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613/614鞍目 帆を張れ [第15章]

 2008-01-04(Fri) 初級クラス 通算613/614鞍目
■あけましておめでとうございます。
今年もどうかよろしくお願いいたします。

■穏やかなお正月だった。
元旦、清冽な日の出を眺めることができて、心が充たされる。
「今年も何とかやっていけそうだ」
■初乗りは【時鮭】くんの元気をもらって発進!
ごんちゃん先生のレッスンで【毒うま】【山桜】の3騎部班。
■【時鮭】は前進気勢があるので、ある一点を除くと気持ちよく進む。
上手くいかないのが駈歩の継続。
馬が人の隙をついて速歩に落としてしまう雰囲気。
しっかり叱るなり推進できれば駈歩が続くのだろうが、私の力不足なのだ。
駆歩しながら何かをするというのは、もう少し努力を必要とするようだ。
■「速歩が左右に揺れるのではなく上に跳ね上げられるような運動をさせて下さい」
とごんちゃん先生の声。
「馬が肢をしっかり上に引き上げて走ると人は上に持ち上げられる感じになります」
ううむ、この感触は、座骨のリズムだけで速歩から常歩に落とそうとした8月の練習で体験したなあ。
馬の動きが落ちてくると上下動のリズムが左右に振れるようになって、座骨でリズムを刻み難くなる経験。
そうか、活発な動きって上下動に現れるんだ。
「おへその上が上下に伸びる感じに上体を支えて」
「鐙革が真直ぐ下に落ちるように鐙を踏んで」
お正月早々、速歩での騎乗姿勢の練習が続く。
馬のパワーが上下に伸びるとお尻は鞍に足の裏は鐙に押し付けられる。
無理矢理、鐙を踏んだり座骨を押し付けたりしなくても、自然にそうなるらしい。
だから前進気勢が大切なんだろうなあ。
■「もちぇさん、馬を後ろから押し出してあげるように乗って下さい」
馬場の砂に、馬の前肢が上がるのが映って見える。
うむ、この持ち上がりがつぶれないように乗らなくては…
騎馬パレードしている気分で偉そうに乗る。
「そうそう、いいですよ〜」
馬がしっかり前に出てくれると威風堂々としていられるのだ。
速歩までの【時鮭】は、本当に頼りになる。
■駈歩は、精進を続けるしかないなあ。

■ふた鞍目は【アレフ・ゼロ】
今度は【チャンドラ・グプタ】と【ときめき】との3騎部班となる。
■【アレフ】は最初非常にいい感じに動いていた。
それなのに、だんだん騎乗者が下手だとバレてしまったようでエンジンの出力が低下。
前進気勢の維持の難しい馬にのると、先程の姿勢も脚もすべてふにゃふにゃに崩壊する。
鐙が踏んでいられない。
■反面、駈歩の維持は好調。
【時鮭】の分を補って余あるほど。
手綱を持てば持つほどエンジンの回転数が上がるし、内方を緩めて後ろの乗ればメリーゴーランドのお馬ちゃんになってくれる。
駈歩の機微を堪能させてくれる偉大な練習馬なのだ。
左手前での回転が苦手で、輪乗りに入ろうとすると曲がれなくなる【アレフ】
3度目の挑戦で、曲がる前から外側を規制して、内方の手綱を断続的に使うことを意識したら、上手く輪乗りに入ってくれた。
内方を引っ張り続けるのではなくて、使っては緩めるという基本を思い出させてくれた。
右手前駈歩は自由自在の感触。
それにしても、高齢の馬にこんなに長距離の駈歩をさせていいんだろうか?
いったいドレッサージュアリーナを何周回ったんだろうか?と心配になるくらい駈歩を続けてくれる。
ありがたし。

■速歩でも駈歩でも、動いてくれないときの手綱は揺るんでしまう。
コンタクトがなくなるとでも表現するのか。
風を受けた帆を張っておくためには、綱をしっかり握ってつなぎ止めておかねばならない。
つなぎ止めるにはどうしたらいいんだろう。
背筋か腹筋か、それとも拳の握力なのか?
いや、その前に前進気勢なのか? むずかしい…


【ベルベット・シート】 [アルバム]

ベルベット・シート】こと【ラミカ】です。
誕生日:1997-06-10  生産地:北海道
父:バイアモン(米) 母:バンカーズフェバレイト
クラブ開設当時からのスーパーホースで、馬場も障害もこなせます。
反撞が少ないので速歩の練習ではお世話になりました。
内方姿勢の天才なので、初級クラスではいろいろと教わりました。

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星がハート形、女の子の代表です。
やさしくエスコートをすると素晴らしいレディらしいのですが、どんくさいおばさんが乗ると馬場のまん中で立ち止まってレッスンを見学してしまうこともままあり。
私も「訳わかんない!」とガツンとやられたなあ〜
女同士の熱い闘いはまだまだ続いてます。

615/616鞍目 できるなら、もっと短く [第15章]

 2008-01-09(Wed) 初級クラス 通算615/616鞍目
■年が明けてからようやく長靴手入れをした。
イタリア製のシューケア用品で丁寧に汚れを落とし栄養クリームを塗ってから、靴クリームで磨く。
柔らかくしっとりとした手触りなのにピカピカに輝いてくれる。
ひとり悦に入って乗馬クラブに出かけたら、長靴や拍車、鐙革すべてを家に置き忘れていた。
「なんたること!これでは、脚はあってなきがごとし。」
レッスン時間をずらして予約の取り直し。
そして出戻る。

■午後のレッスンに入れてもらって【時鮭】と。
【山桜】【アウグスティヌス】との3騎部班で中級初級合同レッスン。
久しぶりに4%先生のご指導を賜る。
■輪乗りがメインの内方姿勢の練習となる。
前回乗った時よりも、左右差がない。
右手前が苦手だったはずだが、かえって右手前駈歩の方が乗り心地がいいくらい。
■停止や速歩から常歩への下方移行は、両脚を後ろに引いてグウと押しつけるだけで了解してくれる。
脚を使い手綱はほとんど握らなくても止まれるなんて、不思議。
先生の説明を何度も聞いているので、理屈は頭でわかっているのだ。
しかし、これまでの常識と逆の世界。
体感的な戸惑いは隠せない。
■駈歩継続の難しさに対しては、
「馬の勝手で走らせないで!」
「手綱を強く引いてもいいから、もちぇさんのペースに落として」と
駈歩から落ちた速歩の段階で主導権を握るよう注意される。
摩擦を少なくしようとして馬のペースに合わせてしまう所が、【時鮭】にとっては与し易い相手になってしまうのだろう。
「駈歩しなさい」と鞭や拍車をつかって叱るよりも、常歩速歩の段階での主導権の奪取を考えるべきなのだ。
駈歩の正否は、駈歩する前の状態でほぼ9割決まるのでないかと感じている。

■ふた鞍目は【ベルベット・シート】にお相手を願って、4%先生のひとりレッスン。
本日の【ベル】はご機嫌がうるわしくて、常歩の段階からしっかり動いてくれる。
ありがたし。
■先生の指導のポイントは、手綱は短く。
「短くするに越したことはないですからね」
「(ハーフピッチで)3番目2番目を持ってもいいくらいですから」
えぇ〜、そんなに短く持って大丈夫なんだろうか?
標準的な長さ6番目を目安に軽速歩をしていて、手前換えや下方移行後に確かめると7番目まで伸びているというのが現状。
しかし、この締まりのなさは先生の指摘を待つまでもなく自分の中での違和感として感じられる。
だから、あわてて手綱をたぐるのと「短く」という注意が同時に起ることも多い。
「もちぇさんは手綱をとりにいく時に前屈みになっているので、馬に首を伸ばす隙を与えてしまってます」
「せっかく短く持ったのに首を伸ばされては、また手綱が伸びる原因になります」
「拳は鞍の前に置いたまま、手綱をたぐり寄せましょうね」
ん? 夏の終わりの頃、手綱の寄せ方を教わったような覚えが…
しかし、普段やっていないから動きが身に付いていない。
えーと、えーと、どうやるんだっけ?
結局思い出せず、がっくり。
■輪乗りで内方姿勢の練習。
「じゃあ、今度は速歩での輪乗りの開閉にいきましょう」
「閉じるときは外方の規制を強くして」
うむ、【ベル】はスムースに動いてくれる。
「開くときは、外方を緩めた分を内方から押して」
「一気にもとの大きさに広げるのではなくて、一段階開いたらその状態で輪乗りして」
「姿勢が安定したら、再び開いて20m輪乗りにのせて」
「外に開いている時と輪乗りだけの時の違いをメリハリつけてね」
内方姿勢の天才【ベル】だからスムースに輪線運動ができ外側前方に押し出していく感じがわかるけれど、他の馬だったら難しいだろうなあ。
■「じゃあ次は、軽速歩をしながら一瞬だけ愛撫する時のように、内側の拳を差し出してみましょうか」
「拳を前に出すだけでも愛撫していることになるんですよ」
「馬の口が楽になるでしょう」
撫でなくても譲るだけで「Yes, OK」の意味になるのだ。なるほどなあ。
しかし、拳を差し出す時間が長過ぎるらしい。
「軽速歩で座った瞬間だけでいいんですよ」
なんだか馬の動きと上手くシンクロしない。だらだら〜とした扶助。
【ベル】も「はぁ、何してるの?」
何度かトライしてその度に「瞬間でいいんですよ」と注文がつく。
うーん何が悪いんだろう?
譲ることばかりに意識がいって、外側の手綱を忘れていたか?。
まず、両側の手綱の張力をしっかり保つこと。(譲る時とのメリハリを付けるため)
それから外側を緩ませないように内方をすっと譲る。
おう、おう、手応えあり!
人の扶助と馬の動きがつながった。
譲ると馬が「ホッ」とするような、わずかに緊張を解くようなそんな感じが伝わってくる。
そして再び握ると「はい何でしょうか」と【ベル】が私に注意を向けてくれる。
結局、外方をきっちり留めておかないと内方を譲ってもだらーんとなってしまい、クッと瞬間的に戻せないのだ。
4%先生も「手綱は輪になっていますからね、持たずに片方だけ引っ張ればずれるだけです」
「馬もね、頼っていたハミが口の中ではずれちゃったら、どうしていいかわからなくなりますよねえ」と解説して下さる。
■輪乗り軽速歩で内方の拳を譲る、戻すを続けるうちに、手綱がどんどん短くなってくる。
無理矢理引っ張り込んで短くしているわけではなく、ちょうどいい張力で基本姿勢で乗っているとピッチマークの4番や3番になるのだ。
そして、【ベル】が「次はどうするの?」とこちらの扶助に注意を払っているのが感じ取れる。
■「じゃあ、輪乗りで駈歩を出して一周したら速歩に落とすというのをやってみましょう」
まだまだ人馬お互いの息を合わせられない。
発進の扶助で拍車があたると尻っ跳ねをする【ベル】
彼女にしてみたら「真面目にやっているのに拍車を当てるとは許せない」というところなのだろう。
しかし、私の方も熱くなっているから「そんな事したら、ダメじゃない!」と女同士の意地の張り合いになるのだ。
「駈歩でも内方の拳を前に差し出してみましょう」
「もちぇさんは、内方の手綱を譲れるようになれば、もっと自由に動けるようになると思いますよ」
最初はもたついて鐙もはずれてしまうような不安定な駈歩だったのに、だんだんまとまってくる。
発進の準備に内方の拳をゆずっておくと、【ベル】が「ああ、こっちね」とスムースに駈歩を出してくれるように感じる。
4%先生によれば、駈歩は内側前方に頼らせつつも出ていけるスペースを空ける必要があるのだそうだ。
私の場合は、内側の手綱が(相対的に)きつかったのか。
内方の手綱でスペースを空ける反面、内方脚で押しておかないと馬がおっとっとと内側に倒れ込んでしまうらしい。
だから、駈歩で隅角を回ると内側に切れ込んでくるのか?
扶助って手順ではなくバランスなんだなあ。などど、今更ながら納得する。
そうこうするうちに、駈歩の肢がすとんと決まる。
このまとまった感じって【アレフ】や【山桜】の駈歩に通じる。
■「はい、じゃあ手綱を拳ふたつ分ほど伸ばして、その位置で持っていて」
と駈歩でのエクセサイズを終えて、速歩でのクールダウンに移る。
むむむ、「またその位置で保持」の指示が出た。
と【ベル】の首が水平に下がる。
「馬がハミを取りにいってますからね、手綱はそのまま保持」
「拳が重くなってくるようなら脚で前に出して」
「馬は集中していますから、拍車や鞭を使うときはやさしくそっと使って下さい」
駈歩前後の人馬共に熱くなっている時は、ピッチマーク3番の長さで「すとん、すとん」と肢の着地位置すら決められるような乗り心地だったのが、今度はぶにゅうと馬が平べったくなった感じ。
それでもグミのような弾力性が維持されていて、だらりと伸びてしまうのとは違う。
■おもしろい! いやあ、じつにおもしろい!
ここ最近は〈手綱をとる〉妙味に感動をもらっている。


617/618鞍目 ナイトステージ [第15章]

 2008-01-11(Fri) 初級クラス 通算617/618鞍目
■新しい職場に変わって2ヶ月目。
必死になって仕事と家事と乗馬をこなしてきたけれど、だんだん足がもつれてくる。
当初の緊張感が緩んで体調は急降下の兆し。
特に、ストレス太りがさらなるストレスを生む。
長靴やキュロットがきつい、何か手を打たなければ…
■クラブに着くまでは、イライラ満載、毒気の充満した腐れ神のような精神状態なのに、いったん馬を目の前にするとすうと落ち着く。
馬はかわいいなあ。
■朝一番のひと鞍目は【チャンドラ・グプタ】
4%先生が下乗りをしてくださる。ありがたし。
【ときめき】【アウグスティヌス】【時鮭】の4騎部班。
■今日の課題は「もちぇさんは手綱の3番目が持てるように」
常歩でも正反撞でも駈歩でも、ひたすら手綱を気にする。
ふと気がつくと4番目を握っていたりするのが現状。
■下乗りのおかげで極端な左右差がなくなっている【グプタ】
それでも、苦手の右手前でむりやり右に向けようとすると、外に逃げていったり首を上げたり、歯ぎしりしたり。
すとんと落ち着く位置もあるのだが、ちょっとしたことで抵抗を示す。
かつては抵抗されたままなす術もなく、レッスン時間中歯ぎしりの音が聞こえていたこともあった。
今日は抵抗されたら、まん中で戻ってくるのを待つように心がけた。
「ほら、左右の手綱の間に戻ってくると楽になるでしょう【グプタ】くん」
馬がほっとできる瞬間を求め、大切にする。
うん、【グプタ】が戻ってくれる。それが、うれしい。

■ふた鞍目は5時限目。出直して用事を済ませてくる。
冬の夕方は寒く主婦層には忙しい時間帯なのだろう、人影がない。
【アウグスティヌス】で4%先生のひとりレッスンとなる。
■馬装をしている時は明るい昼間だったはずが、馬場に出ると薄闇が降りてくる。
「手綱はブラブラのままで準備運動しましょう」
蹄跡行進だけでなく大まかな方向転換は、手綱がなくてもできるようになったが、
「この横木を跨がせてみましょうか」と突然の提案。
「こっち、こっち」と横木のまん中に誘導し跨がせるのは、難しい。
カッコンと高らかに蹄があたる音。
ほえ〜、【アウグス】やる気無さ過ぎだよ。
細かな調整は、まだまだ先の話になりそう。
■「じゃあ、手綱は持たずに軽速歩いきましょ」
ここは、しっかり動いてもらおうじゃないか! とどんどん追っていく。
馬のリズムと自分のリズム。
私の方が馬よりも飛び出してしまったり、遅れて仰け反りそうになったり、微妙なすれ違いがある。
一定の気持ちよいリズムが刻めるよう、追ったり待ったりして一致点を探す。
右手前ではゴルフ場側の長蹄跡で内側に入ってきやすい。
「見せ鞭といって、内側に長鞭を持って馬の視界に入るようにしてみてください」とアドバイスがある。
よれてきそうな時は、鞭を見えるように動かして馬を牽制する。
リズムがだんだんひとつ所に収束してくると、
「馬場1周目は、左右の手綱をつないでいるバックルを持って」
「2周目は、ピッチマークの手元から1番目」
「3周目は手元から2番目」
と手綱を段階的に短く持つように指示される。
「マークの2番目までは馬にとっては変わりないと思いますが、その先のマークを持つ時は馬のペースを同じに保つようそっとね」
馬が走る事に夢中で気がつかないうちに、ハミが目を覚ましている状態になるってことですな。
そぉっと馬と手をつなぐ感触とでも言えようか。
なかなか風情がある。
■「次は駈歩にしましょう」
たっぷり軽速歩した後なので、すんなり駈歩になる。
「もちぇさん!駈歩でも手綱ブラブラにしちゃって下さい」
鐙上げ駈歩はやった事があるが、手綱放しちゃっていいのだろうか?と一瞬脳裏をかすめる。
まあ【アウグス】の駈歩は乗り心地いいし…
ウェスタンのルーズレインと同じようにね」と遠くから叫ぶ4%先生。
ううむ、【アウグス】一頭の時に限って「ウエスタンスタイルのように」と例えるのは、この馬は他の練習馬と気質的に何か違うところがあるのだろうか? 
持続するプレッシャー下で運動するより、キューとしての扶助のみの方が受け入れ易いんだろうか?
なんて、ちらちら考えながら手綱ブラブラの駈歩に乗る。
ちょうど周囲は闇に沈みだして、駈歩する馬の動きだけが浮かび上がる。
両脚と内側の座骨だけが【アウグス】とつながっている。
普通ではないか。まったく問題ない。手綱なんてなくても大丈夫。
「内側の入られ易い時は見せ鞭使って下さいね」と言われ、
駆歩しながら鞭の持ち替えをしている自分に気がつく。
あれー、駆歩しながら余裕で別のことができる。 
■「じゃあ、駈歩でも同じように段階的に手綱を短くしていきましょう」
そおっと馬と手をつなぐ。
馬の走り方が少し変わる。ちょっと近くに来てくれた感じ。
■「輪乗り」の号令。
左手前では外に膨らみがちになる。
「右に倒れたバイクを起こすようなつもりで、脚と手綱を使ってー」
単にぎゅうと押し付けて規制するのではなくて、よっこらしょと起こすつもりの方向と力(ベクトル)をもった脚の使い方をしてみる。
何だか、素直に姿勢を戻してくれる【アウグス】
「そうそう、それでいいです」
ううむ、押すとか蹴るという衝撃の大小だけではなくて、力の方向とか持続時間などのニュアンスも馬には通じるんだろうなあ。当然と言えば当然だが…
おもしろいなあ。
■この頃になると周囲は暗く、馬場を照らすライトの濃淡だけになる。
まるでステージに立っているような気分。
余計なものが目に入らないので、馬と自分だけに集中できる。
「では、速歩で隅角を丁寧にまわってみましょう」
「隅角で6mの巻き乗り」
「はい、もう1周、さらにもう1周」
くるくる小さな円を描く。
「外側でしっかり抑えて」
「内側で押し出していきましょう」
なんだか内方脚を中心に馬がまとわりついて回転しているような感じ。
「はい蹄跡に出て、次の隅角でも6mの巻き乗り」
馬場の4隅すべてで巻き乗りをして、レッスン終了。
■今日は、夜空の上で馬に乗っていたような気分。
手綱がなくても平気。解放された心持ちで駈歩に乗れた。
だからこそ、馬との細やかなやりとりの重みが実感できる。
馬には感覚も感情も意志もあるから、きちんと通じるんだ。と。


619鞍目 駈歩の山型乗り [第15章]

 2008-01-12(Sat) 初級クラス 通算619鞍目
■天気予報では、本日は開いた傘マークのパレード
未明のうちが最も気温が高く、日中はどんどん寒くなっていくらしい。
夏は革製品のアフターケアが大変であることに目をつぶれば、雨でも平気なのだが、
寒い時期の雨は厄介である。
風がないこと、騎乗後の手入れ時間が十分にとれることが最低条件。
濡れたり汗をかいた後に身体を冷やさないことが最も重要になる。
雨具や重々しい防寒具より、汗を吸収して発熱してくれる高機能アンダーとか騎乗後の放熱を防ぐウィンドブレーカーの方が役に立つと思う。
もちろん馬も同様に運動後の身体を冷やさない心配りが必要で、ぬれた馬体を拭いたり毛布をかけてあげるのは時に人間より優先すべきと感じている。
■配馬表を眺めていて気がついたのだが、雨が降るとビギナー枠はほとんどがキャンセルになる。
「その日は寒いから休んじゃった」とか「雨の日に乗る人がいるんですか?」と言っているうちは、ビギナーどまりなんだろうなあ。

■細かいミストのような雨の中、【山桜】に乗る。
馬場全面ハローをかけた直後のようで、美しい波目模様だけが広がる。
朝一番のレッスンなので【山桜】が最初の蹄跡をつける。
準備運動の常歩では、わざと第2蹄跡を歩いてよれてないかの確認。
「おわっ、よれてきた」と脚を使ったところは、かくんと蹄の跡がズレている。
脚に反応して肢の位置をずらしてくれているのがよく分かる。
だがその前に、よれないよう左右の脚や手綱を真直ぐに使えるようになるのが肝心なのだ。
■本日のレッスンはごんちゃん先生が見てくださる。
【毒うま】【アウグスティヌス】との3騎部班。
■高速馬【毒うま】と較べるから【山桜】は遅いだけ、扶助に敏感で素直に従ってくれる馬だから楽だと思っていた。
しかし、それって違うのかも…と感じるようになってきた。
と言うのも、どうにも手綱の手応えがもどかしい。
レッスンの半ばになって、速歩で中央線に入ったり巻き乗りしたりする場面で、
「なんだか馬ときちんとつながってないなあ、手綱が長いのかなあ?」
手元と見るとピッチマーク4番目。
もっと短く持たないときちんと動かせないと確信する。
これまで散々「短く持って」と注意されてきたが、「そうですかぁ」と指摘されたからわかるレベルで、自ら手綱の違和感を感じることはなかったのだ。
それが、今日はありありと「手綱が長くてもどかしい」と感じ、そして「【山桜】が前に出ていないからなのだ」と悟った。
動いてくれるけれど、前進気勢が足りない。
手綱を通して伝わってくるパワーがかぼそい。
うわーん、動いてくれる馬をさらに推進か…
■駈歩でどんどん動かして、ようやく手綱が短くできるようになる。
まさに〈押しと持ち〉だ。
「じゃあ、今度は速歩で」
「長蹄跡を2、3歩進んだら、内側の私のいる所まで斜めで入ってきて下さい」
「そして、ここからまた蹄跡に戻る」
「なだらかな山型乗りってことです」
「戻る時は、斜め横足の要領で蹄跡側に馬を押し付けるようにね」
ふむ、ふむ。
これは難なくクリア。
■「じゃあ、次はこれを駈歩でやってみましょう」
きゃほ〜、駈歩の山型乗りだ〜
各個運動で後ろから追い越しをかける時にやるワザだけど、これまで【毒うま】でしか成功したためしがない。
正規のレッスンメニューでやるのは、今回が初めて。
長蹄跡の2完歩は直進それから内側に入る。
内に入るのは、輪乗りに入るのと同じでちょっと外側を握って内側に重心をかけて、行きたい方を見るだけでよい。
蹄跡に戻す時には、
「外側をしっかり、内方脚で押して!」
「斜め横足を同じような扶助で」とごんちゃん先生。
あれっ、この感覚はおなじみ。
駈歩で内に入られた時に外に出そうとする扶助と同じではないか。
特に左手前は、いつになく外側がビシッと決まって、滑らかに一歩ずつ外に出ていく。
馬が内側を向いたまま横っ飛びで外に出ていく感じが気持ちいい。
「きれいに決まってますよ」
ところが、右手前になると
「うわっ私の外方手綱はどこ? どっちの脚を押し付ければいいんだっけ??」とバラバラ。
【山桜】のお陰で駈歩を続けたまま蹄跡に戻れるが、一歩ずつ外に出ていく感触はない。
■驚くほどの左右差。
右手前での外方は、ぶらぶらスカスカで何もない。
これだから、右手前で内側に入られやすいのか。
私の姿勢がまずい? 右に落ちて左に乗っているのか?
外方脚が前に出てきて内方脚が流れているのか?
原因はよく分からない。
それにしても、左手前のビシッと決まった感じと対比して、衝撃的な右手前の空虚さだった。
■駈歩の山型乗りは反対駈歩へのファーストステップだが、背伸びをして覗いた先では「まだまだ駈歩の修行が必要」と教えられた。
左右差なく、リズムよく、バランスよくまとまった駈歩ができるようになるまでは、さらなる練習があるのみなのだ。


620鞍目 [第15章]

 2008-01-14(Mon)成人の日 初級クラス 通算620鞍目
■この冬一番の冷え込み。
明け方の最低気温は −5.1℃ 
朝一番の馬装時は、まだ 0℃代の寒さ。
そう言えば、2年前の最高気温が0℃しかならなかった極寒の日にも馬に乗ったのだった。
馬の傍にいれば寒さはあまり感じない。
■本日のお相手は【ベルベットシート】
4%先生のレッスンで【毒うま】との2騎部班。
ビギナー用馬場が凍りついているので、変則的に初級は障害アリーナを使用する。
砂が深くて足元が不安なのか、いつになくふわふわの乗り心地の【ベル】
きっと肢をあげて歩いているんだろうな。
やる気のない時の引きずるようなべったりした歩き方に較べると10倍も気持ちいい。
■この【ベル】さん、先頭の【毒うま】の近くにいたいようで、わざと別方向に進もうとするとひどく嫌がる。
部班仲間の馬じゃなくて私とペアを組んで欲しいのに、困ったものである。
【毒うま】は高速馬で扶助に敏感に反応する馬だったので、いつも部班の先頭を務めている。
ところが最近、エンストを起こしたりと前が詰まる事態が頻発。
駈歩発進で待たせたり追突防止のために脇へ逃げようとすると、【ベル】は「なんなのー!」と内側に切れ込んで反抗を示す。
そこを「ちょっとダメじゃない!」「しっかり駈歩出してよ」と外方脚を強く使うと後肢で跳ねる。
ごめんごめん、拍車を後ろで強く使うのは【ベル】にとって「ひどく嫌なこと」だって知っていたのに…
以前のようにいったん反抗されたら最後まで引きずるということはなく、輪乗り半周ぐらいのうちにおさまるのだが。
「前の馬を追いかけちゃダメ」と言うたびに【ベル】と喧嘩になるのは、けっこう恥ずかしい。
■4%先生は、
「手綱が長くなっている時に反抗されやすいですねえ」
「それと、反抗した時はそのまま走らせるのではなくて、いったん止めるつもりになって下さい。」
「間違った方に行くのを阻止してから、正しくやらせましょう」
「その方が反抗に上手く対処できるようになりますよ」とアドバイスくださる。
そうなのかぁ、肩から逃げる時など、まず前に出さなければ正しい方向に向けることすらできないと何があっても推進が第一と考えてきたが…
今回の場合は、内に入ってきても後退しても、後っ跳ねしても、前に出そうと脚をぐいぐい使ったのがかえって悪かったか。
ただぐいぐいやっているだけじゃ、何が正しくて間違っているかをわかり難くしたのかも。
ううむ、【ベル】と仲良くやっていくにはまだまだ10年早いか。
■しかしながら、馬場のせいなのか駈歩速歩とも乗り心地がよくて、楽しい。
外側の手綱がビシッと決まって、人の重心が馬とぴたりとあって動けるのは、ほんのわずかな時間だけ。
すぐにぶれて逃げてつかまえるのが難しい瞬間。
でも、この輝くような瞬間をつなげて長くしていくのが、これからの楽しみでもある。
ああ、もっとたくさん乗れるようにならないかなあ。


621鞍目 [第15章]

 2008-01-17(Thu) 初級クラス 通算621鞍目
■朝、目を覚まして窓の外を見たら真っ白!
雪が積もっていた。
しかし、どんどん解けてきて、騎乗する頃には日陰に残るだけになる。
■本日は【山桜】がお相手をしてくれる。
【アウグスティヌス】と【青雲】との中初級合同クラス、3騎部班になる。
障害用アリーナで4%先生のご指導を賜る。
■【山桜】は、左に向きたがらない。
以前は左手前の回転運動等ができない状況になって初めて、左右差があるなあと自覚していたのだが、いまはもっと微妙な所で違和感を感じる。
左の内方姿勢をとらせようと思っても、内側に向きたがらず、外方の手綱に手応えがなくて内側だけがぎゅうぎゅうときつくなってしまうのだ。
「あ"〜 外側が心もとないよ〜 内側の拳を緩めてあげられないよ〜」
「あ"~気持ち悪過ぎる〜」
結果、輪乗りは小さくなるし、こまやかな扶助が伝わらない。
■反面、右手前は外がびしっと決まって、輪乗りの遠心力が外側のラインに沿って動くのがよく分かる。
手綱はマーク3番目を持って、内側を譲ってあげることもできる。
上手くいっている時は、手綱や脚の扶助が丁寧に細かくできるし、馬の反応をきちんとわかる。
ああ、それなのに、それなのに。
■どうやったら、向きたがらない左を向かせて、左内方姿勢をきちんととれるのか。
内方脚をかなり意識的にぐんと使うのが、最初だろうなあ。
ちょっと強めに押し出して、それを外方でうけて、内側の手綱で内側を向かせて、ちゃんと内方姿勢がとれたら譲ってリリースという手順だろうだあ。

■最近の〈内方姿勢の練習〉から学んだことは、内方姿勢がきちんと取れていると驚くほどスムースに馬が動くということ。
特に駈歩発進は、内方姿勢そのままの体勢からトンと離陸できるのだとわかった。
リズムの変わらない滑らかな回転やフワッとした駈歩発進、ストンと決まる下方移行など、どれもこれも内方姿勢があってこそ。


622鞍目  [第15章]

 2008-01-19(Sat) 初級クラス 通算622鞍目
■なんだかなあ、飛び石で騎乗していると積み重ねていく手応えがなくて困る。
平日のほとんどを馬に乗っていた頃は、「今日教わったことを明日検証する」という連続性があったのに今は「次は来週半ばまで馬に乗れない」という状態。
しかも「今日ダメでも明日があるから」という寛容さが減って、「今日しか乗れないのに」という焦りが滲み出してくる。
毎日のように乗れる人がうらやましい。
ああ、うらやましい〜。ねたましい。ちきしょー。
人をうらやんでも仕方ないと思いながら、めりめりと膨れ上がるマイナス感情である。
■本日は、4%先生が研修で不在。
2年ぶりぐらいにビギナークラスの先生にレッスンを見てもらう。
私のお相手は【山桜】、他の人が【毒うま】【アウグスティヌス】に乗って3騎部班。
■レッスンは、大まかな運動を一通りやってみるという感じで終始。
先生からは、
「軽速歩の手前を合わせましょう」
「駈歩で漕ぐように馬をおっている場面があるから、もっと力を抜いてそのまま乗って」と2点を注意される。ううむ、いまだに手前合わせが混乱しているのは、認める。
さらに【山桜】の駈歩を「もっと走って!」とせき立てているのも、認める。
誰が見ても、やっぱりダメな所は目につくのだ。
■今日の駈歩では、後ろから【アウグスティヌス】がすごい勢いで差してきていた。
【山桜】がいきなり駈歩を更に加速させて走り出したので、何事かと驚くと、まるで競馬状態の後続馬。
駆歩しながら後ろを振り向くゆとりがあったが、少し前の自分なら緊急停止ボタンを押していただろうなあ。
ただ、加速してからの【山桜】は、駈歩が前に出てくれて手綱も短くとれるようになって自由自在の領域に入る。
やはり、のったりと動いているだけではそれ以上どうにもならないのだ。
扶助に鈍感にならないよう、手綱や脚を使ったら譲ってゼロにもどすことを心がける。

■このところ、乗り心地が良くて操作性の高い状態になるのに、まったくの偶然を頼らなくてもよくなった。とは言え、結局は前進気勢がないとそれ以上何もできないのも身にしみてわかった。
上手な人達が、拍車や長鞭を必携している心情がわかる。
半年前なら「重くてほとんど動かない馬に乗るわけじゃないのに、枝の長い拍車をつけるなんて」と怒っていたのだから、おかしなものである。
私自身は、相変わらず先丸の一番小さい拍車をつけるのがせいぜい。
いまだに「脚を強く使おうとすると膝が上がってきますよ」と4%先生に注意されているレベルだから、馬への実害が少ないものを選んでしまう。
■何をするにも、馬を前に出さなければ始まらない。
これまでの「部班に遅れなければそれでよい」レベルではないのがつらいところ。
もっと前に、もっと動いて、もっと、もっと。
■私達が、ランニングシューズの履き心地の違いで、どんどん走りたくなったり、走るの止めたくなったりするように、馬たちも騎乗者によって軽々動けたり嫌になったりするのだろうなあ。
馬が走るのが楽しくなるような、そんな騎乗者バランスを身につけたいものだ。


福袋ふたたび [丁寧に暮らしたい]

 2008-01-20(Sun)
■昨年のお正月、開店前に到着していながら行列に並び損ねて福袋を逃した痛恨の事件以来、運にまかせる買い物は止めようと誓った。
馬具屋の福袋には手を出さなかったしセールだって(忙しくて…)行かなかった。
それなのに、とある馬具屋のHPを見ると欲しかったキュロットがほぼ半額セール中。
SSとかLLなどの人気薄サイズが残ってセールになっているわけではない、標準サイズもあるではないか。
ふと見るとアウターの「ハッピーバッグ」のお知らせも…
これならわざわざ出かける手間がいらないし、送料負担もない。
いったん冷めたギャンブル熱が再びかき立てられる。
■「ハッピーバック」に失敗しても、キュロットを正価で買うより安くつく。
こうなれば、「さあ行こう!」

■17日に注文を出して本日到着。
アウターのハッピーバック(福袋)は、ほとんど期待せずに箱を開けると…
えんじのブルゾン、プレスサーモ(人体からの水分を吸収し発熱する高機能繊維)のアンダー、何とも言えないTシャツにお店のロゴが入ったキャップ。
値札の合計は、6万円弱。
「ふーん」とブルゾンを手に取ると、ふたつの山を針が貫いているロゴ。
あれっ、これってアレキサンドロ・アルバネーゼ?
あのイタリアのおしゃれなブランドの??
いいのでしょうか、AAを福袋の中に入れて。
何年か前にこの馬具屋のカタログの表紙を飾った、あのえんじのブルゾンだった。
■着てみてびっくり。
かっこいい! シルエットもラインの入れ方もファッショナブルである。
あらら、アウトドア系のカジュアルさや制服系の堅苦しさとは違った乗馬ウエアがここにある。
あまりにも高価なので選択肢の中には存在しなかったのに、福袋のお陰で今や私のものだ!
■小市民のささやかな幸せ。
今年の買い物運は、かなり良いのかも。

関連記事:『並ばなくちゃダメだよ』:去年の苦い思い出


623/624鞍目 駈歩3湾曲お試し編 [第15章]

 2008-01-25(Fri) 初級クラス 通算623/624鞍目
■水曜日は氷雨にたたられてしまい、あえなく騎乗を断念。
このところ機会に恵まれていない。
■本格的に寒くなってきた今日この頃。
午前中は馬場がガチガチに凍りついていたらしい。
午後のレッスンでも日陰では固いままの場所があって、運動時には避けて通る。
本日のひと鞍目は【山桜】
ごんちゃん先生のひとりレッスン。
ドレッサージュアリーナを独り占め。
■【山桜】は午後からのお仕事シフトだったらしく、私が最初の運動担当になる。
「しっかり動かしてあげて下さいね」
最初は手綱を伸ばしたままのリラックスモードで常歩一周。
少しずつプレッシャーをかけてバイタルウォークまでもっていく。
そして軽速歩。
私が馬から跳び出したり遅れたりしないよう「一定のリズムで元気よく」と心がける。
駈歩まで流して、まだまだしっくりこない感じを残したまま本運動に入る。
■手綱は4番目から始めるけれど「3番目を定位置に持つべし」と脚と手綱のバランスを計る。
まずは、輪乗りから。
輪乗りを換えて、姿勢の入れ替えも。
内方姿勢は右手前の方が楽にできる【山桜】
左に向けるのにやや手こずる。
そして、速歩で3湾曲。
苦手な手前から得意な方へ換わる時は、あきらかに馬も人もほっとするのがありありと見て取れる。
馬が苦手なところを人が支えてあげるのは当然だとは思うが、人がその分苦しくなる。
苦しいから嫌だなあと抵抗感を持つのでなくて「まかせて!」と積極的にフォローに回れるようになるのはまだまだ修行が足りない。
練習馬の中でもっともオートマティクに運動してくれて、楽をさせてくれる【山桜】であるにもかかわらず、わずかな左右差に苦労してしまう今の自分の実力。
くうー、道のり遥かなり…
■今日もいつもの運動メニューだなあとタカをくくっていたら、赤いコーンが登場。
最初は何をするのかわからなかった。
「じゃあ、速歩で長蹄跡に入ったら(蹄跡の3m内側にある)このコーンの外側を通って蹄跡に戻りましょう」
これ山型乗りですよね。
「今度は駈歩で」
この間は背伸びをするつもりでちょっとかじったが、今日はひとりレッスンでこのメニューが入るのは、ちゃんと学べとのことなのだ。
まあ、わずかに長蹄跡の内側に入るだけなので追い越しをかけるつもりで楽に乗る。
「じゃあもう一度」
んん、短蹄跡から隅角を回り込んでコーンをとらえると、なんだかさらに内側に深くなっているような雰囲気。
あのコーンを回り込まなければと深く曲げると蹄跡に戻すのが大変。
蹄跡に戻りきらないうちに長蹄跡が終わってしまうので、やむなく急カーブをきって短蹄跡になだれ込む。
「うわ〜こんなに急回転の駈歩ができちゃったよ〜♪」と練習の意図とは違うところで感激してしまう。
「コーンを過ぎてから蹄跡に戻ろうと扶助を出すのではなくて、コーンを頂点としたカーブを走るイメージをえがいて下さいね」
「【山桜】には『大丈夫、そのまま走っていればいいから』と言いきかせながら駈歩のバランスを変えずに」と注文がつく。
逆の左手前の方が、あたふたせずに蹄跡に戻れる。
「そのまま、そのまま」
「コーンの脇を通るか通らないかのところで、外側手綱を心持ちしっかり張って内側の脚で押していってください」
「うーん、もちぇさんは左手前の方が上手ですね」
「右は内方脚が後ろに流れてきちゃうから、【山桜】はどっちが内方だったか確信が持てなくなって蹄跡まで帰れなくなっちゃうんですよ」
「じゃあ、また右手前でもう一度」
短蹄跡から隅角を曲がる所で、既にテンパってしまっている私。
しっかり深く隅角を回ることもできないまま、赤いコーンを目指す。
こうなると駈歩スラロームの風情。
ひょえ〜、次は右に行くつもりがすぐに左へ向わなくては、と、長蹄跡が終わってしまい、埒を避けるように右に急カーブを切る。
この最後のカーブはまるでその場で回転するかのような優雅な乗り心地。
【山桜】がぐぐっと縮まって、その場で足踏みするような雰囲気。
これまでならこんな急ガーブを切れば、馬と一緒に倒れ込みそうになるか、馬が首をあげてグギーと抵抗しながらむりやり曲がるかの野蛮な場面が必至だったのに。
先生の解説によれば、外側の手綱でしっかり支えているから馬は深い内方姿勢をとって急な回転も楽にできるのだそうな。
これが、外の支えがなければ、内側に倒れ込んできて最悪の時には人馬転になるか、はたまた急に内側を引っ張れば外の肩から逃げて膨らんで埒にぶつかることもあり得るそうな。
なんとか駈歩を続けようとしっかり外側の手綱を持って内方脚も使っているからできることなのだと教えてもらう。
「はい、もう一度」
「コーンのない長蹄跡を走らせている時は馬をリラックスさせて走らせて下さいね」
「短蹄跡を回り込むころから、ぴしっと気持ちを引き締めるように乗って」とごんちゃん先生の声がかかる。
「よしっ、いいリズムで蹄跡回ったぞ」とその先のコーンを探すと…
なに〜、中央線より向こうにある!
「遠いよー」と叫びながら、コーンの向かい側を回って蹄跡に戻ってこようとするが、こうなるとどっちが外方と内方になるのか完全に混乱してしまう。
こんなスカスカの扶助でも駈歩を続けてくれるのは【山桜】の愛があるから。
「取りあえず最初に指示された手前で何があっても駈歩を続ければいいんでしょう」と真面目にやってくれるから、形になるのだ。
普通の馬なら、とうに速歩に落ちている。
どんな風に乗ればいいのか混乱していると、
「【山桜】には『途中何があっても大丈夫だよ、そのまま駈歩を続けていればいいんだよ』と言い聞かせるように乗って下さいね」とアドバイスがある。
「じゃあ今度は…」とコーンをもうひとつ増やして、また別の場所に配置する。
「コーンの外側をそれぞれ回ってもらいますけれど、コーンの間に私が立っているところは蹄跡側を通り抜けて下さい。」
どうも全体の図形のイメージがつかないが、とにかくコーンと先生の間を大きく蛇乗りすればいいのだな…
駈歩でスラロームするには60mの馬場でも狭く感じる。
左右に行くぶんにはかまわないのだが、どっちが内方でどっちが外方かわからなくなって、外側のガチッとした支えがハラリとほどけてしまう感じ。
わけがわからん。
■レッスンが終わってから気がついた。
駈歩での山型乗りだと思っていたのは、駈歩3湾曲の準備だったのだ。
2番目の湾曲をだんだん深くしていって上手くできるようになったら、1、3湾曲目も形を付けていくという駈歩3湾曲のシークエンスをとにかく一通りやってみたというのが今日のレッスン。
【山桜】なのでわけわからん扶助でも、それなりに動いてくれて雰囲気が味わえるというお試し編だったのだ。
■「『反対駈歩の練習』と言うと皆さん、難しいことをするのだと緊張してしまって、かえってガチガチに力が入ってしまって上手くいかないんですよ」
「今日のように『そのままの駈歩を続ける』っていう気持ちで乗っていれば、バランスだけで馬はどちらにも動いていけますからね」とごんちゃん先生が楽しそうにおっしゃる。
うへぇ〜、これって駈歩クラスに進級したばかりの人の方が力が抜けていて綺麗なフォームだったり、初級クラスの最初で駈歩巻き乗りができたりするのと同じ原理ではないか!
変な所に力が入ると途端にできなくなるのだ。
イノセンス〉って求めて得られず、そこにある時には気がつかずという厄介なもの。
とにかく、駈歩3湾曲をやってみたことがあって、とりあえず湾曲は浅いけれど駈歩は続いたということだけは記録に残しておこう。

■ふた鞍目は【チャンドラ・グプタ】
【霧丸】と障害アリーナで2騎部班となる。
■【グプタ】の駈歩はやる気になると結構速い。
「内股の力を抜いてどっかり座って、腹筋背筋で支えて!」
「後ろに乗ってあげれば、首は下がってそれ以上速くなりませんから」とごんちゃん先生の声が飛んでくる。
よし、腹筋背筋使えと言われれば指示に従って動くことができる自分に満足。
特に怖いと思うこともなく平気でいられる。
■駈歩の左手前の回転がどうしても膨らんでしまい、無理矢理曲げると速歩に落ちる。
駈歩を続けるようにと勢いにまかせて曲がろうとしている自分に気がついて、3回目には外側の手綱を意識してみる。
内側の拳をゆずるようにして外側にしっかり力がかかるように駈歩に乗っているとすんなりカーブを走り抜けてくれる。
やはり駈歩も勢いではないのだ。
外方の手綱(ハミ)が鍵と見た。
■ひろいアリーナを思いっきり駈歩で走ったあとは、速歩も気持ちよく動いてくれる。
寒い日なのにしっかり汗をかいてくれた【グプタ】
楽しかったよ、ありがとう。

*** 追記 ***
■ごんちゃん先生のレッスンで稀に取り上げられる〈お試しエクセサイズ〉は、1993バージョンの第3課目の運動項目だった。
実力以上の背伸びをさせてもらうのは、今やっていることの意義がよく分かるという点でありがたい。
内方脚の位置とか外方手綱の重要性なんて、ただ蹄跡周回駈歩をしているだけでは切実に感じられないのだから。
中高年のスポーツは、上達の筋道とか基礎練習の意義とかを頭で理解してからでないと身体が動かない。
まあ、私が乗馬日記を書くのも、やっていることの意味を求めているからなのだが…
すっごい頭でっかちである。
身体が動かないから、しょうがないんだもん。


625鞍目 落ちることができない [第15章]

 2008-01-26(Sat) 初級クラス 通算625鞍目
■準備万端を整えまさに家を出ようとした時に、クラブから電話がかかってきた。
「馬場がカチカチに凍りついているので朝一番のレッスンができません」
「2時間目に振り替えて下さい」とのこと。
このクラブがオープンして4周年になるが、こんなこと今までにあったのだろうか?
今朝の最低気温は7時に−4.7℃。
水曜日の雨の後に寒波にみまわれるなど、諸条件が重なっているんだろうなあ。
■「すべてのクラスが障害アリーナでやりますよー」の声に、中級、初級、駈歩、ビギナーすべての会員が森の小径を抜けて馬と共に移動。
広いアリーナ全面にハローがかけてある。
横木で綺麗に区切って、それぞれのクラスの馬場がつくられている。
準備が大変だったろうなあ。スタッフのみなさんの頑張りに頭がさがる。
■本日のお相手も【山桜】
彼とは気心が知れているのでリラックスして乗れるのがありがたい。
初級は【チャンドラ・グプタ】と【ベルベット・シート】との3騎部班でごんちゃん先生にみてもらう。
冷え込んだ朝の最初のレッスンだから、なんとなく馬体が固い感じ。
部班先頭の【グプタ】などは真直ぐ歩かせるのにも苦労している様子である。
かなり上手なお嬢さんが騎乗しているのだが、馬を動かしてほぐしていくのは誰がやっても苦労するところなんだろうなあ。
■「じゃあ、駈歩」の号令にも散々もたつく先頭。
「【グプタ】は駆歩してほぐしてあげないと前進気勢がでませんからねえ」と声をかけているのが聞こえてくる。
真後ろに接近すると後ろ蹴りをするようになった【グプタ】を避けて、馬間を空けて常歩をする。
ううむ【山桜】でよかった。
他の馬なら駈歩を待たせているうちに前進気勢が衰えて発進困難になるのがオチなのだ。
■3頭同時駈歩にかなり無理が生じて、輪乗りで逃げたり蹄跡の内側を通ったりしているうちに【ベル】の後ろに付いてしまう。
「【ベル】に近づきすぎないで、蹴りますよ」と注意を受けた時には、既に後ろ蹴りの構えをする【ベル】のお尻が目に飛び込んできた。
うわ〜ん、そうだった。
接近して危険なのは【グプタ】だけではなくて【ベル】もだった。
と後悔先に立たず。
蹴りに驚いた【山桜】は反転して大きく逃げる。
私もバランスを崩して馬の首に乗ってしまう。
座骨もろとも鞍からはずれ体重の75%は左に落ちて、かろうじて馬の首につかまっている状態。
身体を鞍に引き上げようとするが踏ん張る所がない。
もしこれでもう一度馬が暴れたら、危険だなあと考えてしまう。
「もう落ちますね」と地面に落ちるつもりになるが…
落ちるためには腰より高い位置に右足を持ってこなくてはならない。
残念なことに右脚は鞍の向こうにあって腰よりも低い位置でしがみついている。
そうか跨がっている以上、くるぶしが腰よりも高い位置にこないと左右に落ちる事はできないんだ。
「まだ首に乗っているの〜重いんだけど〜」という【山桜】の心のつぶやきが聞こえてくる。
ええい、なんとかして身体を起こさなければ!
びったり左側の頸につけていた頭を必死に起こして、馬の右側につける。
頭を右下に落とすつもりで肩、腕、胸を右側に移動させる。
ようやく鞍の上に上半身が戻ってくる。
ふうぅ、時間がかかってしまった。
「いやはや、とんだ失態。お恥ずかしい所をお見せしました。」と赤面しきり。
■落ちなかったという安堵感もさることながら、くるぶしが腰より高くならない限り落ちないとわかってひとりおもしろがる。
地面に向って手を差し伸べ、頭を下げてむりやりズリ落ちる方法もあるけれど、それって「怖いから降りたい」という衝動に動かされてのこと。
馬の上に残りたい身体を起こしたいと思っているなら、かなりバランスを崩しても大丈夫らしい。
■後ろ蹴りに驚いての事件だっただけにドキドキもせず、そのままレッスンを継続。
なんだが図太くなったなあ。
いや、【山桜】なら大丈夫という安心感があるせいだ。
■駈歩は蹄跡行進と輪乗り。
隅角や輪乗りでは、ふたつ先のポイントに目を向ける。
かつて4%先生にしきりに注意されていたことなのが、今になってその必要性を実感する。
自分がどんなカーブを描きたいのか、それがわかっていないと馬を曲げていけない。
左手前駈歩だと、内方脚を押し付けて馬を外側に押し出していけることを実感。
それなのに右手前だと脚で馬を押せない。
「もちぇさん、右の内方脚をもっと前に!」とごんちゃん先生から声がかかる。
踵が上がって後ろに流れてしまう右脚。
まずは鐙を探って指の付け根で踏みつける。
駈歩のリズムに合わせてぐうーむぐうーむと踏み込む。
「そう、それで良くなりましたよ」とごんちゃん先生。
右の鐙を踏み込めるようになると、右脚が生き返る。
どうしてなんだろう? 
もしかして右に傾いて乗っているかも…
体重が左に落ちているかも…
とすれば、馬の外側の耳の先に進行方向を見るようにしようか。
真直ぐまん中に傾かずに乗るようにしなければ。
これまでにいろいろな先生に注意されてきたことが、一気に蘇る。
駈歩が怖くて乗るのが精一杯だった時には吹き過ぎる風の音に等しかったのに、今になってその時の先生方の口調そのままに聞こえてくる。
脚位置の左右の違いが馬に伝わるように。
内方脚をもっと前で使って。
外側の手綱を緩ませないで。
内方を拳をゆずって。
内側に人が倒れてこないで。
■一歩毎に馬の雰囲気が変わる。
前後左右のちょうどいいバランスの中心を探すように。
もっと後ろに。
持ちと押しを意識して。
ううむ、天秤ばかりにそっと重りをのせるような気持ちで前を持ってみる。
その分馬はもっと前へ。
ふわんと上に浮き上がったり、ずるっと前に滑り出したり、ぴたりと中心で安定しない。
「速歩〜」の号令。
今日はここまでか。
■気分爽快とか気持ちいいとかとは、ちょっと違う。
ひどく神経を使うけれど、ものすごく面白い作業だった。
■公道沿いのアリーナなので、馬が何頭も元気よく運動しているとかなり目立つらしい。
車を止めて埒沿いで見学している家族がいる。
近くを通り過ぎる時に挨拶をすると「かっこいいなあ」とおじいちゃんらしき人がしきりに感嘆している。
まさか、さっきの落馬未遂は見てないですよねえ。
心配になってしまった。


626鞍目 [第15章]

 2008-01-27(San) 初級クラス 通算626鞍目
■今週は日曜日も乗る。
冷え込みは厳しいが、日差しが降り注いで気持ちのいい冬の休日。
そんな日はクラブにやってくる会員の数も多い。
静養中の馬がいるので人気のある馬たちは一日5鞍をこなしている。
これまでは、騎乗者が集中すると馬が過重労働になるからと休日に騎乗することは避けてきたけれど、平日に乗れないのでは、そうも言っていられない。
あーあ、「馬たちがかわいそうだから」なんて結局センチメンタリズムでしかなかった。
「乗りたい」という自分の欲求が優先してしまっている。
結局、自己中心的な発想で行動する輩のひとりに過ぎなかった自分。
■今朝の最低気温は−5.3℃だったが、馬場は凍りつくことなく朝一番のレッスンは無事開催。
私は【ベルベット・シート】の背を借りる。
【山桜】と【チャンドラ・グプタ】の昨日と同じ組み合わせの3騎部班。
うーん、今日も同時駈歩は難しそうだなあ。
■障害アリーナは、連日のハローがけで隅々まで整備されている。
これまで砂が深かったり轍が残されたままのラフなアリーナで運動していたのに較べると、非常に気分がいい。
早朝から整備のために働くスタッフの苦労がうかがわれるが、利用者にとっては、凍結という災いが転じて馬場のコンディションが良くなる福をもたらしくれた。
■最初というのはどの馬も身体を動かすのが大変なのだろうか?
あの【山桜】でさえ、どんよりくねくねと運動している。
こうなると馬を気持ちよく前に動かすために細心の注意を払わなければと、気持ちを引き締める。
部班の馬が揃って馬装点検が終わるまでは4%先生が特に指示をすることはないが、ただ漫然と常歩しているわけにはいかない。
馬の動きを邪魔しないように後肢の運びにあわせて座る。
もっと動けと馬を無視して勝手なタイミングで扶助をだすと馬のやる気を削いでしまう。
ブランコの背を押してやるように馬の動きにあわせて「そうそう、そこをもうちょっと」と押してあげる。
【ベル】がリラックスしてすうと前に出たときには「いいねえ」「すばらしいねえ」と声を出してほめる。
何かに気を取られて肢運びが鈍くなったときには、舌鼓で注意喚起、それでもダメなら脚でトン。
女の子の【ベル】は、こんな自主性を尊重したほめて伸ばす扶助にはしっかり応えてくれる。
時に右の内側に切れ込もうとするけれど、手綱でこねこねしない。
拳を揃えて、内側から押しながら外の手綱をしっかり持つ。
ちょっとでも内に張り出した肩を引っ込めたら脚をゆるめて、押し手綱に使っていた内側の拳も緩める。
なんだかね、内方拳を緩めるのは内方姿勢の天才と呼ばれる【ベル】にとって絶大な影響力がある。
内側向いたら緩める、回転に入ったら緩める、駈歩発進前に緩めるetc.
速歩の運動は、驚くほど滑らかに動いてくれる。
■駈歩はやはり前後を気にして同時に走ることができない。
【ベル】が立ち止まって後ろ蹴りの準備をしている気配に頭を抱える。
速歩まではあれだけ集中していたのに、駈歩はダメだなあ。
「【ベル】は後ろにつかれるの気にするようなので、他の馬と別にやりましょう」と分割練習。
「手綱はもっと短く」
「内方の手綱をゆるめて」といつもの注意が飛ぶ。
■最後に2課目の並足から輪乗り駈歩を出すパート練習をやってみる。
発進の外方脚の扶助が強すぎるのか、ぶひっと跳び出すような駈歩になってしまう。
もっとふわっと発進させたいのにロケットダッシュになる。
内方姿勢がきちんととれていないのか、外方脚の扶助がガザツなのか、自分ではよく分からない。
■最後の講評で4%先生は
「馬は乗る人のバランスを映し出していますから」
やっぱりねえ。昔から【ベル】の速歩とは相性がよかったから。
反面、駈歩はいつもどこかに緊張感があって知らず知らずのうちに固くなってしまう。
「馬は敏感に感じ取りますよ」
言葉で表現できる意志とか意識の領域ではなくて、雰囲気とか無意識の部分が大きな影響を与えているんだろうなあ。
腰の据わった信頼の置けるリーダーの雰囲気って、あとどのくらい乗ったら身に付くのだろう。
先は長い。  


627/628鞍目 パズルがはまるように [第15章]

 2008-01-30(Wed) 初級クラス 通算627/628鞍目
■ひと鞍目は【山桜】
【青雲】と合同クラス。
4%先生のご指導を賜る。
■わが愛馬【山桜】なので、あれこれ悩まされることなく起動が可能。
〈元気よく推進して手綱でコンタクトをとる〉を目指す。
馬が動いてそれが手綱の感触にまでつながらないと、前後左右に自由に動けないということが身にしみてわかる。
というより、これまでよくも手綱がスカスカのままで動かそうとしていたなぁと思う。
クラッチのつながっていない車で走っているようなものなのだから。
■手綱を短くもって、外側の手綱に常に張力がかかるよう神経を使う。
そこに4%先生の声、
「手綱は3つ目を持ちましょう」
「今は、薬指が3つ目のマークのところにきていますが」
「動かすうちに親指と人差し指でマークをはさめるようにね」
ほえ〜、そうきたか…
普通に乗っていると、マーク4と3の間を持つ長さに落ち着く。
そこを努力して短めに持っているつもりなのだが、さらに短くとの仰せ。
もっと【山桜】に動いてもらわなければ。
■〈手綱マーク3を死守〉とばかりに、腕が伸びても手綱を握っている場所は動かさない。
馬に持っていかれないようにするには、腹筋背筋総動員。
スピードは充分でも馬エンジンの回転数を更にあげなければならないので、脚も必要。
見た目には身体を動かしていないけれど、筋肉は等尺運動を強いられる。
くう、もっと力が欲しい〜
時に「ふうぅ」と【山桜】が前に出る。
「どしたの?」と馬に尋ねる。
長鞭の先が馬の腰に触れた感触が手に伝わる。
「えっ?これだけでわかるの?」
お恥ずかしながら、これまで長鞭を使ってきて、腰に触れただけで馬が反応した経験はなかった。
いや、長鞭の先がどこにあたっていたかすらわからなかったのだ。
動かない馬を叱りつける意味で力まかせに叩いていたのが現状。
手首のほんの小さな動きで鞭の先が馬の腰に触れるためには、鞭を握る拳の位置がかなり限局されるのではなかろうか。
これまで鞭を振っても馬にあたっている感触なんてなかったのに。
不思議だ、パズルが次々はまるように〈あるべき姿〉が生じる。
■まだ少し自分の姿勢が前にもっていかれているが、鏡で見ると馬の鼻梁は真直ぐになっているし、「これでいいかなあ」と判然としないままいると、
「馬の首をもう少し起こして乗りましょう」と4%先生から声がかかる。
首を起こせなんて、初めて聞くリクエストだ。
やっぱり、もう少し近くに来てもらわなければ。
「脚で推進して起こしてあげて」
たしかにこの位置で乗る方がバランスが起きて、停止や回転が楽な気がする。
しかし推進のための等尺運動。静かなる激闘である。
■回転も駈歩発進もすべて外方を基準とする。
「駈歩」の号令を聞いたら、まず外方の手綱にテンションがかかっているかを確認する。
4%先生は「内方姿勢をとらせて」と表現するが、内方を引っ張って内側を向かせるイメージを持つと逆のことが起る。
内方をあえて譲ってあげる方がかえって外側にがっちりコンタクトが取れるような気がする。
そうやって駈歩をだすとスポンと上にあがるような駈歩になる。
【山桜】との駈歩は山型乗りの練習をしてからというもの、前に進みながら左右に動かすのもできるようになってきた。
「隅角をもっと深く」とか「斜めに手前を換え」という号令に勢いまかせではなく、かなり意図的に操作できる。
特に斜めに手前を換えなどの小さな回転は、あえて内方を譲ると強烈に外方の規制が効くという感触を得る。
ううむ、「外方が緩むから内方がきつくなる」と注意されてきたが、逆を言えば「内方を譲れれば外方を効かせられる」ということなのかもしれない。

■ふた鞍目は【アウグスティヌス】
駈歩クラスとの合同レッスン
調子がよくて右回りが苦手なことをすっかりわすれていた。

■駈歩輪乗りから巻き乗りへが途中でビタ止まりされてしまう。
がっくり…

続きは後ほど


記事一覧 2008年1月 [目次]

 2008-01-30  627/628鞍目 パズルがはまるように
 2008-01-27  626鞍目
 2008-01-26  625鞍目 落ちることができない 
 2008-01-25  623/624鞍目 駈歩3湾曲お試し編
 2008-01-20  福袋ふたたび
 2008-01-19  622鞍目
 2008-01-17  621鞍目
 2008-01-14  620鞍目
 2008-01-12  619鞍目 駈歩の山型乗り
 2008-01-11  617/618鞍目 ナイトステージ
 2008-01-09  615/616鞍目 できるなら、もっと短く
 2008-01-05  【ベルベット・シート】
 2008-01-04  613/614鞍目 帆を張れ

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