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564鞍目 馬の苦手な手前 [第14章 初級駈歩向上編]

 2007-10-01(Mon) 初級クラス 通算564鞍目
■先週金曜のレッスンを、30℃を越すなか汗だくでやっていたのが嘘のよう。
日中15,16℃の小雨まじりの肌寒い天気である。
気がつけば日暮れも早くなっていて、彼岸花の風情も寂しげ。
季節は巡りゆく。
■今日はごんちゃん先生で【チャンドラ・グプタ】に乗せてもらう。
駈歩クラスの方@【ムーン】との合同レッスン。
■【グプタ】はもったりした動きから始まる。
準備運動では、少しずつ焦らずに動いてもらうようにする。
駈歩ではちゃんと発進して走ってくれるのだが、前の馬に追いつくと内側から追い抜くということができない。
ぶつかりそうで慌てて止めたり、急カーブを切ろうとして速歩に落ちたりするうちにギクシャクし始める。
【グプタ】が駈歩を出す気になっているのに、私がまだまだとストップをかけてみたり、
私が駈歩を出そうとして速歩になったところで、ぐいいと無理矢理止めたりを繰り返す。
【グプタ】が「何をさせたいのかよくわかんないよ」と言うのが聞こえてくる。
最初は駈歩を出していた合図でも反応しなくなってきた。
鞭で強めの合図を送って駈歩出そうとすれば、今度はバランスを崩して手綱を引いてしまう私。
馬が「何をすればいいのかわからない」状態になっているのが、ありありとわかる。
そうだよね、「さっきはこの合図で駈歩するなって言ったのに、
今は同じようなことをして駈歩しろっていっているよね。」
「矛盾しているよね」と自己批判。
それでも、イライラしたり極端な運動拒否にならない穏やかで素直な【グプタ】の性格に救われる。
いったん落ち着かせてフラットな状態にしてから、心機一転丁寧に扶助を出すとちゃんと駆歩してくれる。
焦らない、慌てない、丁寧に扶助を出すというお手本を【グプタ】が教えてくれる。
■馬の苦手な右手前駈歩でも【グプタ】先生の教えが生きる。
何度もタイミングが合わないこともあったが、右手前駈歩が出て継続できる。
輪乗りから蹄跡周回もなんとかこなせる。
すごい【グプタ】が右手前駈歩をするなんて!
思わず「先生ほめてくださいっ、ちゃんと駈歩してますよ【グプタ】が!」と叫んでしまった。
なすすべもない苦手な手前に、わずかに光が見えてきた。
■その後は、速歩で右手前輪乗り。
右を向くのを苦しがって頭を上げようとしたり歯ぎしりをしたりする【グプタ】
「外方の手綱をしっかり支えてあげて、内方脚で推進」というごんちゃん先生の声にあわせて、極力静かに座って拳も置いて待っていると、ほどなく首の位置がおさまる。
「こっちじゃない、それじゃダメだ」とぐいぐいすれば首を傾けあらぬ方に向うばかりなのに、「ここで待っているからね」と静かにしていれば馬はそこに帰ってくる。
■「ちょっと止まってください」とごんちゃん先生は【グプタ】の鼻先に立つ。
そしてハミをくいくいと動かして馬の頭を下げさせる一連のおまじないをしている。
「ここまで首下げられますよ」
「手綱短く持ってください」
「じゃあ、速歩のまま蹄跡行きましょう」と我らを解き放つ。
■「外の手綱、しっかり支えて〜」
「内側の拳を握ったり許したりしてみて」
おわぁ、すうと手綱にかかる緊張が解けて乗り心地が柔らかくなった。
「ウワッ気持ちいい〜」
「ハミに乗っかってくる重さがわかりますか?」
重さというより、緊張の解ける感じの方がわかり易い。
しかも速歩の反撞がさらに柔らかくなったので、座骨で受けるタンタンタンタンというリズムが心地いい。
「手綱の感じに違うなあと言う感じが出てきたら、また同じように内側を握って」
ちょうど隅角通過になるので意識せずに外をもって内方を控えると
再び首が下がって緊張の取れた柔らかな乗り心地になる。
「そうそう、そういう感じです、いいですよ」
あとはいかに柔らかな乗り心地を持続させ、緊張度が増した時に再び元に戻せるかを試み続ける。
外側の手綱に常に張力がかかっている。
筋肉を伸ばした状態で力がかかるから上腕や前腕の筋肉がきしむ。
ああこれか、よく「腕がパンパンになる」と表現される状態は。
【グプタ】が外側(左側)のハミに安心して頼ってきているのだ。
■手前を換えて、左手前でも同じようにする。
普段なら得意な左手前のほうが馬とぶつからず楽に運動できる。
ところが、自由度の高い右のハミに上手く乗れない【グプタ】
小さく動いて微調整ができるので左に向けないという状態にはならないのだが、右手前での左ハミのように全面的に頼ることがないようだ。
どうやっていけばいいのか、全然わからないのだが…
■とにかく【グプタ】の苦手な右手前で、頭を下げて背中を丸めて走ってもらえたことに感動する。
どうしてこうなるのかよくわからないけど、「すごいじゃない、できるじゃない【グプタ】」とほめまくる。
馬ってどんどんバージョンアップしていくらしい。
新しいバージョンについていけるか心配になる。


565/566鞍目 おかえり【ヴィーヴ】 [第14章 初級駈歩向上編]

 2007-10-03(wed) 初級クラス 通算565/566鞍目
■秋の長雨シーズン。
肌寒くて湿っぽい日が続く。
■「さあて、今日は誰にお相手してもらえるかなあ?」と配馬表を覗くと、
な・ん・と【ヴィーヴ・ロワ】!!!!
ようやく復帰できるのだ、よかった。 
■いったい何度繰り返した台詞だろう。
「先生【ヴィーヴ】の具合はどうですか?」
「【ヴィーヴ】はやく元気になって乗せておくれ」と。
5月の終わりに右肩を痛めて以来、長い療養生活。
復帰後の第1戦に乗せてもらえるなんて、こんなに嬉しいことはない。
■本日ひと鞍目は、【ときめき】@マダムとの2騎部班。
4%先生に見ていただく。
バランスに敏感でちょっと動きの重い【ヴィーヴ】。
これまでと変わりない彼。ほっとする。
「重い時は鞭を使いましょうね、脚を強く使い続けないように」
「もちぇさんの場合、すぐ膝が上がってきてしまうから」
「普段はふくらはぎで反応が悪い時は踵で」
注意される言葉は同じなのだが、このところ〈脚を伸ばして鐙にきちんと荷重して膝下をフラフラ動かさない〉必要性を強く感じるようになった。
馬が重いから人が暴れてしまうのも真理なのだが、人が静かにまん中で待っていても馬はやってくる。
バランス崩す悪循環になる前に踏みとどまれるようにしないと。
■そして、駈歩。
「どわん」と大きく一歩目が出る。
「そうこれが【ヴィーヴ】だった」とにやけながらも「うきょ」とのけぞってしまった。
普通の馬ならこんなことをしたら「えっ?違うの」と速歩に落ちてしまうのだろう。
でも【ヴィーヴ】は駈歩を続けてくれるのだ。
独特のふわっんふわんのリズム。
「手を上げないで」「腕の力をもっと抜きましょう」と言われて、その通りできるゆとり。
他の馬では決して味わえない特別な乗り心地。
この馬と私の波動が共振するんだろうなあ、まったく力むことなく乗れてしまう。
よかった、この駈歩を再び味わうことができた。
■「どうでした、楽しめましたか?」と4%先生がレッスンの最後に声をかけてくれる。
「もちぇは駈歩が下手」という絶望から救い出してくれる【ヴィーヴ】
でも今は彼に再び乗れるようになったことを、まずは感謝。
乗馬人生すてたもんじゃない。
■久しぶりにレッスンに出たので
「あらあ、久しぶり」と多くの人から声をかけられおやつをもらえる【ヴィーヴ】
夏が終わってしまったから、汗をかいて丸洗いという健康的なお手入れができないのが残念。
プチ散歩して秋たんぽぽの葉を楽しんでおくれ。
馬房で療養するのもいいけれど「仕事にでると楽しいことがたくさんあるよ」と伝えたい。

■「今日はもうひと鞍乗らないんですか?」とお誘いがある。
【ヴィーヴ】の駈歩で満足していたにも関わらず「もっと乗ろうかな」と欲が出る。
涼しくなると「もうへろへろだ〜」と疲れないからだ。
■ふた鞍目は【とら】ちゃん。
ふと見ると、右側だけありありと拍車傷のハゲとかさぶた。
ああ彼は右肩から倒れ込んでくるから、誰かが内方脚をぐいぐい使ったんだろうなあ。
痛々しいなあ。
■【アウグスティヌス】と【チャンドラ・グプタ】との3騎部班で4%先生のレッスンになる。
今日は、右に切れ込んでくる状態は軽度。
右の手綱を押し手綱ぎみにして内方脚で軽く押し出せば問題がない。
次のカーブでと早くから準備しておけば良いのだが、ぼんやりしていると隙をつかれることもある。
慌てて手綱でぐいぐいやっているところを見つかると
「拳は揃えましょう」としっかりご注意の声が飛んでくる。
最近「拳は揃えて」と言われることが多くなった。
巻き乗りや蹄跡から輪乗りに入る時などは、外方手綱をクッと握った後は〈後ろ振り向き体勢〉を取って脚と座骨と手綱をワンセットで使うようにしている。
手綱だけぐいぐい引っ張るのはナンセンスだからなあ。
だが「もちぇさん、顔だけ横向いてますよ」と言われてしまう。
ふえぇ、がっくり…
「上半身を回転の方向に向けるのであって、顔だけ向いてたら却って反対に傾くことになりますよ」と4%先生。
私の肋骨や背筋がきしむのは柔軟性がないからかも。今晩からストレッチしよう。
■【とら】ちゃんなので、もたつく駈歩発進と上がる拳と駈歩継続難は普段どおり。
ただ駈歩をしていて「ははん」と思うところがあった。
何度も速歩に落ちて、再度駈歩をさせるということを繰り返していた。
「もちぇさん、駈歩に慣れてきたら…鐙を踏み込んでみましょう、手綱を短く持って拳が上がらないように、鞭を使って馬を前に出して手綱を引っ張っていってもらうようにして」と4%先生のアドバイスが続く。
すべて、そのとおり。
必要性も充分認識しておりますし、自分でもやろうと頑張っております。
ただ、ピカっと光ったのは
駈歩に慣れてきたらのフレーズ。
そうなのだ、駈歩の動きに「ええとええと」と戸惑っている自分がいることを発見。
滞駈歩時間が短過ぎて、どうやって駈歩に動きにあわせるのだったかぴったりこないうちに速歩に落ちたりしているのだった。
自分の体勢が整うまで、取りあえず駈歩を続けてくれる馬でないとうまくいかない原因がここにあった。
560鞍乗っても〈駈歩の動きに慣れていない〉というひと言で、すべてがしっくりくる。
〈〜が悪い〜が原因〉と突き詰めるより遥かに本質を言い当てている。
■なんだか、胸のうちがスッキリした。
相変わらず駈歩下手には違いないのだが。


567/568鞍目 モチとオシ [第14章 初級駈歩向上編]

 2007-10-04(Thu) 初級クラス 通算567/568鞍目
■ようやく晴れ間が広がる。
秋の日差しがおだやかに差し込む。
■本日ひと鞍目は【ヴィーヴ・ロワ】
「おとなしい馬ですけれど、横運動でも踏歩変換でもジャンプでも何でもできるんですよ」
我がクラブには、この手の猫をかぶった馬が何頭もいる。
実はすごいパフォーマンスができるのに、初心者相手にのったりと省エネモードで歩いているのは世を忍ぶ仮の姿だから。
そんな隠れた輝きを引き出すだけの騎乗者の技量をいつかは身につけたい。
■4%先生のご指導のもと【アウグスティヌス】【ムーン】と一緒に3騎部班。
部班の後ろで走る分にはスタスタと前に出てくれる【ヴィーヴ】
心の底から言えることは、動いてくれる馬は乗り易い。
「動いてほしい」と思うほど馬が動いてくれないのが、下手の証拠なのだ。
■【ヴィーヴ】の駆歩では、自分はどんな風にのっているのかじっくり探る。
なんだかなあ、脚でつかまっている感じ。
鐙まで体重が降りてきていない。
もっと推進しなけりゃと脚を使おうにも、もとからぎゅうとつかまっているから、それ以上何かしようとすれば鐙がはずれたり姿勢が崩れたり。
いきおいブランコ漕ぎをして腰で押してしまう。
以前は「腰で漕ぐから馬の動きと逆になるんだ」と注意されても、
「漕いでいるつもりはないんです」と胸を張って答えていたが、
今なら「どうにもならなくて自然と漕いでしまうようです、はい」と小さくなって申し開きをするだろう。
人が馬の動きを無視して勝手にリズムをとるのは、邪魔にはなっても推進にはならないと速歩でいやというほど学んだではないか…
馬の動きを感じて、まずは同じように動くところから始まるのだ。
部班の号令どおり駈歩を続けてくれる【ヴィーヴ】。
そんな彼に乗って、初めて自分がブランコ漕ぎをしている事実に気がつく。
滞駈歩時間どれだけで自覚できたのか?
まったく、かたつむりの歩みなり。
■それでも、復帰初日の昨日に較べると【ヴィ−ヴ】もスムースに動いてくれて楽しかった。
私はしあわせものである。

■ふた鞍目は【アレフ・ゼロ】でごんちゃん先生のひとりレッスンを受ける。
今の私には、駈歩を学ばせてもらうために不可欠な【アレフ】
■ごんちゃん先生が黙って見守って下さるなか、自分で準備運動を組み立てる。
まずは手綱を伸ばして常歩。
扶助を使い続けなくてもしっかり大股で歩けるところまでもっていけたら、手前を換えて同様に。
腹帯を締め直して、今度は手綱を少しずつ持って常歩で大きめの巻き乗り等をいれながら「さあ始めるよ」とプレッシャーをかけていく。
大体この辺で【アレフ】は速歩をしたがるのを「まだまだ」と抑え、常歩を元気よくさせる。
ここでコンタクトを求めるやり取りがあってもいいのかもしれないが、私の場合はちょっとうやむやのまま、次の軽速歩に移ってしまう。
軽速歩も最初は「えっほ、えっほ」と手綱緩めのジョギング。
長鞭をピシピシ使いながらすっすっと動けるところまできたら、輪乗りをして手綱をだんだん短くしていく。
外側をしっかり持って内方脚を使っていく。
だいたいここまで来れば、手綱は短く持てるようになって馬のウォーミングアップもできたかなと言う感じになる。
「そこから先はどうしよう?巻き乗りか?輪乗りを換えて姿勢の入れ替えか?」という考えているうちに、「じゃあ始めましょう」とごんちゃん先生の声。
手綱をしっかりと取って「気をつけ」
蹄跡行進から「中央線に入って斜め横足」の号令。
右から左に向う斜め横足は何とかなるのだが、逆の左から右への斜め横足がまったくダメ。
2度目には形だけはつくが、ううむ、いかんともし難い。
その後の「3湾曲」でも左右の手前で曲がり具合が大きく違う。
うわあ、準備運動ではまったく気がつかなかった。
「【アレフ】にも苦手な手前があるんですか?」とごんちゃん先生に尋ねてしまう。
「うーん、比較的左右差はないのですが、右肩の方が大きく動かしやすいというのはありますね」
左右差にたいしてきちんと対応できない私は【アレフ】に「なんだこの程度か」と見抜かれたらしく、その後の速歩がどんより省エネモードに切り替わってしまう。
巻き乗りの号令がでているのに、馬が動いていないときに巻き乗りなんて出来ませんがな。
拍車と長鞭で最低限の動きを確保するのがやっと。
こういうところで馬に気合い負けしてしまうのだ。
■速歩がもったりする時には、「駆歩しましょ」と楽な方に逃げ込みたくなる人間。
さくっと駈歩発進してくれる【アレフ】は、今の私には神様みたいなもの。
ところが、
左手前駈歩で蹄跡周回から輪乗りに入るはずが、肩から逃げて曲がらない。
「外方手綱と外方脚で」といわれるのだが何度やっても曲がらない。
これまでの経験を総動員して、内方手綱で向けようとし過ぎてハミがはずれているとか、私が内側にずれて乗っているから却って馬が抵抗しているとか、ありとあらゆる可能性を考える。
(1年前なら、上手く出来ない時に具体的な作業手順を示されず「もう一度やってみて」とか原理原則のアドバイスを繰り返されると、「できないんだからダメです」「これ以上やるのは怖い」と逃げていたのを思い出すと「それなりに私も成長したかも」と思える)
「なんとしてでも輪乗りをしてもらう」と意志を明確にもって、輪乗りにはいる地点の2コーナー前から準備する。
外方脚や外方拳で規制するべき時は強く、そしてちょっとでも曲がったら緩めて馬と喧嘩しないよう心がける。
「あっ」外方脚の拍車に馬が反応してわずかに内側に入る感じ。
「そう、それでいいのよ」と私が力を緩めるとすんなり内側に入ってくるじゃないか。
一旦内側に入ってくれば、手綱も脚もリリース。
輪乗り成功。
よかった〜【アレフ】にわかってもらった。
■それ以降の駈歩は、蹄跡も輪乗りも普段通りに乗れる。
【アレフ】の首が下に伸びていくのが、ちょっと気がかり。
また前のめりに駈歩されたら嫌なんだけれど…
すると「前を持って、それに向って座骨で押していって」とごんちゃん先生の声。
「前を持つのと押しとのバランスです!」
なんだかこの表現、すごくピッタリくる
手綱の張力(持ち)と馬が前に出ようとする力(押し)の釣り合いか、まさに!
今乗っている【アレフ】の駈歩ってどうだろう?
まずは、手綱が長すぎる。肘を引いてもまだ首が滑り台みたいだ。
外側の手綱を短く手繰る。
でもまだ馬の首が下に落ちたまま。これじゃ早晩、引っ張られて私が前傾してバランスを崩す。
ということで脚でバンと蹴る。
「押して〜、押した分を前で持って」
押すか…「内側の座骨に乗って」「内側斜め前に重心が落ちていくように」と記憶倉庫から似たような場面で言われたアドバイスを引っ張り出してくる。
馬が動いてくれば、自然に座骨に荷重できる。
フラフラバタバタしなくてもよくなるので、馬の邪魔をせずにいられる。
こうやって押していった分が、手綱がたらんたらんだとあちらこちらに伸びて広がっていく感じ。
ところが前を持っていると、パワーが自分の下におさまる感じになる。
今日はいつになく鮮明に〈持ちと押しのバランス〉の加減で馬のパワーが自分の下を前後に行き来するのがわかる。
内側の座骨に乗って「しっかり走って」と念じた分をぐっと手綱で支えていると【アレフ】のパワーが私の真下に留まる感じが続く。
すると「そのまま中央線に入ってー」という号令。
ええ? 駈歩で半巻き乗りして中央線ってそんな小さな回転できるんかいな?
しかし何事もないようにターンして中央線に入り直進を続ける【アレフ】
悪い癖で「うわぁ、すごいできた〜」と次の号令を待たずに喜び叫んでしまう。
本当は速歩、停止までしたかったごんちゃん先生だと推察されるが、
馬が自分の真下にいると小さな回転も嘘のようにできてしまうことに、狂喜乱舞する私。
んー、これまで駈歩の勢いだけで回ろうとして失敗してました。
「バランスなんですよ、押し2とか3に対して持ちが1とか、馬によっても違いますけれど」
押しと持ちかぁ。
これまで手綱を持つなんて考えたこともなかった。
以前「女性の中途半端な力で手綱を引っ張っていると馬は暴走しやすくなりますよ」と脅かされたこともあり、手綱につかまらないようと努めてきた。
「手綱が長いと手があがり易くなるから、駈歩が出たら短く持ち直しましょう」と最近になって4%先生に注意喚起されるようになったが、それでも手綱を持つという感覚には至らなかった。
ひたすら拳を下げることだけに集中。
今回「押した分を持つ」というバランスの変位が、馬パワーの前後の移動という形で実感できた。
水準器の泡をまん中にもってくるように調整すればぴたりと揺れがおさまって静かに駈歩が続けられる。
■またもや名馬【アレフ】に教えてもらった。
さんざん「手綱が長いです」「馬に引っ張ってもらう感覚で手綱を張って」と速歩しながら言われ続けて、馬と人が均衡する感じをつかめてきたのが、駆歩でも活かせるのだ。


569/570鞍目 駈歩強化月間 [第14章 初級駈歩向上編]

 2007-10-05(Fri) 初級クラス 通算569/570鞍目
■「チチチチッ」ともずの鋭い鳴き声。高い空。
空気も光も秋の風情をまとっている。
最高気温が23〜24℃なので運動するのが気持ちよい。
駈歩強化に最適な季節である。
■配馬表にはきっぱりとした字で【ヴィーヴ・ロワ】と書いてある。
3日連続の【ヴィーヴ】、うれしいっ!
今の私には駈歩が楽にできる馬で正しい扶助や姿勢を覚えていくのが一番、というありがたいご配慮なのだ。
マダム@【毒うま】、元馬術部監督@【ときめき】のいつもの中高年メンバーで3騎部班。
ナイスミドルチームの誰よりも若い4%先生だが「もうすぐお仲間ですよね」と30代最後の年を揶揄する。

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571鞍目 動かさない [第14章 初級駈歩向上編]

 2007-10-10(Wed) 初級クラス 通算571鞍目
■旧体育の日は〈晴れの特異日〉だそうだ。
秋の長雨シーズンもほぼ終わりをつげて、ひんやりした空気に日差しのぬくもりが心地よい。
ブラシをかけると馬たちの夏毛が舞い散る。
「冬が来る前に」と限りあるひとときをいとおしむ。
■本日のお相手は【とら】ちゃん。
4%先生のひとりレッスンはサマーシーズン以来久しぶりである。
【とら】の拍車傷が直りきっていないので、拍車なしで乗る。
この春までは、脚位置が安定していなくてつま先が開きがちだったため「拍車はできるだけつけたくない」スタンスを保ってきたのに、夏を過ぎて「伝わらない合図で馬の上で暴れる方が馬にも迷惑かける」と変わってきた。
たぶん【アウグス】や【とら】の駈歩発進が拍車で楽に出せたという経験があるからだと思う。
■4%先生の下乗りのおかげで拍車なしでも動いてくれる状態になっている。
ただ、グングン動く【とら】にしたいと思っても手が届かない。
ああ、あの宙に浮くような速歩に乗りたいなあ〜
現実は反撞の高い詰まったような走り。
「もちぇさん、脚はほとんど動かさないつもりで」と言われる。
ええん、どうしたらいいんじゃい?
動かないから脚をいろいろ使っているのであって、動いてくれさえすればいくらでも静かにしていますがな。
馬はペダル漕ぎで動いているわけじゃないとわかっていても、本能的に身体は動く。
そこでふと頭をよぎる「馬を感じる」経験。
まずは静かに基本姿勢に戻って、馬が何をしたがっているかを感じ取るチャンネルを開く。
 … … …
やっぱり、静かにしていても馬は動いてくれる。
望んだようなエンジン全開の動きじゃないけれど、それなりに動いてくれる。
■いったい何時になったら馬本位の扶助が出せるようになるんだろう。
自分の思い通りにならない状況に耐えて、静かに馬とコミュニケーションするタフネゴシエターへの道は遠い。


食事療法と似てる [丁寧に暮らしたい]

 2007-10-11(Thu) 秋の行楽 通算572/573鞍目
■ちょっと遠出をして【大人の乗馬倶楽部】に行ってきた。
馬に乗りながら「柿の実が日差しに照り映えてきれいだなあ」なんて思う。
厩舎の屋根の向こうに枝を広げる柿の木にまで視線がいくようになった。
■実は、この倶楽部に何度か問い合わせ予約の電話をしているのだが一度もつながったことがない。
とうとう「一見さんお断りなのかも」と諦めていたら、再び会員の方からお誘いがあった次第。
広告もないし立地もわかりづらいところ。
絶対この倶楽部は来る人を選んでいる!と思うと、お誘いには値千金の価値がある。

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574鞍目 のびのび [第14章 初級駈歩向上編]

 2007-10-12(Fri) 初級クラス 通算574鞍目
■穏やかな秋の陽。
馬場の湿り具合も丁度いいし馬に乗るには最高。
ということで、平日にも関わらず多くの人でにぎわうクラブ。
■本日も大好き【ヴィーヴ・ロワ】
彼はこのクラブに来る前は自馬だったらしいので、頻繁に同じ人間が乗ると新オーナーだと勘違いするのかもしれない。
しつけの行き届いたおとなしい馬だったはずが、鼻先で人の背中をぐりぐりやってみたり、肢の手入れで屈んでいると後頭部に鼻息を吹きかけたりと仕事中とは思えないような態度をとる。
馬から個人的なアプローチをされてうれしい反面、
練習馬たるもの誰にも節度をもった態度をとるべきと考えて「やらないように」と注意した方がいいのか悩んでしまう。
傍から見ると「相思相愛のようでいいですねえ」と言われるのだが、
ううむ…これでいいのか。
■レッスンは、マダム@【毒うま】&元馬術部監督@【時鮭】と見事に3騎ともベストパートナーの組み合わせ。
それもそのはず、
「今日は障害用アリーナでレッスンしますね」とごんちゃん先生が宣言。
公道に面したあの広大なアリーナでやるなら慣れた馬じゃないとね。
アリーナに行くには厩舎裏から林の中の小径を抜けていく。
スタッフの介添えなしに馬の背に跨がり、緑濃い道を進むのはちょっとした外乗気分。
■久しぶりに広々した場所にでる。
【ヴィーヴ】も療養明けではじめてではないだろうか。
先週の調子で「駈歩以外は重いだろうなあ」という予想に反して軽々と動く【ヴィーヴ】
動いてくれると自分の姿勢やバランスに集中でき馬の邪魔をしないという好循環が生まれる。
駈歩なんて、出そうと思ったところで出て曲がるのも止めるのも自由自在。
楽しい〜。
ただし「速歩」と号令がかかると反撞が高過ぎて座れない。
うーん、首も高いままだし、このまま無理して乗っても馬も人もいいことはないと思うと、
軽速歩でいいか…
「人がつらい時は馬だってつらい」「人が楽に乗れれば馬だって楽に走れる」と、
勇気をもって号令違反。
ただし、「どうやったら人も馬も楽に乗れる速歩になるか」を考えて実践してみることは必要だと思われる。
■レッスンの後半は【時鮭】が障害を跳ぶ練習のため、【毒うま】と【ヴィーヴ】は各自の課題を自主練習となった。
各人がわかれる前に、ごんちゃん先生に〈速歩をよくするための練習のポイント〉を確認する。
馬の体をほぐすための準備運動では手綱を伸ばして常歩速歩駈歩をするが、馬がしっかり動いて肢も遠くにつくことで馬体も伸びた状態になれば、次は手綱を持って〈持ちと押し〉で馬を縮めた状態にもっていくようにする。
練習としては、まず駈歩で元気よく走ったところから縮めていって、速歩に落とせばそのまま縮んだ状態になりやすい。 とのアドバイスをもらう。
■いざ、自主練習!
元気のいい駈歩を出して、維持して、それを〈持ちと押し〉で縮めていくなんて、ひとりでできるんかいな?
【ヴィーヴ】の駈歩ならきっと大丈夫。
駈歩を出して歩度を伸ばすところまでは気持ちよくできる。
しかし、手綱をしっかり持ってさらに押してというのが難しい。
「ブレーキだよね」と速歩に落ちることたびたび。
「ちがうんだよ」「もう一度元気よく駈歩からね」と馬を励ます。
さらには【毒うま】くん達が2課目経路の練習をしているのを見るとつい「蹄跡から輪乗りに入るスタイルで駈歩出そうかなあ」とか、「あの経路で正面衝突しないように手前を換えておこう」などと余分なことを考えてしまう。
ふう〜、まわりを気にして墓穴を掘りつつある。
縮めた駈歩ができたのはわずかな瞬間のみ。
小さく曲がるのが嘘みたいに楽になるのだが、これは維持できずに終わった。
まだまだである。
この分では速歩は無理かなと思ったが、それでも最初の頃よりは格段に反撞が柔らかくなっている。
まあ、気長にいきましょう。
■アリーナでの自主練習は、馬も人ものびのびと動くことを楽しめた。
ちゃんと内側の座骨に荷重して内方の脚が伸びて鐙を踏み込んでいられたし、
「あれ? これは手があがっているかも」と自らの感覚が芽生えてきた。
マダムが2課目経路の練習をしているのを見てよけいなことを考えなければ、もっとじっくり【ヴィーヴ】の駈歩を味わえたのにと今になって残念に思う。
ひとりで乗っていると雑念にとらわれていることすら気がつかないのだ。
■11月のクラブの運動会にむけて練習が始まっているが、
質の低い運動しかできていない状態で、無理矢理経路の練習をするのが負担になってきた。
馬の首があがった状態でいくら正反撞の3湾曲をやっても意味がないんじゃないだろうか。
運動会のエントリー取り消そうかなあ。
今の私は、経路より「馬にしがみつかないで楽に乗る」のがすべてという気分である。


575鞍目 あこがれの白い馬 [第14章 初級駈歩向上編]

 2007-10-15(Mon) 初級クラス 通算575鞍目
■やがてくる冬にせかされるからか、穏やかな日差しにため息がでる。
「このまま季節が止まってくれればいいのに」
そう思っても、ハロウィンもクリスマスも 2008年もすぐにやってくる。
運動会の練習も着々と進んでいる(らしい。)
去年は、2課目デビュタントの為に2ヶ月前からパート練習が始まっていたが今年は念入りな練習がない。
「経路を踏むにあたっての詳細は、講習済み」ということらしいが、緊迫感がなくて困る。
■本日も心の愛馬【ヴィーヴ・ロワ】
マダム@【毒うま】との2騎部班でごんちゃん先生に見てもらう。
週末の仕事をこなした【ヴィーヴ】は馬房から馬装まで真面目なよゐこに戻っていた。
つまり、私がワガママを助長させていたということか… ぐっすん。
■準備運動では【毒うま】君の後に位置すると「置いていかれたくない」とばかりに馬エンジンがよく回転してくれる。
乗り手を無視して走るわけではなく、推進するための労力がいらないだけなのでとにかく『楽〜』のひと言。
ただ輪乗りや巻き乗りなどと回転運動になるとショートカットして前に追いつこうとするし、私が手綱であれこれするのが気に障るらしい。
推進力が私の脚ではないので手綱の操作との連携に欠けるのが原因なのだろうなあ。
やっぱり楽してはいけない。
自分の力で馬を前に出していかないと、首を下げさせたり内方姿勢をとらせたりできないのだ。
■最初のうちは、いつものように反撞が硬くて速歩で座れない。
駈歩をした後に、軽速歩での歩度の詰め伸ばしをしているうちに反撞が柔らかくなる。
うむ、これなら速歩で座っていける。
■ドレッサージュアリーナ全面を使って、2課目経路を2騎部班で回ってみる。
【毒うま】は高速馬なので、追いつく心配をせずに後続馬の経路をゆける。
と、つられて駈歩を出そうとしたところを無理矢理止めて、前の馬との距離が開いたところで駈歩発進を試みるとエンストする。
ええっ? 何でこうなるの?
「前の馬がいなくなったので、行く気がなくなってしまったんですね」
ふえぇ、それって【ヴィーヴ】に相手にされていなかったということ? ショック。
「じゃあ、もちぇさんだけで輪乗り駈歩を出すところから、残りを続けて」と4%先生が【ヴィーヴ】単騎での経路練習を提案して下さる。
その間【毒うま】君は見学になる。
■「ついていく馬がいなければ駈歩しない」と言わせないために、長鞭でこちらの意志を伝える。
ペンと合図を送っても反応がないのでピシッと強く打つと彼は「ヒン」と鳴く。
指揮権が私に戻ってきた。
C点から輪乗り駈歩に出すところがもたつくが、それ以外は扶助に従ってくれる。
駈歩の途中で失速しそうになる所は、バランスが崩れてブレーキになっているところに脚なり鞭なりの推進扶助がきちんと出せていないからなんだろうなあ。
ここはこれからの課題、もっと練習しなければ。
最後の速歩は乗り心地もよく元気もあって大いに満足できた。
■「【ヴィーヴ】でも運動会大丈夫そうですね」と評して下さるごんちゃん先生。
真っ白な馬で2課目なんて夢のようだが、彼は部内競技会未経験、前回は物見の可能性大にてホースショー回避。
基本的には重くて、準備不足だと速歩の反撞高過ぎて座れないイバラの道なのだ。
競技会の本番に向けて、準備運動だとかメンタル面での馴致だとかできるんだろうか?
【ヴィーヴ】できちんと2課目まわれたら死ぬほど嬉しいだろうなあ…


576/577鞍目 渇きを癒す [第14章 初級駈歩向上編]

2007-10-17(Wed) 初級クラス 通算576/577鞍目
■朝晩が肌寒くなってきた。
この夏、体調を崩し三途の川を渡りかけた【主席】には、早々と薄馬着が着せられている。
乗馬用クローゼットもそろそろ秋冬に向けて入れ替えの時期。
なーんて、ただユ○クロにフリースとタートルを買いに行くだけなのだが…
我がクラブでは、マダムが焦げ茶のキュロット&タートルに空色のベストをお召しになっている。
「なんとシック」とほれぼれする。
お気に入りの馬の毛色にあわせたゼッケンとか、色使いに気を配るのがおしゃれなのだ。
■本日のひと鞍目は【山桜】、ものすごく久しぶり。
彼は今や、中級からビジターまでこなす超売れっ子練習馬となってしまった。
「そんな多忙な彼がなぜ私のところに?」と配馬表を見ていぶかしく思うほど。
【時鮭】【ベルベット・シート】の3騎部班で4%先生が見て下さる。
■【山桜】のネックストレッチをかけると首がどよんと落ちる癖は相変わらず。
以前は「手綱でひっぱりあげていいですから」とか「手綱が長過ぎます」と注意されていたのだった。
思い出しつつ、脚を使って首をあげピッチマークの3番を目指して手綱を調整する。
駈歩では「もっと回りを見て下さいね」「視線が下がると姿勢も前傾してきますよ」
「手綱は馬の首の動きに合わせて」と言われるが、それがポジティブに受け止められる。
2課目経路の駈歩パートの練習では、左手前の駈歩に元気がない以外はどこにも憂うところがない。
■「何の心配もなく乗れます」と4%先生に報告する。
今の私にとって、「駈歩出ない」「駈歩が続かない」「右によれる」等の心配事を抱えずにいられるレッスンは、心の底からほっとさせてくれるのだ。
癖のある馬たちとのやり取りで「なるほど」「こうすればいいんだ」と学ぶことは多い。
【アウグス】に外方手綱のキューについて教わったし、【とら】からは肩を規制する押し手綱の使い方を教わった。
これらは私の財産なのだ。
が、これらが続くと自分がとてつもなく下手クソという思いにとらわれてつらくなるのも事実。
時には「大丈夫、私が乗ってもちゃんと動いてくれる馬がいる」という心のオアシスも必要。
【山桜】ありがとう、心の渇きはちゃんと潤って元気になったから。

■ふた鞍目は【ヴィーヴ・ロア】
「じゃあ【ヴィーヴ】」と配馬されて、「やった!」と単純に喜ぶ。
復帰直後は重くて部班についていくのに苦労したが、このところ快調。
【毒うま】君と2騎部班でごんちゃん先生のお世話になる。
中級クラスがドレッサージュアリーナを使うので、初級用馬場で練習。
この馬場は、砂が薄くて整備が行き届かないので蹄跡が溝になっている。
蹄跡行進をしていると隅角で馬の歩みが大きく揺れる。
むむむ、段差を踏み抜いたかな? 危ないなあ…
蹄跡の内側を通らせたいのだが、内側に入るのと勘違いした【ヴィーヴ】とひと悶着。
■ふた鞍目なので、体力不足の彼は鼻の穴を大きく膨らませているらしい。
「無理せずゆっくり行きます」と【毒うま】君のペースにつられることなくのんびり走ることにする。
時々、真後ろに迫ってくる馬に「【毒うま】はそこで巻き乗りして」という指示が出るが、
「いいんだもん、わざとマイペースでやってるんだもん」と開き直り。
■駈歩では蹄跡から輪乗りへ入る時に「外側を意識して」と言われる。
内側の座骨に乗ることもひとつだが、手綱の感触を外側の肘や腰で感じるのも大事なのかもしれない。
途端にぶわんと弾むような乗り心地になる。
「おぉわぁ〜、いい感じ」と叫ぶといきなり速歩に落ちる。がっかり…
「『おおー』と言ったのが停止の声に聞こえたんだと思いますよ」とごんちゃん先生の解説。
「もう【ヴィーヴ】は頭が良すぎるんだから」
この辺りから、乗り心地や操作性が格段に向上する。
駈歩でもきちんと隅角を拾って蹄跡を走らせたり輪乗りをしたり自由自在。
速歩でも座っていられる。
「馬の口を腰や脚の付け根で受け止める感じで」と抽象的な表現で、速歩でのコンタクトを促されるのだが、確かにその通りの感触になるのだ。
先だって「姿勢がそっくり返っている」と注意されたので、「背骨が胸に近づくよう」「馬の上に円柱をイメージして、その中に自分の上体が入っているように」とまっすぐに乗れるよう心を砕く。
「ハミから手綱へ、それが拳、肘、肩、背中を通って腰へ落ちて、再び馬の口へという循環になるんです」
ごんちゃん先生が【毒うま】君に解説しているのを聞いて、確かに目には見えなくてもそういうイメージで捉えられる気がする。
■「【ヴィーヴ】の右手前速歩、いい感じでしたよ」とレッスンの最後に講評をもらう。
この馬場は運動会の時の準備馬場にも使われるから、馬のウォームアップの予行演習でもあるのだ。
しかし、他の人馬がいると怖いし気になってほとんど動けなくなる自分には、準備運動から担当するのは荷が重い。
「運動会ではどの馬とペアを組み、準備運動を担当にするのか否か」を担当の先生に聞けばいいのだが、詳細が確定する前からあれこれ聞くのも変だし、悩むところ。
一年前の運動会では、厩舎から直接待機馬場に行くような〈知らないが故の手落ち〉があったので今年はかなりナーバスになっている自分がいる。
やだなあ、各個での準備運動にまったく自信がない。
人気のある練習馬だと中級クラス以上の方が最初にエントリーして準備運動や馴致をしてくれるんだが…
去年の悪夢が重くのしかかってくる。


578鞍目 心の疲れ [第14章 初級駈歩向上編]

 2007-10-18(Thu) 初級クラス 通算578鞍目
■とうとう墓穴を掘って、その中にズシーンと落ち込んでしまった。
ことの発端は「あれっ運動会のパートナーまだ決まっていないの?」のひと言。
何だか今年の運動会馬場馬術競技は、愛馬対決の様相なのだ。
まだ競技種目も発表されていない段階なのだが「私はこの馬となら出る」という人達がちらほら。
「どうせ優勝人馬は決まっているから」という去年までの不毛なやり取りは影を潜め、「この馬とやってきた成果を」という前向きな姿勢が随所に出てきて大変喜ばしい。
だが、私には(得点率は考えずに)何とか経路をまわってこられる馬がいないのだ。
いや、【山桜】なら…という淡い期待もあったのだが、現実は甘くなかった。
■夏が終わって駈歩の練習が本格化してくると、駈歩の苦手意識に悩まされるようになった。
先生方のご配慮もあって【アレフ・ゼロ】【ヴィーヴ】【山桜】といった楽に駈歩をしてくれる馬たちが配馬されて何とかやってきていた。
本日のお相手も【山桜】
【青雲】【ムーン】との3騎合同クラスで4%先生のレッスン。
「世はこともなし」と心も軽く騎乗するはずが…
どうしても左手前の駈歩が失速してしまう。
動いていない馬の上で「そら走れ」と暴れてしまう。
「どうやって推進するのだっけ?」と改めて考えてしまうほど前に出てくれないのだ。
速歩に落ちてしまった瞬間、簡単に駈歩が出て一定のペースで駈歩を続けてくれるはずの馬に乗っている意味を悟った。
つまり、次がない。

■これまで何とか自分を支えてきたものが崩れていく。
「下手だけれど、進歩はカタツムリなみだけど、それでもどこかに光を見いだして」と頑張っていた糸が切れてしまった。
心が疲れてしまったんだなあ。


579/580鞍目 元気が一番 [第14章 初級駈歩向上編]

 2007-10-22(Mon) 初級クラス 通算579/580鞍目
■秋晴れの清々しい空が続いている。
馬疲れは庭掃除と窓磨きで癒して、「心機一転また今日から始めよう」と出かける。
その矢先【主席】が逝ってしまったことを知る。
平静を務めたけれど、洗い場で転ぶし、腹帯を締めようとして歩き出した馬から落ちそうになるし、インシデントが頻発。
あぶない、あぶない。
■ひと鞍目は【山桜】
【ベルベット・シート】との2騎部班で4%先生が見て下さる。
■【山桜】は重いわけじゃないけれど、「もうちょっと動いてくれるといいのに」と感じる。
それが脚の動きに出る。
「もちぇさん、今日は脚をじっとしておきましょう」
「ふくらはぎの上で押すだけでいいんです」
「馬のお腹を抱え上げるような動きはまずいです」
馬の動きや気持ちを無視して、自分の扶助を押し付けているのだ。
最近の4%先生は「脚を静かに」を強調する。
■駈歩では「手綱は紐ではなく固い棒でできているつもりで」
「馬の首が前に出る時にいっしょに前に押し出すつもりで」
「腰が鞍に押し付けられる時に拳を前に」とアドバイスされる。
ん〜、何だかわかるような気がする。
「拳を静かに」「手をあげないように」と動かさないようすればするほど、馬の動きとズレて衝撃が大きくなるメカニズム。
一緒に動くよう心がけるほうが静かで衝撃がなくなるのは、正反撞の随伴と同じなんだと思う。
「もちぇさんの場合、逆の動きをしがちなんですよ」と4%先生が指摘してくれる。
くぅー、駈歩の騎乗姿勢が情けないのは知っていたけれどズバリ言われると重いものがある。
ちょっとしたタイミングやバランスの取り方の違いなのだと感じる。
ひと呼吸の半分で位相がずれるから、いったん正しいやり方を身につけてしまえば当たり前にできてしまうのだろう。
こんな時に、どんくさい自分が嫌になる。

■ふた鞍目は【ベルベット・シート】
【毒うま】【アレフ・ゼロ】との3騎部班、ごんちゃん先生のレッスン。
■レッスンの最後に2課目経路の練習。
準備馬場では、駈歩発進がもたついたりしていたのだが、いざ速歩入場となるとイケイケ【ベル】に豹変。
うわ〜、斜めに手前を換えでどんどん前に出る彼女。
これだけ前に出ているのなら蹄跡から3湾曲に入る所で抑えてメリハリをつけようと考える。
抑え気味にすると馬場の外からごんちゃん先生の舌鼓が聞こえてくる。
「ええーん、ここはわざとメリハリをつけているんですよ〜」
「【ベル】がサボっているわけじゃありませんから」と心の中で言い訳する。
速歩パートは無難に過ぎ、常歩ではまたエンジンの回転数が上がりだす。
この沸騰寸前という感じは心臓に悪いが、駈歩発進などポンと出て楽に乗れる。
最後の速歩パートは再びイケイケモードになるので失速を心配せずにいられてよかった。
■うーん、【ベル】が競技会で点数を取れるのは、このイケイケモードをうまく利用できるからなのだなあ。
この火に油を注いでしまうと、駈歩入場や一時停止違反のとんでもない経路違反につながるわけか…
これまで安全第一で、どちらかと言えば失速するタイプの馬が多かっただけに新鮮な感じがした。
ごんちゃん先生の講評では、私がメリハリをつけたつもりの抑えた速歩では、前進気勢がないと思われるらしい。
イケイケの速歩に乗っていられるなら、そのままのほうが評価が高いのだそうだ。
元気が一番ということか。


リベラ・メ [丁寧に暮らしたい]

 2007-10-23(Tue)
■「Libera me. われを解き放て」とこの世の重荷から自由になった馬がいる。
【主席】が21日の日曜日夕方に亡くなった。
元気になってきて軽い運動も始めたところだったのに…
黒砂糖をあげて首筋をなでた木曜日が最後になってしまった。

■「心が疲れてしまった」と先週末からクラブに行く気にならなかった。
月曜日もいつになくグズグズと出かけると、休日にしかお目にかからない男性会員の方がスーツ姿で花束を持って車から降りてきた。
「ふう〜、今日も気持ちのいい秋晴れだなあ」なんて空を見上げて深呼吸をしていると、声をかけられた。
「【主席】が昨日亡くなったんです」
凍り付いてしまった。
「まさか…」
「昨日の5時頃亡くなって、それで今日家にあった花を持ってきちゃいました」
頭の中にいろいろなことが駆け巡る。
クラブの駐車場に入る時にスタッフが揃って歩く姿をいぶかしく感じたのは、あれは遺体搬出の最後のお見送り直後だったのか…
なぜ私はいつも通りの時間にこなかったのか、そうすればひと目でも会えたかもしれなかったのに。
なぜ、週末にいつものように様子を見に来なかったのか。
限りある命とは知っていたし無理矢理つなぎ止めてはかえってむごいとも感じていた。
でも「ああ、ひと安心だわ」と感じた矢先に、すり抜けていってしまった。
■その場から動けなかった。
レッスンのために来たのに、予約してありスタッフも馬も待っているのに、【主席】のいない馬房を見るのが怖くて。
「今日はダメです」と逃げ帰ろうとも思った。
迷ったあげく「私を乗せて教えてくれた恩義に報いるのは、乗って上手くなるしかない」と自分を叱って馬場に向った。
今は何も見ない、何も聞かない、涙が止まらなくなりそうだから。

■レッスンも終わりお昼を過ぎて、【主席】ゆかりの人達と馬房に置かれた祭壇に手を合わせる。
日曜日は朝までは食欲もあり元気だったのが、昼前から調子を崩したようだった。
獣医さんが呼ばれて鎮静や点滴の処置をして「とりあえず」と様子を見ているうちに、この世の全てから解き放たれていった。
呼吸が止まった時もちゃんと見守られてひとりではなかった。
最後のケアもスタッフに丁寧にしてもらえたらしい。
形見のたてがみは、きれいな三つ編みに束ねられていた。
■顧みる人もないまま死んでいく馬たちがいる現実を考えれば、老いて大事にされ病んで看病され死んで弔われる馬は幸せなのだと思う。
「これ以上寒くなって節々に来るのはかなわん」と旅立っていった【主席】を見送る私は、悔やむことも嘆くこともない。
ただ、振り返っても彼がいないことが寂しい。
たまらなくさびしい。

………… 関連記事 …………

2007-09-03 : 死の影は去れり
2007-08-25 : 小康状態
2007-08-06 : 猛暑に耐えて
2007-06-29 : 虹の橋
2007-06-28 : 翁と媼
2006-05-04 : 06年の活躍
2005-11-03 : 幸せなレッスン
2005-09-07 : 病み上がり
2005-09-05 : 最高の贅沢
2005-05-26 : 手綱・鐙なしでも
2005-05-05 : 駈歩恐怖からの脱出


581/582鞍目 拍車傷事件 [第14章 初級駈歩向上編]

 2007-10-24(Wed) 初級クラス 通算581/582鞍目
■朝一番に厩舎に行っても、いつもの「ぶぶぶぶっ」がない。
しかも【主席】の隣にいた【ヴィーヴ】が一連の騒動で動揺していたらしく、離れた馬房に引越しをしてしまった。
寂しくうつろな気分。
■本日のひと鞍目にお相手してくださるのは【アレフ・ゼロ】
朝晩の冷え込みを意識し始めた途端に、彼の冬毛はすごい勢いで伸びだした。
今期初めて着せてもらっていた薄馬着を日なたに干して、馬装を始める。
と、ものすごい拍車傷。
何なの?これは? 
ぽつんとついている傷は時折見るが、広範囲に冬毛がはげて皮膚が剥けて浸出液が乾いて固まっている状態の傷は初めてだ。
4年このクラブに通っているが、ここまでひどい傷を見たことはない。
これじゃあ動物虐待だと忌避される某大手乗馬クラブと同じではないか!
【とら】の右側に拍車傷が目立った先月から、何頭もの馬に拍車傷がつき始めている。
軽くて有名な馬にもだ!
何かおかしくはないか? なぜこんなことが起こる? 
■4%先生に見ていただいて【毒うま】【山桜】と3騎部班のレッスン。
私はいつもの標準装備、先丸の豆拍車と長鞭で乗る。
【とら】の時のように「拍車なしで乗ります」と言えない部班のプレッシャー。
とは言え、ショートカットや規定より小さな輪乗り巻き乗りをどんどんさせてしまう。
無理に他の馬にあわせて動かす意欲を捨て去った。
■鏡の前で脚位置を確認すると「うわっ、私の拍車はもろに傷にあたる位置にある!」
ちょっと前から4%先生が
「脚を定位置に置いて動かさないように」
「ふくらはぎの上の方を押し付けるように脚を使って」としつこいぐらいに注意し始めたのは、このせいだったのか…
拍車で蹴りを入れた日に自己嫌悪で最悪の気分になったが、今日は鏡を見て背中に冷たい水をかけられた気分になった。
私が踵を使うということは、あの傷に触れることだ。
自分の脇腹がひりひりツーンと痛むような感じになる。
■「重くてもいいです、遅れようがショートカットしようが、それでいいです」
「静かにそっとバランスと座骨のリズムだけで乗ります(できるか否かはさておいて)」
と自分に言い聞かせる。
「そういう時は鞭を使って」と4%先生。
「ポンポンと何度も叩いても意味ありません」
「わかる強さで一度叩けばいいんです」
「手綱が長いです、どんなに長くてもピッチマークの5、6番目で」
うう、推進が足りないということだよね。
脚を静かにして乗るって本当に難しいけれど、以前のようにどんどん動かなくなるという悪循環にはならない。
それなりに動き続けてくれる【アレフ】の頑張りをまず認めなくちゃ。
そして、何を言われようが部班のお荷物になろうが「大丈夫だよ」と焦らず【アレフ】と会話を続けなくては。
■レッスンの最後に2課目経路を回ることになった。
【毒うま】がスタートすると「次は【アレフ】行きますよ」と先生に指名される。
「うわっ大変だ、経路回るんだって準備運動しなきゃ!」とこれまで気を抜いて運動してきたツケをここで払わなくてはいけないと慌てる私。
長鞭を大きく振るってアクセルを踏み込む。
すると「もちぇさん、そんなに最初から気合いを入れなくていいです」
「前の馬が駈歩パートを始めてからでいいんですよ」
「馬の集中力を考えてみれば、経路自体で5分、待機馬場でもひと経路分運動させたらその倍の時間になっちゃいますよ」
「集中力を10分以上保たせるのは無理と言うものですよ」と宣わく。
ああ待機馬場での運動の意味って、身体を温めるとか筋肉をほぐすことではなかったのだ。
馬のメンタル部分に働きかける場なのだ。
〈集中力〉かあ、これまでになかった概念だなあ…といたく感銘を受けてしまった。
■【アレフ】の場合は、
「入場をする前に駈歩を出して調子が出た所で軽速歩、大きく回って直線をしっかりとって速歩入場としましょう」と教えていただく。
うん、こういう一定の手順がファンファーレのように馬のメンタル部分に「やるぞ」と働きかけるのかもしれない。
人が勝手に「気合いだ〜!」と熱くなっても運動するのは馬なのだから。
経路は大きな問題なく回れる。
駈歩での隅角通過が甘くなるのは「もちぇさんの場合、駈歩の外方手綱が緩み易いのでその分馬が内側に入り易いんです」
「駆歩しながら手綱の長さを揃えるのが間に合わない時には、外側への開き手綱で緩んだ分を調整すればいいんですよ」と教えてもらう。
ウウム、駈歩だと馬場を楕円周回してしまうのは手綱に問題有りなのか。
拳の位置や握り方、外方手綱での規制など速歩と同じような難問が待ち受けている。
■「経路の練習」と言われた時から、拍車傷のことなんてすっかり忘れていつも通りの脚の使い方になっていた。
馬から降りて【アレフ】の脇腹を点検する。
ガガーン、乗る前は乾いていた傷から新しい浸出液を認める。
私も拍車事件の共犯者だ。
「拍車傷をつけてしまいました」と先生に報告し、脚位置まで気にしていられない駈歩の時の傷ではないかと話す。
一番小さな丸い拍車でも、いったん傷ができると簡単に新しい傷を作るらしい。
「もちぇさんの脚の位置とは違うみたいですよ」とのんびりとおっしゃる4%先生の心遣いはありがたいのだが、「誰が拍車傷をつけたのか」という問題よりも、これ以上【アレフ】につらい思いをさせない対策を考えなくては。
やっぱりこれは、私より上手な人が乗る以外ないのでは…

■ふた鞍目は【ヴィーヴ・ロワ】
【チャンドラ・グプタ】【毒うま】【霧丸】の4騎部班で同じく4%先生に見てもらう。
■運動会に不参加の人が半数なので、このレッスンでは基本的な運動のみ。
前後に長くてまとめるのに手間がかかるのが【ヴィーヴ】や【アレフ】なんだそうだ。
その分、人のバランスに敏感な感じがする。
前に出せなければ、ばらけてひどく苦労するが、馬がやる気になって〈モチとオシ〉のバランスが取れると至高の乗り心地を味わえる、そんな馬のような感触をもっている。
■【ヴィーヴ】には(いつものように)拍車なしで乗る。
拍車なしの気楽さでビギナーのようにバンと蹴りつけてしまうと、
「脚をバタバタさせるのはダメです」と4%先生のお叱りを受ける。
ああ、もっと早く気がつけばよかった。
このところ「脚の位置を一定に」「ふくらはぎの上を使って」とうるさく言われていたのは、拍車傷事件の主犯格と目されていたからなんだろうなあ。
誰よりも小さな丸い拍車を使っていると自負していたのに、こんなことになるとは…
まあ、「拍車禁止」と言われるより傷つけない乗り方を教えてもらえる方が、長い目で見たら馬の福祉に役立つのだ。
今週はつらいことが多いけれど、なんとか乗り越えて馬も人も楽に乗れる日がくることを願いたい。





583鞍目 どんより [第14章 初級駈歩向上編]

 2007-10-25(Thu) 初級クラス 通算583鞍目
■どんより気分なのにさわやかな秋晴れ。
もったいないなあ。
■本日は【山桜】
【チャンドラ・グプタ】【ムーン】【ヴィーヴ・ロア】の4騎合同クラスでごんちゃん先生のレッスン。
中級クラスがアリーナを使うので、初級は古巣の小さめ馬場で練習。
■【山桜】は何の問題もない。
駈歩の時に「お尻を静かにできるよう」「馬に衝撃をできるだけ与えないよう」と声がかかる。
内側の座骨から脚や鐙までがぴたりと決まる瞬間はあるのだが、いつもというわけにはいかない。
どうも駈歩では推進の扶助がよく分からない。
内方脚や外方脚など手を換え品を換えて扶助を送ってみるが、確実にエンジンの回転数が上がる手段が見つからない。
【山桜】に気持ちよく乗れる回転数というのもがあるのだ。
それよりも遅いとどうしても前が詰まったようになってしまってバラけてくる。
あとひと吹かし「ブルルン」と回転数を上げて欲しいと心から願っても、扶助が通じないときの方が多い。
どうしたらいいんだろうか。


584鞍目 空もどんより [第14章 初級駈歩向上編]

 2007-10-26(Fri) 初級クラス 通算584鞍目
■あいもかわらず、どんより乗馬ライフ。
今朝は細かい雨が降っていて天気も気分もそろい踏み。
「それでもいつもの皆さんはキャンセルしてませんねえ」とお互い雨でも騎乗する姿を笑いあう。
■本日も【山桜】と一緒。
愛馬なのだが私のあとにも仕事が控えているので、ゆっくり手入れしたり散歩したりできないのが残念。
昨日と同じく小さめの初級馬場でごんちゃん先生に見てもらう。
蹄跡が溝になっていて「馬が躓いて怖い」と言ったら、さっそく馬場がきれいになっていた。
こうやって細やかに手を打ってくださるのが嬉しい。
【毒うま】【時鮭】といつもの中高年チームが部班を組む。
■【山桜】はなかなか内方姿勢を取ってくれないのが気にかかる。
内方より外方の手綱と脚への反応がいいのはどうしてなのだろう。
■レッスンは、基本姿勢の徹底がメインテーマとなる。
「お尻の下に踵がくるように」etc. と事細かなアドバイスがされているのだが、
【山桜】組にはこれといった注意がない。
気持ちよく一定のリズムで動いている時には、確かに姿勢は崩れ難いものなのだ。
まあ、いいでしょう。
元気のでない時には、しっかり者の馬に乗せてもらってとにかく心を潤すのも必要。
来週には、盛り返していこう!


585/586鞍目 馬も人も成長する [第14章 初級駈歩向上編]

 2007-10-29(Mon) 初級クラス 通算585/586鞍目
【主席】が逝ってしまって1週間。
私の鞍ロッカー近くの馬房は沈黙したまま。


祭壇には彼の遺影が飾られ新たな花束や供え物が増えている。
寂しくて切ないけれど、多くの人が彼のことを心に留めてくれた事実に救われる。
調子を崩してからは何度も獣医さんを呼んでもらえたし、
最後の時はレッスン時間中にもかかわらず「私は乗ったことはないけれど、ひとりにしておくなんて絶対にダメ」と見守り続けて下さった方がいたし、
その後の作業もベテランの方々が手伝って下さったようだ。
そして、悲報を聞いてわざわざ花を手向けにきて下さる会員の方々。
彼とつながっている人達がこんなにもいる。
それだけで心に陽が射す。
■「よちよち乗馬クラブの【ひとつの時代】が終わったなあと感じるんですよ」と感懐をもらす方がいた。
クラブ設立当初の輝かしい競技馬から、信頼の置ける練習馬へそして療養生活。
同じような毎日が過ぎていくように見えて、老い衰えさせる時間の流れはとどめようがない。
■反面「どうしようもない」と嘆かれていた馬が、いつの間にか諸問題をクリアしている。
暴走馬と怖れられた【山桜】しかり、永遠の新馬【アウグスティヌス】しかり。
「危ない」「何もできない」と言われ続けて、それでも辛抱強く時が経つのを待った人達がいる。
馬に乗り始めて3年を過ぎて、見えてきたことである。

■朝一番のレッスンは見慣れた顔。
40代も半ばになると習慣的な行為に愛着がわく。
目新しいことに出会うのが苦手になるなんて惚けの始まりなのだが…
配馬表には雷雨でずぶぬれになって以来の【アウグスティヌス】の名前。
「キャホ〜、久しぶり」と喜ぶ。
いつものメンバーで【毒うま】【チャンドラ・グプタ】【山桜】の4騎部班。
■4%先生は運動会にむけての経路練習会とする意図らしい。
部班での運動でも、速歩歩度の詰め伸ばしや停止や移行の練習を細かいところをやる。
【アウグス】って、後肢の踏み込みが大きくて乗り味最高の馬ではあったが、
部班で細かい運動をさせるのは難しい馬だったはず。
突然、止まったり後退したり。
しかも私は駈歩はマトモに走らせることができなかった。
それなのに… あれっ? 部班2頭目で普通に運動している。
4頭同時に輪乗り駈歩できている。 あれっ?
しかも極めつけは、右手前駈歩が最高っ!!! の乗り心地。 
どこでも自由に飛んで行けそうな開放感。 
重心線がピタリとあっているから身体も拳もどこも揺れない。
この感触は首を下げて駈歩する【クレヨン】君並み。
■秋の運動会では、中級クラスの方が【アウグス】で2課目にエントリーしている。
その練習の成果なのか?
何の問題もなく気持ちよく運動できていることが不思議に思える。
「じゃあ、もちぇさんも【アウグス】で2課目経路やってみましょう」と4%先生に言われて、「冗談でしょう」とは思えず、素直に「はい」と答えてしまう。
■他の人馬が演技中、止まって見学しているうちにいつものイヤイヤ【アウグス】が出現する。
そうだよね、自分が何をすればいいのか見当がつかなくなると首をあらぬ方に曲げて指示通り動かなくなるんだよね。
「まずは前に出して」という4%先生のアドバイスに従って、ピシピシやると「あらら…」リセット完了。
元気よく駈歩まで出してくれて待機馬場での運動OK
■2課目経路は、速歩で詰めようとしたら止まってしまうところもあったけれど、調子いい。
左手前駈歩でようやくおなじみの〈駈歩が出ない〉状態に陥る。
何度かやり直しをして切り抜ける。
最後の速歩はやっぱり調子がいい。
知らない人が見たら駈歩が定点から出ないなど問題だらけの経路だと思うが、あの【アウグス】に私が乗ってここまでできるなんて…(涙)
■彼がこのクラブに来た最初、馬運車から降りてきた姿からずうっと見つめ続けた私には、感慨深いものがある。
中央線や斜線をまっすぐ進めない、常歩から駈歩はでない、駈歩の斜め手前替えなんて無理、いやいや、レッスン中にうんともすんとも動かなくなった所も見たぞ… 
それなのに「できるようになったんだねえ」「成長したねえ」

■ふた鞍目は【山桜】となる。
同じメンバーで【毒うま】【アウグスティヌス】とそれぞれの愛馬に騎乗する。
ひと鞍目で、馬も人もアップは終わっているので、より精緻な経路のパート練習になる。
■4%先生は、輪乗り駈歩を出すところと正確な輪乗りの図形をかけるようにとご指導下さる。
駈歩発進をしてから輪乗りの軌道に乗せるのでなくて「一歩内側に踏み入れてから発進するよう」とアドバイスをもらう。
そうなのだ、C点からぴったり駈歩を出そうとばかり考えて図形は2の次になってしまう。
ところが、内側に入れようと手綱を使うと肩から逃げられて内方姿勢が崩れて発進で遅れる。
「もちぇさん、肩から逃げられて姿勢を直すのに手間取りましたね」
「内方手綱だけで操作しないようにね」
まさに小手先で何とかしようとする弊害。
■輪乗りでは「3点は蹄跡に接するように」
「一歩だけ蹄跡を踏んですぐに出る」
「円ではなくて四角を描くつもりで、外に膨らみ易い馬は特に気をつけて」と注意が飛ぶ。
【山桜】の駈歩は、妙に小回りが利く。
ちょっと押せば外に出るし、ちょっと外側を握れば内側を通る。
一歩毎にどこに肢をおろすかまでコントロールできるような感じなのだ。
勢いに乗せて最初に決めた曲率どおり走ってくれればそれで十分幸せな私には、怖いくらい。
これも【山桜】が3課目で小さな回転の駈歩や反対駈歩を練習しているからなんだろうなあ。
すごい、彼もやっぱり日々進歩しているのだ。
■最後に1騎ずづ経路を回る。
【アウグス】は上のクラスの方が乗って、きれいに経路を回っている。
どこにも危うい所はない。さすがである。
■そして、【山桜】と私。
3月の競技会の時は、とにかく経路違反なく最後の敬礼まで行き着いてほしいというのがすべてだった。
今日は2課目経路の全体の流れの中で、次のポイントをどうしようかと考えるゆとりがある。
まるで、曲を奏でるなかで一瞬一瞬の響きに酔いながらも次はどう聞かせるかと冷静に考えているような感じ。
馬場馬術の経路は音楽なんだなあ。
スムースに正確に、それでいて緩急自在でクライマックスがあって収束があって。
だから「上手くいかなかったらどうしよう」という怖れや力みは、心地よい音楽の流れを台無しにしてしまうのだ。
【山桜】に乗りながら、経路という音楽に酔うなんてちょっと素敵じゃないか。
■講評では、駈歩で外側の手綱が長くなっていると指摘された。
そう、右手前の駈歩で自分自身が「あれ、余っている」と思ったのだった。
普通なら、外側の手綱が緩んだ結果として内方がきつくなり内側に切れ込んでくる駈歩なるはずなのに、今日は馬の駈歩はそのままで手綱だけがだらんと長くなっていたのだった。
不思議…
4%先生は、短蹄跡の直線で手綱の長さを確認すること、不揃いのままで駈歩を続けないようにというアドバイスを下さった。
ううむ、〈駈歩で外側の手綱を緩ませない&内側の手綱をきつくしない〉は、いまだ自覚しにくい。
〈拳を回すな〉〈手をあげない〉の次に来るのは、手綱の左右を揃えてか…
先は長いなあ。










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