっ楽しい」「上達したい」「この次はこんなことやってみよう」
「がっかり」「もうダメ」「情けない」「何とかしなくては」
「できたっ」「すごく幸せ」
「こんなに頑張っているのに」「アホらしい」
「でも、可能性があるなら」「やっても無駄かも」
「あの人がねたましい」
「自分のやっている事に意味があるんだろうか」
「私のやっている事が人の迷惑になっているとしたら」
「やめたら何が残るんだろうか」
■どんな〈思い〉もあっていい。
いろんな感情をそれぞれの場面で味わいながら、消化して自分の身としてけばいい。
落ち込むのも長い道のりからすれば、順調な経過のひとつ。
■前に進むエネルギーってどこからくるのか。
単純に、そこに馬がいるから乗らずにはいられないだけ。
上手くいっている時は、「思えば遠くに来たもんだ」って来し方を振り返る。
上手くいかない時は、順列組み合わせを考えるようにすべての条件を徹底的に洗う。
そして、忘れる。
すると進むべき方向がなんとなくわかるから、あとは足元だけを見つめて歩く。
一番つらいのは、進むか退くかに迷うとき。
でも、どうしたらいいかの答えは自分の中にあるのはわかっているから、何かにポンと背を押してもらえればいい。


514鞍目 拍車ねえ… [第13章 初級手綱の感触編]

 2007-07-16(Mon)海の日 初級クラス 通算514鞍目
■昨日のうちに台風4号が通り過ぎた。
土日祝日のレッスンは朝8:30からである。
「では、朝練に行ってきまーす」と朝食をモグモグほおばる家人をおいて出かける。
■本日のお相手も【アウグスティヌス】
07年上半期は限定された会員を乗せていた彼だが、このところ第一線に配備されることが多くなった。
昨年3月末に中山競馬場を走って4日後には我がクラブにやって来て、はや1年3ヶ月。
8歳まで競走馬でいたのだから、彼が「新しい生活をどう受け入れているのか?」心のうちを聞いてみたいものである。
■厩舎にいて馬房の近くを通りかかると必ず「ぶぶぶぶっ」と声をかけてくれる【アウグス】
『明るい乗馬はまず挨拶から』を実践している。
見習って私も一声運動に加わる。
「昨夜はよく眠れた?」「台風明けの重馬場だけど、よろしくね」
無口をつけて馬房から馬繋所まで引き馬する。
馬が歩き出さないとか違う方向へ行こうとする瞬間は引手を強く引くことはあるが、歩いている時はゆるゆるの引手のままでいる。
馬が人と一緒に歩く気になっていることが大切。
だから、私が足を止めたら【アウグス】もピタリと止まって欲しい。
最初の頃は、私が止まってもそのまま前に進もうとしたのだが、
今日は1歩の違いで止まってくれる。
〈引手をひかれること=今やっていることは違う〉という関係がわかってくれるのを目指している。
■馬繋所で馬装をするにあたって、
【アウグス】は彼の右側にたって肩に触ると決まって前がきを始める。
何でなんだろう? 【アレフ】の時も同じように振り返って不快感をあらわにするし…
前がきをする本当の原因を取り除かなければ根本的解決にはならないのだが、コンクリートにくぼみができるほどの激しい前がきなので、やめさせることも重要。
そこで、前肢をあげたときに球節があたる位置に根ブラシの固い部分をかざしておく。
豪快な前がきをすると馬自らコツンとあたる。
何度か繰り返すうちに、手をかざすだけでも前がきの激しさがなくなる。
「こらっ!」と怒鳴ったり叩いたりする人がいるが、それより【アウグス】自らが「これはまずい」と思えるやり方をしたほうがいいのではないかと思う。
■ボスの座争奪戦は、勝敗の行方もわからず今日も続くのだが、
私の基本戦略は「やってもらいたいことをシンプルかつ明瞭に伝えること」および「ボスになる自分を信じること」
■本日のレッスンは、中級の方々と合同。
【青雲】と【とら】ちゃんとの3騎部班で4%先生のお世話になる。
レッスン前の【アウグス】の下乗りを見ていると
駈歩発進の直後にグイイと馬を止め再発進させている。
あれは… 発進に失敗して綱引きしてしまう状況を想定しているのか?
「そこまでして…」「すまぬ【アウグス】」
今回から明瞭な指示のために、拍車をつけることにした。
「推進はふくらはぎで」
「馬の反応が鈍いなと思ったら、脚を後ろに引くなりつま先を外側に向けるなりして拍車をいれましょう」と丁寧なガイドがある。
心持ち脚を引いて踵を当てるようにするとついと前にでる。
いいねえ〜、反応がきちんとある。
【アレフ】だとおおらか過ぎて拍車が効いているのかどうかわからない時があるのだ。
しかしながら、脚を引いて拍車が入るということは、膝でつかまって脚が後ろに流れたら拍車入りっぱなしということに気がつく。
スピードが上がってパニックにならないようにしないと。
うへ〜前途多難。
■駈歩発進は最初だけ「はあ?」と言われたが、後は駈歩出してくれた。
前の馬の外を回り込んで追い越さんばかりに走るのは、競走馬としての習慣がそうさせているか?
それとも知らぬうちに拍車が効いてさらに走ろうとしてくれているのか?
ああ〜、駈歩発進は楽になったが駈歩の維持でまたもや暗雲。
今度は駈歩での〈拍車使用vsスピードコントロール〉という私の苦手な課題。
もうボスじゃなくていいから、従僕でいいからと弱音がでる。
■速歩の本運動では、中級のお二人が長蹄跡を肩内で走る。
私は軽く内方姿勢をとって走る練習。
ところが、前の2頭にならってか【アウグス】の馬体が斜め前を向いて走っている。
「君までまねをしなくてよろしい」とまっすぐに乗ることを意識する。
左手前になると今度は馬のお尻が蹄跡から外れて走っているような感じ。
馬体が斜めになって進むのが気持ち悪い。
左脚をちょっと後ろに引いてグイイと【アウグス】を押し込む。
後肢の動きの大きい馬だと馬体がまっすぐになっているか否かがよく分かって興味深い。
でも、どうしてなんだろう?
なんで腰が内側に入ってくるのだろう。
【アレフ】の時もそうだったし、右肩に触ると嫌がる馬の共通することなのか?
わからん。
■今日は前回のような徹底的な敗北を味わうことはなかったが、
〈拍車使用 vs スピードコントロール〉という大きな壁が立ちはだかる。
先は長い。
障害レッスンに参加して、スピードに乗るという練習をしたほうがいいかも。



515/516鞍目 力み過ぎ [第13章 初級手綱の感触編]

 2007-07-18(Wed) 初級クラス 通算515/516鞍目
■「駈歩が出るまで脚を入れ続けなければいけない」
怖かろうが馬がかわいそうだろうが、それができなければボスの座は望めない。
「馬がどんどん速くなるからバランスとれない」
「馬がイライラした様子でコワイ」と言っている自分をなんとかせねば。
ボスの座争奪戦とは、本当は馬とではなくて弱虫の自分との闘いなんだろうな。
■ひと鞍目は【霧丸】さま。
【とら】と【ときめき】との3騎部班で4%先生のレッスン
■駈歩発進に失敗してダダッと速歩になったとたんに「くう〜っヤダ!」と駈歩させることに拒絶反応を示す私。
「馬にもっていかれたら、少し手綱を長くしていいですから」
「短く持ったままだと、もちぇさんの場合前傾になってしまいますからね」
「安定して座れる姿勢を常に保つようにしましょう」と、
フォローの声かけをしてくださる先生。
しかし、自分で気がついてしまった。
「怖い」という感情が前傾姿勢にダイレクトに現れているのだ。
偉そうなことを言っても、全然ダメじゃん。
「駈歩できるようになった」「【アウグス】のボスになりたい」なんて宣言して、10日も経たないうちにこのありさま。
情けない…

■「もちぇさん次も乗りませんか?【山桜】に」の4%先生のお誘いに
「ぜひっ」と飛びつく。
このままでは「駈歩をしていた自分は夢だったのかも」と思いかねない。
■ふた鞍目は【青雲】との2騎で合同レッスンになるが、馬場を半分ずつ使って個別練習。
やはり【山桜】は、しっくりくる。
脚で押せば出ていくというこの応答の良さ。
輪乗りで内方姿勢をとる練習から。
なかなかスムースにいかず、円ではなく20角形という感じになる。
だんだん滑らかな円弧になってきたかなというところで輪乗り駈歩へ。
■ポンと駈歩発進してくれるこの喜び☆
「駈歩で内方拳をゆずる練習をしましょうか」
「ずっと譲ったままでなくていいから」
「もちぇさんが譲っても【山桜】が姿勢を崩さないことを確認してみて」と指示がでる。
軽く握っている内方の手綱をふわあと緩めても変わりなく動いてくれる。
それでも一歩蹄跡に出る所で内側の拳を握って円運動が続くことを伝える。
ううむ、蹄跡に出るタイミングで握ると「タカ(たん)」と微妙に遅れて内側に進路をとる。
つまりタイムラグを見込んで蹄跡に入る前に扶助を出すつもりにならんとダメなんだなあ。
敏感に反応してくれる馬って、いろいろ教えてくれるからありがたい。
■「じゃあ次は輪乗りで駈歩から速歩、速歩から駈歩と移行の練習しましょう」
なんの抵抗も感じさせずに移行する【山桜】に神の祝福あれ。
ポイントを予測されないよう、4分の3周とか1周半とかランダムに移行する。
ようやく駈歩に乗って上下に伸び縮みする感覚にたどり着ける。
駈歩不調のときは、前後に振れる動きに抵抗するのが精一杯だったのだ。
どれだけ、よけいな力が入っていたことか!
【霧丸】と【山桜】を乗り較べて、自分の緊張度のあまりの違いに愕然とする。
■その後は、速歩で輪乗りの開閉等の練習。
外方を規制しながら輪を閉じ、内方脚で押しながら外方を緩めつつ外に出していく。
楽しいの〜、ありがたやありがたや。
■よかった【山桜】のおかげでリラックスして馬に乗る状態を思い出すことができた。
あとは【霧丸】や【アウグス】の駈歩で如何に力みをなくすかを考えればいいのだ。

■自分のレッスンが終わってから、他の方のレッスンを眺める。
背中丸めない」
「速くしない」
「手綱でゴチャゴチャいじらない」と矢継ぎ早の注意がとんでいる。
うわ〜駈歩不調でどたどた速歩にのっている時の自分を見るような光景。
ほとんどスピードは出ていないのだが馬が前にのめっている状態。
あれは乗っている側にとっては、かなり怖くて嫌な状況なのだ。
「何とかしなきゃ、落ち着かせなきゃ、もっとゆっくりにして」と手綱を引きたくなるし、自動的に前傾になってしまう。もちろん、脚でさらに推進するなんて指示されてもやる気になれない。
人がやっているのを見ると暴走しているわけでなく
「何を怖がって背中を丸めているのだ?」
「ぐうーと力が入ってしまっているなあ、もっと力抜いたら?」
としか思えない。
傍から見れは、背を起こして重心を下げて腰を入れればすぐ解決するように感じる。
もしかして、私が感じている駈歩発進不良の場面も同じか?
私が感じているような暴走スピードなんて全然ないのか。
騎乗者が感じるスピード感って、実際の速度ではなくて馬の走る体勢に左右されているのか?
なんだかそう考えると納得がいく。
前のめりで走られるとそんなに速くなくてもコワイ。
しかし歩度を伸ばした駈歩でもしっかり馬が起きていると上下にふわんふわんと感じるだけで却って気持ちがいい。
スピード感に錯覚があるのかもというのは、今日の気付きだ。
そうだとすれば、下から見ていた感覚通り〈左右の肩甲骨をくっつける感じで背を起こして、どっしり座って、脚で推進する〉のが解決策となる。
さて、それが実際にできるか否かは今後のお楽しみ… がんばろう。





517/518鞍目 駈歩出してのち [第13章 初級手綱の感触編]

 2007-07-20(Fri) 初級クラス 通算517/518鞍目
■昨日は、ディズニーシーに出かけ朝から夜まで【タワーオブテラー】【センターオブジアース】【クリスタルスカルの魔宮】に乗り続けた。
時節柄待ち時間がほとんどないので4回も5回も連続搭乗する。
年に一度の家族行事なのだ。
「絶対大丈夫、去年も乗った」とわかっていても、初回の搭乗前は緊張する。
馬に乗るときみたいだ。
「逃げ出したい」「気持ちがついていけない」と手のひらに汗をかいてガチガチになる。
しかし「きゃあぁぁぁ〜」と悲鳴を上げて無事戻ってくると、
神経ホルモン系が逃避モードから闘争モードに切り替わるのがわかる。
「よっしゃあ、もう一回!」と人格が変わる。
駈歩の時も、どうにかして闘争モードに切り替わってくれないだろうか。
「コワイから止めたい」「なんとか落ち着つかせて」なんて逃避せずに、
「そら走れっ!もっと速く」とどこまでも追っていけたらいいのに。
■気力体力の残量がほとんどない今日のレッスンは【チャンドラ・グプタ】がお相手。
【毒うま】【アウグスティヌス】【山桜】の4騎部班で4%先生が見てくださる。
右向きが苦手な【グプタ】だったが、このところ左右差が小さくなっているらしい。
確かに以前なら右に向かせようとあれこれ手綱をいじると、
「ぎぎぎぎ」と歯ぎしりしたり首を振って不快感を表していたのが、今日はほとんどない。
私は〈右内方姿勢をとらせること〉及び〈右を向いたら譲ること〉に全精力を傾ける。
「外方手綱を緩ませないよう」
「手綱の長さが同じになるよう」
「押し手綱が背峰を越えないよう」
「外方の拳に向って内方脚で馬の肩を押してあげて」と諸注意が飛ぶ。
手綱でガチガチに固めて動けないようにするのではなく、
〈右を向くと楽になる〉と示し続けることなのだが、
頭でなく身体で理解し実行するまでには、まだまだ修行が必要。
■それでもだんだん【グプタ】がほぐれてくると、
「推進した分を前で受けて下さい」とまるで詩歌の一節のような指示を受ける。
つまり、もう少し具体的に表現するなら
「推進はサボるな、前に出せ」
「馬エンジンの回転数はいつも元気よく一定になるよう、気を抜くな」
「肘から馬の口まで手綱は一直線、肘を畳め」
「手綱の張力センサーはONにしたまま、推進分を感知しろ」と言うことですね。
4%先生は「前に出てくれば馬はハミをぐっとくわえてきます」と追加説明してくださる。
ハミをグッとくわえる感じはなんとなくわかるのだが…
「駈歩を出す時は外側の手綱を緩めないようにね」
「緩めるとパン食い競走のようにくわえようとしたハミが動いて馬がつんのめっちゃいますよ」
と解説が続く。
言わんとするところはわかる。
「外方手綱をしっかり」というのも理解した。
それでも、このところ駈歩発進では「前持ち過ぎ」「内側がきつくて苦しい」「手綱を許すタイミングが早い、遅い」といろいろ言われて混乱している。
あれこれやって失敗したり偶然成功してみたり。
自分のセンサーが磨かれてないから何をどうしたらいいか見当がつかないし、
内と外を区別して規制したり緩めたり、タイミングをあわせたりが上手くできない。
■とにかく今日は外側の手綱をしっかり持って駈歩発進。
なんとか駈歩を出すのに成功する。ほっ。
蹄跡を周回し輪乗りに入るところからは、外側を向きつつ内側に切れ込んでくる。
いつもなら速歩に落ちてしまうところだが、
今回は「ボク頑張る!」という【グプタ】の愛を感じる。
彼はとても走り難いのに努力して駈歩続けているのだ。
しかし、どうやって乗れば彼を楽にさせてあげられるのかよくわからない。
「まず前に出して!」とするどいアドバイス
なんだか反対駈歩で小さな巻き乗りでもしているような馬体の向きと回転方向のねじれが感じられて、
「オーフォフォフォ」と意味不明に叫んでしまう私。
とまあ、これで良しとしよう。
【グプタ】と私のコンビでは、これまでにない出来なのだから。
「【グプタ】よくやった!きみはすばらしい」と褒めちぎる。
■「手綱の長さに違いがあると内側に入ってきちゃいますね」とレッスン後に4%先生が解説して下さる。
ううむ、外に向いてばかりだから、つい内側の手綱を引っ張って短くなってしまうのか?
「それより外側が緩んでしまうのだと思いますよ」
ん〜、そこのところがよくわからん。
外に首を曲げてばかりの馬だと外方をピンと張れば張るほど外に向いて、
手綱はどんどん短くなるんじゃないの?
わからないところは《わからない》付箋をつけて、今後に期待しよう。

■ふた鞍目は【アウグスティヌス】
駈歩クラスの方@【アレフ・ゼロ】とご一緒する。
■【アウグス】とのボスの座争奪第4戦になる。
わかり易い合図のために第3戦から拍車と長鞭を両方使うことにした。
さて、馬場の入り口で騎乗しようと鐙革を伸ばすと後退を始める【アウグス】
「下がれば下がるほど引っ張られて痛いよ」とたてがみをむぎゅーとつかんだまま踏ん張ってみるが、さらに下がってくれる。
とうとう手綱もピンと張る所まで後退するのを見かねて、4%先生や他の会員の方が馬を押さえて下さる。
「どうしよう」とか「こらっ」などの不安や怒りを感じずに「そうきたか…」と思えるところが【アウグス】との相性の良さを物語る。
■「勝手は許さん」と最初から強気でいく。
前に出ていなければ拍車でグイ、内側に入ろうとすれば脚で押し手綱で規制しグイグイドカドカとこちらの要求を伝える。
他の馬なら「下手な私に馬を痛めつけるような扶助は出せません」と腰が引ける所だか、彼には「私の言いたいことわかる?」とストレートに表現する。
■駈歩は拍車をつけたので発進の合図がはっきり伝わるはず。
何度かもたつくと、あらぬ方に首を向けて内側に切れ込もうとする。
「わがまま言わないのっ」と拍車と長鞭でビシっと叱る。
怒るのではなくて叱る。
今度は駈歩発進できる。
「よしっ、わかっていただけて結構」
駈歩に乗りながら拍車があたらないよう足の向きを調整する。
「馬から離れるように乗って」とご注意。
あれれ、足に気が向くと姿勢が前のめりになってしまうのか。
背を起こして身体が上下に伸び縮みする感覚になるよう姿勢を整える。
拍車が不用意に入らぬよう、ふくらはぎの位置や鐙を踏む位置を細かく調整する。
「もっと推進!」
エンジンの回転数が落ちかけているのを指摘されるまで気がつかない。
外方の拍車をちょっとあててエンジンをふかす。
蹄跡から輪乗りに入るが、きれいな円がまだまだかけない。
まあ、そこまでは自分に求めていない。
「若衆の駈歩が無事に出て蹄跡を駈歩維持できれば充分じゃないか」とかなり機嫌良くレッスンを終える。
■【アウグス】と蹄洗場に帰る道すがら「だるまさんがころんだ」エクセサイズをする。
ピタッと私にあわせて立ち止まる。
止まるのが半歩ほど遅れると、おずおずと肢を引っ込めて鼻先を下げるところがかわいい。
「これでいいんだよねえ」と言わんばかり。
「君は理解して覚えていたの?」とびっくりする。
「よーしよし、なーいす」と嬉しくなって【アウグス】の首筋をポンポン叩く。
なんだか通じ合っているような不思議な感じ。
偉大な練習馬に対する「ご迷惑おかけ致します」でもなければ、
「かわいそう何とかしたい」や「かわいい〜」と一方的に感じる溺愛とも違う。
やっぱり、ボスの座争奪戦は続けるぞ!
■駈歩出してただ乗っているのが精一杯という現状から、なんとか一歩踏み出さなければ。
駈歩でも外方手綱と内方脚の推進が自由自在になるよう、がんばろ。


519/520鞍目 硝子のバランス [第13章 初級手綱の感触編]

 2007-07-23(Mon) 初級クラス 通算519/520鞍目
■梅雨空のもとで蒸し暑い。
さらさらタラタラと音をたてて流れる汗だが、デトックス効果を期待して騎乗する。
■本日のひと鞍目は【時鮭】にお相手願う。
【毒うま】【アウグスティヌス】の3騎部班で4%先生のレッスン
【時鮭】は体がガッチリしていて若い体育の先生のような雰囲気。
障害馬のホープだったが、最近ハミを嫌がって首を上げたり頭を振ったりとご機嫌が悪い。
「口の中に余分な歯が生えている」からではないかと取りざたされている。
【時鮭】を〈障害だけでなく馬場馬として活躍させよう計画〉がローカルに持ち上がり、
折り返しや口革などの助けを借りて落ち着いたかっこいい馬にするべく、レッスンが組まれるようになった。
4%先生の本意がどこにあるのかは(いつものように)語られぬままなのだが、
私にとっては「馬とのコンタクト」を課題とできる願ってもない練習相手なのだ。
前々回は折り返し使用だったが、前回は口革を試しに使い速歩までは順調だった。
というわけで、今回も鼻革と口革をしっかり留めて水勒だけで乗る。
■あふれんばかりのエネルギーを感じさせる【時鮭】
常歩での一歩が大きくてどっしり頼もしい。
最初のうちは部班で先行する【毒うま】を「待たんかい!」と追いかけてみたり、下方移行で手綱を握ると「何すんだよ」と首を上げていたが、だんだん落ち着いてくる。
とにかくこちらは、〈拳を動かさない〉〈外方は肘から支える〉〈内方向いたら譲る〉だけを考える。
幸い前進気勢のある馬なので推進することにあまり意識を使わず、一定の手綱で受け止めることに集中できる。
駈歩でも部班の先行馬を追いかけてくれるので、発進失敗して手綱の綱引きになってしまう場面を回避できた。
■前半は、鼻面がつんつん前に出る姿が鏡に映っていて「あともう少し顎をひいたら格好良くなるんだけどなあ」と思いながら【時鮭】に乗る。
4%先生からも「出来る範囲で手綱を短くしていきましょう」と声がかかる。
もうすでに充分なスピードが出ているので、いきなり脚を使うと不必要に加速してしまう。
隅角手前でスピードを殺しながら、脚を使って手綱を少しずつ手繰り寄せる。
速歩では座り難いので、推進をやめてスピードを落としていると、
「【時鮭】はサボってきちゃったかな?」
「鞭使っていいですから前に出して」と注文がつく。
すみませんサボっていたのは私で、馬ではありませぬ…
スピードを落とすのも速歩を座り易くするのも、常に推進あってのこと。
つい「速過ぎるのでは?暴走するのでは?」と馬エンジンのスイッチを切ってニュートラルで走ろうとする。
「それじゃあ、コントロールも何もあったもんじゃない」と頭ではわかっているのだが。
■駈歩も左右の両手前で走って身体をほぐし、後半戦は速歩での姿勢の入れ替えがメイン。
輪乗りを換えたり、3湾曲蛇乗りなど。
前半でやった第2蹄跡を使って馬体をまっすぐに進ませるための扶助の意識化と相まって、
馬の姿勢をリズムよく右ーまん中ー左ーまん中ー右と換えていく。
【時鮭】は身幅が大きいので、この左右まん中の感覚が特にわかりやすい。
自分が馬の背中の左右どちらに荷重しているのかがはっきりするのだ。
これが身幅の狭い馬だと、馬から転げ落ちているのか片方に荷重しているのかわからなくなる。
■最後は、軽速歩での歩度の詰め伸ばし。
エネルギーにあふれている馬だからか、隅角手前で詰めて長蹄跡で馬体をまっすぐにしてから脚をいれて拳をわずかに前に差し出すとヌワ〜ンと柔らかく伸びていく。
「解放された」という輝きのある走り。
ガツガツ、どこどこ、ガチガチといった濁音のまざる動きとは違い、スムースで伸びやかで気持ちいい。
手綱も単に緩めて終わりではなくて【時鮭】にハミを追ってもらう。
「あと1mmついて来られるかな?」という気持ちで拳の感触を確かめながら前に差し出していく。
■こんなふうに走っていると、イライラして首を上げたり頭を振っていつ爆発するかわからない馬に乗っている恐怖が別世界に思えてくる。
障害馬や若衆の駈歩発進不調でどん底だった先週との違いはいったいどこにあるのか?
馬場が泥沼か否かの違いか? それとも何だろう? 
「もちぇさんのバランスが良くなってきたから、苦労していた【時鮭】の駈歩にも乗れるようになったんですよ」と先生は持ち上げてくださるが、明日また崩れるかもしれないガラス細工のバランス。
過剰な期待もせず絶望もせずひたすら乗るしかないか…

■「汗だらだら〜暑い〜」と言いながら、ふた鞍目にとりかかる。
この暑い中、連続騎乗する物好きは私ひとりらしく、
【アレフ・ゼロ】との4%先生のマンツーマンレッスンになる。
■【時鮭】と較べると身幅の狭い【アレフ】
こんな細く尖った背中に乗るのか…と心痛むところもあるが、いったん馬場に出ると若造と遜色のない肢運び。
不思議な馬だ。
電磁石ブレーキがかかりっぱなしと思わせるような激重の時とさくさく軽々と動く時の差が激しい。
■今日は、細かな問題点の修正がメインのレッスン。
最初は手綱を伸ばしたまま常歩軽速歩。
「もちぇさん、常歩の時の脚の位置が動き過ぎです」
「手綱を全部伸ばして軽速歩する時のように、ふくらはぎの位置を一定に」
「軽速歩で座った時にじわっじわっと長く押し出して」
どうも、常歩の扶助があちこちブラブラするのが問題らしい。
実は脚の自由が効くようになってから、どこを押したらどうなるかあちこちクイクイやっているうちに癖になりつつあるのだ。
「膝の裏を伸ばすように」
「足首を曲げる角度を一定にして」
「いつでもふくらはぎで馬に触れているように」と定位置での安定した扶助がベースとなるように注文がつく。
【アレフ】がいつになく元気よく動いてくれるとじわっじわっとした扶助ができるのだが、急に馬エンジンの回転数が落ちたりすると、とたんに脚は大暴れ。
〈馬が動かないときちんと乗れない〉のを実感する。
長鞭も拍車も使って馬を励ます。
今日の【アレフ】は時々省エネ走行になったりしたが、それでもエンジンの回転数はすぐに復活し全般的にはよく動いてくれた。
■問題点の2番目は、巻き乗りの終点。
「巻き乗りに入ったところに出るように」と言われるのだが、どうも私は巻き乗りの始点に馬の頭が突っ込めばそれでよしとしているらしい。
「巻き乗りの終点に来ている時には、馬の体は蹄跡にまっすぐに入っている状態です」と改めて解説を受ける。
「巻き乗り始点の手前で蹄跡に入り始めましょう」と目安となるポイントを示される。
どんな図形でもそうだが、起点の手前から準備を始めないと大きくズレる。
巻き乗りは、まっすぐな馬体を屈曲させて再びまっすぐに戻すのだから始点と終点前後はかなり忙しい作業になるはず。
途中で常歩に落ちなかったスムースでリズムブレークしなかったと喜んでいるのでは、まだまだ青い。
馬の姿勢の入れ替えはこんなところにも顔を出しているのだ。
■そして改めて指摘されたのが、左内方姿勢で私の左上半身の向き。
「もちぇさん、それじゃ顔だけ輪乗りの内側向いてます」
「左の肩を引いて、上半身全体が内側を向くようにしましょう」
「上半身が回転方向を向けば自然と手綱も連動します」
どうも身体は前を向いたままになり、左の拳が前後ではなく左右に開く方に動いてしまうようだ。
拳は時に応じて前後左右上下に動かなければならないが、輪乗りで内方姿勢をとる時には内方拳を後ろに引くように使うべきらしい。
蒸気機関車の車輪に付くクランクのように、肘から馬の口までの手綱のラインが前後移動するのだ。
「肘から引いて」「もっと手綱を持ち込んで」という指示を何度か受けたことがあるが、それがこのことを指していたようだ。
「肩の動きなんですよ、ラジオ体操で肩を回すようにね」と4%先生。
つまり、拳の動きひとつではなくてすべてが連動しているって訳ね。
肩や肘関節を自在に動かすこと、つまり脊柱を中心軸とした上半身の回転か…
描きたい輪乗りの大きさに合わせて自分の上体の向きを変えるだけで、自動的に手綱や脚の左右差が生じて馬が従ってくれる。
あえて、外方脚は外に引くとか内方拳を肘から引くなんて考えなくてもいいのだ。
手綱を行きたい方に引っ張るというビギナー時代とは大違い。
ううむ、結局安定した騎座が出来て座骨と脊柱が不動であるからこそ、行きたい方向を向いただけで馬は動いてくれるという魔法が成り立つのだなあ。
安定して座れないうちは、わけもわからずあちらを引いたり押したりし続けなければならないのだ。
■【アレフ】はつらい蒸し暑さの中で本当に気持ちよく動いてくれた。
かつて悩んだ「馬の口が遠すぎる」という感覚も全くなし。
駈歩も速歩も【アレフ爺】とは思えないようなしっかりした気持ちのいい動き。
ありがたや、ありがたや。
そこで、レッスン後は汗まみれになった馬体をシャンプー丸洗い。
肢やお腹が乾くまでの間は、プチ散歩しながらタンポポやクローバーや芝を食べてもらう。
運動して汗をかいてシャワーですっきりお手入れして散歩するなんて、ちょっとしたリゾート気分。
夏はこういう楽しみがあるから好きなのだ。


521鞍目 むむ難しい… [第13章 初級手綱の感触編]

 2007-07-25(Wed) 初級クラス 通算521鞍目
■夏らしくクマゼミが鳴いている。
世間は学校の夏休みに入ったようで、クラブでもジュニアの子を見かけるようになった。
■本日のお相手は珍しく【毒うま】
いつも彼に乗っているマダムが【時鮭】を配馬されている。
他人の愛馬に(その当人の目の前で)乗るのは、なんだか申し訳ないような気分。
レッスンは、さらに【青雲】を加えて3騎部班となり4%先生に見ていただく。
■【毒うま】君は軽い扶助で動いてくれるので、すぐ加速してしまうという点を除けば「楽なお馬さん」の部類に入っていた。
ところが、
「なんじゃこりゃあ?」「どうすればいいの?」
「なんて難しいお馬さんなの〜」と心の中で叫ばずにはいられない。 
うすうす感じてはいたが、今日に至って認識を新たにした。
彼を可愛がっていつも上手に乗っているマダムは、凄い!偉い!さすが!
■彼の難しいところ第1点は、直進するとき同じ長さで手綱を持っていても右側の張力だけゆるい。
首が曲がっているわけでもないのに、右側の拳がすかすかで気持ち悪い。
第2点は、馬体がまっすぐじゃない。
【アレフ】のように腰が内に入ってくる感覚とも違う。
まっすぐな胴体が斜めに位置しているのではなくて、胴体自体が曲がっている感じ。
左手前の軽速歩をすると、自分の身体が斜めに着地してしまう。
鐙だって左右が前後にずれて踏み込まざるをえないし。
「ずんちゃ、ずんちゃ」の2拍子がとれなくて、「ずんちちゃ、ずんちちゃ」のリズムになってしまう。
■そして最大の難関は、ハミに力が伝わってこない時がよくある。
安定して馬と人がハミを支えあっている関係になれなくて、強く持つとどんどん速くなって引っぱりこになるかと思えば、首を上げてハミを外してしまうし…
なんとか【毒うま】君といい関係を築こうと、外側の手綱をしっかり張って「内側向いてね」と合図してみるが、左手前だとギシギシ歯ぎしりをはじめる始末。
右手前を嫌がっていた頃の【グプタ】と似ているけれど、それ以上に出たり引っ込んだり不安定。
ひとつだけなら我慢もするが、左右に前後に上下と3軸すべてがまっすぐにならない。
【毒うま】君のパワーがきちんとハミに出てくる時は、ほんの一瞬。
■これまでも上手くいかないと動かなくなったり、逆にイライラと加速して飛び出したりする馬たちがいた。がしかし【毒うま】君の場合は、馬の体の中で出たり入ったりとグネグネもだえているような感じ。
こんなので気が狂わないのかと心配してしまう。
■〈馬体がまっすぐで手綱の長さが同じなのに、手綱の張力が右だけスカスカに感じられる〉問題を4%先生に直訴すると、
「第2蹄跡を走ってみて」
「埒に頼って走っているからかもしれないから」とのお達し。
あれまあ、第2蹄跡をまっすぐ走れないじゃありませんか。
ぐにぐにふらふら。
必死にまっすぐ走らせようとして、ようやく左右差が少なくなってきたかな…
それでも気を抜くといつでも右手がスカスカする。気持ち悪い。
■2番目の〈馬体が曲がっている感じ〉は、もう諦めて我慢する。
■3番目の〈ハミが「ぐうぅぅ or すかっ」と不安定〉なのが大問題。
停止や下方移行が出来ないし、左手前の駈歩発進も全滅。
速歩から常歩への下方移行時に「脚で止めるつもりで!」と4%先生のアドバイス
そうそう、ブレーキはまず脚ありき。
ここで思い当たる。
軽くてすぐ加速する【毒うま】君には、ほとんど脚を入れずニュートラルの状態で乗ることが多かった。
推進のない所で手綱だけ引かれたらどれだけ嫌か…
それがレッスン中続くとなると、歯ぎしりもしたくなるだろうし、首を上げてハミを外したくなるだろうなあ。
軽い馬ほど脚を使え、止めたい時ほど脚を使おうなんて人の本能に反している。
この非常識をどれだけ身体に納得させられるかなんだろうな。
速歩までなら、なんとか本能に逆らえるようになった私は、脚を使って下方移行する。
手綱は0.5秒だけ握るようにして、瞬間的に作用させる。
よしよし、少し後ろに引いた脚で馬体をはさんでブレーキはパルス波で伝えるのに成功。
【毒うま】君は強めの半減却でことが足りるのか。
■駈歩発進不良については、
「馬が駈歩出すより早く前を許しているんですよ」
「定点から発進させるのに、まだまだと待つような気分で持ってみて」
「いつも駈歩出しているときの手綱の重さを覚えておいて、その感じになるまで焦らない」
とアドバイスをいただく。
ただし、駈歩発進は今もって苦手。
何がどうなっているのが自分で自覚できていない。
とにかく慌ててて「そりゃあ」と駆け出しているだけなのだ。まずいなあ〜
■馬がふっとハミをはずすことに関しては、
「あれっと思った分は手綱を持ち込んでみて」と言われる。
手綱の張力が〈出たり入ったり〉の入ったりの部分は、拳を一定の位置で対応しきれないので持ち込んでいいらしい。
しかし、私の場合「ああ、引っ込んだなあ」と不快に感じておしまい。
首を上げられてハミも何もスカスカに無くなってから「あら嫌だ、どうしよう」とやっているところが貪臭い。
「もうそうなったら最初からやり直しするしかないです」と4%先生は苦笑い。
■手綱のコンタクトという観点から【毒うま】君をみると、べらぼうに難しい。
そして問題を悪化させているのが「走られると怖いから脚は使わないでニュートラルのまま手綱でブレーキかけよう」という怖がり屋の悪癖。
ごめんね、【毒うま】君にとってこの悪癖がどれだけ苦痛か。
次に機会を与えられたら、なんとか頑張って脚を使ってみるから… 
許しておくれ。


522鞍目 交渉人もちぇ [第13章 初級手綱の感触編]

 2007-07-26(Thu) 初級クラス 通算522鞍目
■サマーシーズンの楽しみ方はふたつある。
午前中に騎乗し、大汗をかいた人馬ともにじゃぶじゃぶ水洗い。
洗い場は風通しがいいので気持ちよく身体が冷える。
内に籠った熱がうまく発散されて、すっきり。
もうひとつは、夕方の騎乗。
アリーナの向こうにはオレンジがかった雲。
ひぐらしの声が聞こえてきて涼風が吹く。
夏の夕暮れは、まったり気分。
■配馬表を見ると本日のお相手は【毒うま】君。
ありがたい、昨日の反省をふまえて再挑戦の機会を与えられた。
4%先生のレッスンは【アエラス】【とら】【ムーン】との個性的な面々で4騎部班。
■前回の教訓は〈軽い馬ほど脚を使え〉だったので、常歩の最初から強めにグイグイと脚を使う。
速くなったら「止まって〜」と押さえつけるのではなく、
「多少速くなってもいいよん」「でも、あせらないでね」とバランスバックを主体に受け流していく。
■常歩で蹄跡行進している段階で、右拳がスカスカになる現象は相変わらず。
「何がどうなっているの?」と昨日よりも真剣に馬の様子を見つめる。
すると、常歩での首の振り方に左右差があるのに気がつく。
普通なら左右均等に小さく横8の字に動く首が、左に小さく右に大きく振れている。
右横に大きく動くのでその度に右手綱の張力が弱くなるのだ。
それなら「右拳だけ少し外に広げて置いておけばいいじゃない」
「首の振れの大きい分だけ外で持っていればいい」と考える。
うむ、両拳を揃えて持った時に較べると手綱の感じに左右差がなくなる。
ネックストレチをつけるとさすがに左右差は小さくなるが、その分首から胴体に振れ方の差異が移るような感じがする。
ハミに気持ちよく力がのってこない状態で軽速歩をすると、馬体が曲がった感じで斜め着地になってしまう。
■「どうやったら【毒うま】君が気持ちよく走れるか?」
脚はしっかり使う。
速くなった時にグイイと手綱で引っ張らない。
バランスバックをしたり、軽速歩のリズムをひと呼吸遅らせてみる。
そして、ぐうーと力のかかっている手綱(ハミ)をそのままの状態で保つ。
私が前傾してバランスが前にかかったり、ぎゅうと手綱を引いてしまうパニックブレーキにならないよう、背中筋肉腹筋を酷使して支え続ける。
はう〜、そのままの位置で動かないことがこんなにも筋肉を使うことになろうとは…
ふっと馬が楽になる。
「そうそう、この楽な状態がいいんだよ」と私もほっと手綱を楽に持つ。
また、ふと先に急ごうとして【毒うま】君がぐうーと手綱に力をかけてくる。
その力のまま、そこで持つ。
う〜、背筋が腹筋が疲れる〜
この感じって、オオバコの茎を2人で引っ張りっこしている遊びみたいだ。
相手より強く引くとこちらの茎が切れる。
ゆるゆるすかすかに持っていると相手の茎を切ることができない。
相手の力を感じながら、相手よりわずかに緩めた力で引っ張ると上手く勝てる。
相手が出てくるところを感じ取るのがコツなのだ。
そんな連想をしながら馬の首を支え続ける。
と、前に突っかかっていた【毒うま】の力みがとれる。
「そうそう、この楽にリラックスした走りでいいんだよ」
「輪乗りから蹄跡に出ましょう」と4%先生の号令。
「蹄跡でも急がせないで」と注意が飛ぶが、もう大丈夫。
馬が焦らずに力を抜いて走ってくれれば、速くなることはない。
今日は、歯ぎしりもしないし、ハミにかかる力がふっと無くなることもない。
調子いいではないか【毒うま】君。
結局、ハミに気持ちよく馬のパワーが感じられる状態になると
馬はまっすぐになっている。
手綱の左右差もなくなるし、馬体の中で出たり入ったりする力もなくなる。
■駈歩は左手前だけ、個別練習となる。
「馬が出るのを待ってあげて」
「もっと外方脚を強めに大袈裟に使って」とアドバイスをもらう。
何とか駈歩発進に成功。
「左手前は内側に入ってきやすいので、外側の手綱で引っぱり出すように」と4%先生。
いったん駈歩が出てしまえば、以前よりずっと手足が楽に動くようになったので内側に切れ込んできても怖くなくなった。
それにしても、駈歩発進は今回も「何をどうしたから上手くいった」と自分で解析できない。
ただ、スローモーションのように馬の動きが感じ取れたことが進歩かも。
馬がドーと前に出ようとするところを手綱で押しとどめて、
馬の後躯に重さが集まったところで外方脚の合図。
いつもここで内方の手綱を持ってしまうのが私の悪癖。
もうこの時点では、馬は内側に向いているのだから外方の手綱をしっかり持って支えるべきなのだ。
内方脚を使った分を外方で支えるというエネルギーのため方さえ身体が覚えてくれればもっとスムースに発進できるはず。
内方脚を使って内側の手綱を引いてとやっていると外方手綱がお留守になる。
■今日のレッスンでは【毒うま】君とかなり落ち着いた状態で交渉できた。
相手の態度に怖れをなして黙ってしまったり、自分の言いたいことだけまくしたてたりせずにいられた。
相手がどう出るかを常に感じ取りながら、こちらもそれに応じて出ていく。
ゴールは、相手もこちらも共に勝者になること。
乗馬って、脚で漕いで馬を動かしているのではない。
手綱の摩擦で馬の動きを止めているのではない。
つい、乗り物のつもりで力学的な動かし方をしてしまうが、
脚や手綱やバランスで馬と交渉する心理学的なアプローチなのだ。
そんなことを思わされたひと鞍だった。


523/524鞍目 馬が戻る [第13章 初級手綱の感触編]

 2007-07-27(Fri) 初級クラス 通算523/524鞍目
■おお、セミの大合唱。
順調に30℃を越える真夏日。
馬に乗ってドクドクと汗をかいて、その後はシャワーを浴びて自然の風に吹かれている私に較べ、冷房の効き過ぎた気密室に一日閉じ込められている家人達はつらいだろうなあ。
■ここまで暑くなってくると、乗馬時の服装にいろいろなこだわりが出てくる。
日焼けが嫌なので」と長袖のシャツの襟を立ててお召しになる方。
「汗をかいても楽ですから」半袖のポロシャツカットソーを好む方。
「これ、いいでしょ?」と愛馬の写真をプリントしたTシャツにテンガロンハットがよくお似合いな方。
それぞれの個性が出ていて素敵。
私は、キュロットやシャツの下に着るものに凝っている。
クールマックスやボディテック、CW-Xなど汗をかいても快適な繊維素材や人の筋肉をサポートしてくれるウルトラマン模様のスポーツウェアなど。
最近は特に上半身の安定化が課題なので、上半身用のボディテックやCW-Xを愛用している。
それにしても上に着るものを脱いだら、そのまま陸上競技に出られるような格好というのもおかしなものだ。
■本日ひと鞍目は【山桜】
彼に乗ることは、自分の原点に還るような気がする。
【毒うま】【アウグスティヌス】と初級主要メンバーと3騎部班。
「今日は朝から暑いですから途中休憩も有りです」
「飲み物をここに用意してもらえれば、給水タイムで届けますよ」と冗談まじりに開始を宣言するごんちゃん先生。
■「馬場が乾いていて砂埃がたちますから、馬間を空けて走りましょう」
「馬順や手前等も気にせずにやって下さい」と各個乗りに向けて自由度の高い運動となる。
「馬と皆さんの準備ができたら駈歩もしましょう」
「蹄跡周回、もちぇさんだけ輪乗りに入って」
「他の人はつられないように」と走りながら、それぞれの図形を描くように指示が出る。
ドレサージュアリーナを3騎がそれぞれ走り回る姿は愉快である。
■クーリング時に「【山桜】にネックストレッチをつけなくても、乗れてましたね」とごんちゃん先生のひと言。
水勒一本で乗っている自覚がないままだった。
【山桜】だから、かなりアンバランスな乗り方をしても真面目に動いてくれるのをいいことにブイブイ走らせてしまった。
心のどこかに「気持ちよくまとまっていないなあ」と思いながら、それがどこかから来るのかどうしたらいいのかを考えずにいた。
水勒だけで乗ることの責任を自覚しないと…
馬の愛にあぐらをかいてはいけない。

■「もうひと鞍乗るの?」とあきれられながらふた鞍目にとりかかる。
本当は熱中症を起こしそうでキャンセルも考えたのだが、
「さっきより楽だと思いますよ、日が陰ってきたから」と4%先生が励まして下さる。
■今度は【チャンドラ・グプタ】に相手をしてもらう。
「さあ、行こう」と乗り出すと、重い。
進んでいるのだが、もったりずっしり。
「君は【アレフ2世】か?」「ふた鞍目なのは、君も私も同じだっ!」
「頑張れ、しっかり運動していい汗かこう」と踵でグイグイ長鞭でピシピシと合図を送る。
と、「そんなに速くしないでいいから」と4%先生の声。
「焦らせないで」「今のペースを保って」とムキになって推進する姿をとがめられる。
ひ〜、こんなもったりした動きでは何もできませんがな…
速く走らせたいわけじゃない、ただ今の馬エンジンの回転数は1000bmp以下のエンスト寸前。
普通に気持ちよく走るために3000bpmは欲しいとグイグイやっているだけなのだが…
「もっと元気よく前に出して」と言われることはよくあるが、
「そんなに推進扶助を出すな」と注意されるのは極めて珍しい。
不可解である。
■巻き乗りでは、
「内方の脚を伸ばすようにふくらはぎを押しつけるように」と言われるが、
踵で蹴らないと前に出ないのである。
「外側に膨らみ易いから外方で規制して」と注意されるが、
【グプタ】は外に出る気配すら感じられない。
4%先生が下から見て指示する内容と私が馬上で感じていることに大きな隔たりがある。
■【グプタ】の右手前駈歩は発進しにくい。
いったん発進失敗をすると首を上げたり身をよじったりして再発進が非常にやりにくい。
最近の配馬された馬たちは、ほとんどが再発進しにくい馬たち。
【時鮭】や【霧丸】はドンドン加速する速歩になり、手綱の綱引き地獄。
【アウグス】は内側に切れ込んだりあらぬ方に首を向けたり抵抗する。
【毒うま】は首を上げてハミをはずしてコントロール不良となる。
〈駈歩発進不良から暴走、落馬〉という過去の残像を引きずりながら、何をどうすればこの難局を乗り切れるかを学んでいるのだ。
■駈歩発進失敗で【グプタ】が首を大きく振りズンズン前に出ていこうとするところを
「馬に勝手させないよう、手綱を許したりしないっ」と厳しい声。
「馬が遊べる長さの手綱にしちゃダメです」
「この位置に来れば楽になるというところで持っていて!」
あらまあ、昨日の【毒うま】君との展開と同じ流れ。
「勝手をするな」とグイッと手綱を引っ張るのではなくて、いつも通りの手綱の位置を動かさないようじっと耐える。
「しっかり座っていればいいですから」と4%先生。
しばらく待っていると小暴れしていた【グプタ】が「しょうがない」と諦めるかのように普段の体勢に戻る。
「そうそうお互い楽になったでしょ」と私も手綱の握りを弱める。
「そう、馬が顎をゆずると手綱がふっと軽くなるでしょう」状況の解説をして下さる。
手綱というより馬全体の緊張が解ける雰囲気に感じられるのですが…
「そうしたら、こちらのものですから、じんわりと推進して行きましょう」
あわわ、こちらも一緒になってらく〜になるから推進するなんて頭の外にある。
ああでも確信した。
「そうじゃない!」とグイグイ手綱を引っ張るのではなくて、
「ここに来れば楽になるよ」という位置に留まり続けることなのだ。
どんなに馬が引っ張っても首を振っても、その位置を維持するには全身の筋肉を総動員しなければならない。
動かないためにどれだけ筋力を使うのか計り知れない。
■馬が納得していつもの常歩に戻ってから、再度発進扶助を出す。
「昨日【毒うま】でやったのと同じように」
「馬の重心が内側に来たのを感じてから」
「内側に乗って」
そうそう外方の手綱でせき止めるように、こころもち大袈裟に外方の合図。
うわお、ちゃんと駈歩出してくれる。
ただし右駈歩の乗り心地が変。
つい「えっ?大丈夫なの?」と馬をのぞき込んでしまう。
「この馬はね身体の使い方が下手なんですよ」
「内側に入ってきちゃうと思いますけれど、まず推進して」と説明を受ける。
今の私には、癖のある駈歩をフォローしながら乗るのはまだまだ難しいのだが。
■これまで駈歩発進失敗で馬と人の体勢がぼろぼろに崩れていても、
「えいっ!」「とりゃあ」と訳もわからず気合いで出そうとしてところがあった。
今日初めて、馬が納得して体勢を取りもどす方法を学べた。
これまでは地面に立つ先生に「いまなら出るから」「はい駈歩」と言われて、「そうなのかな?」と半信半疑でいたが、自分の感覚として〈馬が戻った〉状態を感じることができた。
いろいろな馬がいて、いつでも同じ方法が有効とは限らないが、すこしでも引き出しが増えればいいなと思う。
■レッスンの最後に、
「そんなに推進扶助を出すな」と言われた不可解さについて質問する。
「速くしようと思ったのではなく、乗り心地が悪いのでもっと動けというつもりで脚や鞭を使っていた」と訴えると、
「あの状態で脚を強く使うと馬が焦ってどんどん前のめりになる傾向でした」
「乗り心地はもっと馬を丸めることで良くなります」
「慌てて馬の状態を変えようとしないで、じっくり少しずつ動かしていきましょう」と解説をしていただく。
なるほど、〈馬を焦らせている〉なんて考えもしなかった。
気持ちのいい馬の動きを求め過ぎて、少しずつ良くなっていけばよいという鷹揚な気持ちを忘れていた。
せっかく【グプタ】が納得して譲ってくれる状態を教えてくれたのに、
今日の私は一方的にまくしたてるタイプだったなあ。
■駈歩が上手くいかないお馬に多くあたる7月だが、いま非常に楽しい。
馬と交渉する術を実地研修中なのだから。
タフネゴシエーターを目指してがんばろ。


525鞍目 Beat Per Minute [第13章 初級手綱の感触編]

 2007-07-30(Mon) 初級クラス 通算525鞍目
■先週末は32℃と暑かったのに、寒気が入り込んで本日は22℃。
曇って涼しくて馬場もちょうど良い状態である。
■【チャンドラ・グプタ】に乗って、ごんちゃん先生のレッスン
マダム@【毒うま】との2騎部班。
前回、馬を焦らせていたという反省から、
今日は馬自身が気持ちよく走れるリズムを感じ取るべく、謙虚な姿勢で臨む。
ブラブラにならない程度の長めの手綱で馬の動きにあわせて乗る。
馬のリズムをカウントしながら、それが一定になるように気を配る。
隅角手前などでリズムが遅くなるような時だけ脚を使う。
「どんなペースのリズムだと【グプタ】が気持ちよく走れるのだろう?」
■実は、走るペースについて自分自身に思い当たることがあるのだ。
私はジョギングの際にiPodを使っているのだが、その中でPODRUNNERというエクセサイズミュージックのpodcastを利用している。
これは配信ごとに固定したBPMの音楽を延々流しているので、自分にあったペースを選ぶことができる。
私の場合131BPMならなんとかついていけるが、135BPMになってしまうと手足バラバラ。
本当なら122BPMぐらいが一番気持ちよくズンズン乗っていけるのだ… 
と、微妙なペースの違いで身体が動いたりもつれたりする。
馬もそれぞれに気持ちよく動かせるペースってものがあるのではないか。
それを人が勝手に「頑張れ、もっと」と煽ったりすると、この微妙なところで噛み合なくなるのではないだろうか。
ペースをBPM という数字に置き換えて、常に一定のビートで聞かせてくれるPodcast に出会って初めて気がついたことなのだ。
■ごんちゃん先生のレッスンでは、1馬身あけて縦列部班のスタイルではなく馬間を自由にとって動けるので、【グプタ】のペースを尊重できる。
最初のうちは、もたもたウロウロしていた【グプタ】も手綱をとって軽速歩するうちにだんだん一定のペースに落ち着いてきた。
鏡でみると鼻先は伸ばしているが、ハミをくっくっとかんでくれている様子。
こういうのびのびした感じで動けるようになれば、今度は手綱を短くしてコンタクトを密にしていく段階になる。
■レッスンでは「軽速歩でのふくらはぎの位置を保ったまま速歩に」の号令。
脚の位置を変えずに軽速歩と速歩を取り混ぜる。
どんな乗り方をしても馬に気付かれずに続けられるようにするのだ。
脚位置が安定して手綱でしっかり前を支えていると【グプタ】の頭が下がってくる。
き甲と首、うなじが平に並ぶようになる。
なんだかいい感じ。
リズムが一定でやわらかく動けていて、馬の肢運びから手綱の感じまでよどみがない。
ランニングハイとでも呼べるような一種独特の時空間。
いつでも、こんな風に乗れるといいのだが。
■「じゃあ駈歩でも同じような脚位置で」とごんちゃん先生。
まずは【グプタ】の得意な左手前から、難なく発進して蹄跡周回となる。
ん〜、駈歩になると自分の脚位置が後ろに流れるのを自覚する。
「これじゃマズい」と気がつくたび膝から振り下げるようにして踵を落とすのだが、なかなか安定しない。
さらに手綱にいたっては、馬を支えていないことだけがわかる。
以前あれだけ拳が動くと注意されていたのが、ようやく手綱の張力がわかるまでに落ち着いてきたのだから、高望みはしない。
しかし、こんなに不安定な手綱の持ち方をされていたのでは安心してハミに頼れないだろうなあ。
速歩でよどみなく走ってもらえるように、駈歩でも人がしっかり支えて気持ちよく走ってもらえるようにならなくては… と今後の課題を痛感する。
■問題の右駈歩では、
「外方脚でぐぐっと支えてあげると走り易いようです」とアドバイスをもらう。
おう、外方を強くと意識すると発進がうまくいくではないか。
【毒うま】の時もそうだったが、首が内側に曲がり込んで、かえって内方前肢が前に出にくくなっている馬は、鉄壁の外方にして「こっちに寄りかかっていいから」と言ってあげると駈歩しやすいのか。
一瞬のイメージだったので、なんともわからない。
私自身が〈外方を支える〉とか〈鉄壁の外方〉という比喩をつかっているけれど、意識的してそうできるわけでもないのだ。
■昔から、一瞬のイメージとして「こんなかんじ」とつかめるのだが、自分の身体が次もその通り動くわけではない。
意識すればするほど、できなくなってしまう。
ほんとうに風が通り抜けるようなつかみ所のないもの。
こうやって言葉に起こして、その痕跡を残すだけ。
■傍から見ていると、右駈歩は一度は発進も成功してなんとか走れたが、2回目以降は【グプタ】のいやいやが始まって成功せずの図。
それにしても、運動自体は蹄跡行進と輪乗りの駈歩という初級入門者と変わらぬ内容。
しかし同じ運動をしていても、騎乗者が学んでいる内容はそれぞれ違う。
ビギナーから初級進級までは、馬の歩様も馬場の広さも段階によって違うので見ていて進歩がわかり易い。
ところが初級になると皆が同じようなことをしていて、質が全然違うのだ。
だから、部班でも孤独といえば孤独だ。
「今日の課題の正反撞速歩の姿勢、私はここが上手くいかない」とか、
「駈歩発進時の外方の支え方がいまひとつピンとこない」とか
それぞれの悩みを分かち合えないのだから。
まあ、乗馬は〈馬と私〉という関係になりたっているスポーツだから仕方ないか…
■レッスンが終わった後は、肢を丁寧に洗う。
虫が多くなる季節は肢蹴りに注意が必要。
蹴るのは虫を追い払うためだから、馬が身体をひくひくさせ始めたら馬より速く虫を叩く!
馬のお腹に張り付いたハエをバチッと平手打ちにすることに最初抵抗があったが、
痒くなりそうでムズムズする場所に手がとどかない苦しさに較べたら、
他人と言えどもバシっと追い払ってくれた方がスッキリするだろうと推測。
これが、肢蹴りの被害に遭わない秘策になっている。
馬より速く、馬体にたかる虫に注意を払わないといけないのが玉にきず。
ただこうやって気にかけていると、防虫スプレーを吹きかけるだけの時に較べて馬がイライラせずにお手入れを受け入れてくれるようになるのがありがたい。


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