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【ときめき】 [アルバム]

【ときめき】こと【ウキウキ】です。
誕生日:2002-04-07 生産地:北海道
父:ヤマニンゼファ 母:イガノアリサ
2006年に競走馬【イガノウキウキ】を引退して乗馬になりました。
障害馬として活躍しています。

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扶助に素直で小回りがきくので部内競技会ではお世話になりました。
初級馬場クラスではあまり出番がなく、騎乗数は少ないのですが新馬3人組として思い出深いです。

653/654鞍目 他山の石 [終章]

 2008-03-01(Sat) 初級クラス 通算653/654鞍目
■3月になった。
小鳥のさえずりとか満開の紅梅の枝に、季節の移ろいを感じる。
「暖かいねえ」
明るい空の下でまさに乗馬日和。
■本日のひと鞍目は【ときめき】が配馬されている。
3ヶ月ぶりのお相手となる。
我がクラブの最年少【ディープインパクト】と同じ世代。
部内競技会のスラロームで2位になったのは彼のお陰だったなあ、などと思い出が押し寄せる。
■馬装しようとして背中触れると、ピクピクと激しく震わせる。
ああ鞍傷ができている。
「穴あきのゲルパットを敷いてくださいね」と言われるが、私はこんな状況に対して精神的に弱い。
すでに及び腰。
人に言わせれば、鞍をあわせて馬装し腹帯をきちんと締めれば傷にはあたらないのだから、変に遠慮して乗る方がかえってよくないらしい。
でも、ナイーブと言われようが、軽速歩でブレないように軽く乗ることを最重要に考える。
レッスンは【山桜】【ムーン】【チャンドラ・グプタ】の4騎部班。
初級馬場でごんちゃん先生がみてくださる。
レッスン内容は、ひたすら蹄跡周回しながら人の姿勢の矯正となる。
さいわい部班先頭を仰せつかったので、
私はひとり黙々とバランスよく一定のリズムで軽く乗ることを目指す。
普段たっぷり指導を受けているので、ごんちゃん先生は他の人達の指導に余念がない。
後ろから聞こえてくるのは、
「右のつま先が外をむいてます」
「脚の付け根を伸ばして乗って」
「腿の前面や足首には力をいれないで」「鐙にそのまま足をのせているだけです」
「どちらかをいえば腿の裏側からふくらはぎの後ろ側を意識して」
「脚で一番力が入るのはアキレス腱の少し上のあたりですよ」
「お腹に力がはいるとかえってポンポン跳ね上げられてしまいます」
「どっしり座って馬の後ろにバランスが集まるようにしましょう」
「馬が口を閉じているのが手綱から感じられますか」
「手綱が手と一緒に動いたり、キツすぎると馬は口を開けて逃れようとしますよ」
と、いろいろ。
これまで私が注意されてきたことばかり。
何百鞍ものって身体が慣れてきたこともあろうが、何かをしようと力が入ることがすべてを台無しにしてしまう。
そこにあるまま自分も同じように動く、微妙に小さく動いて最も楽になる所を探すというのが極意かも。
丸い水準器の十字の印に水泡をあわせるような気分。
「なにくそ」と大きく動いてしまうと水泡がどこかに飛んで行ってしまってあわせることすらできない。
微妙に動く水泡の動きを眺めながら、そーとそぅーと中心をあわせていくのだ。
■【ときめき】はすぐに焦ってしまってタッタカタ〜と走り出すイメージがあったが、
今日は至極落ち着いていい子でいてくれた。
駈歩も出るまで後ろで待っているとちゃんと発進してくれる。
一生懸命になって走ってくれているのが伝わってきて「健気だなあ」とホロリとしてしまう。
かつて【めっきー】のピッチ走法の駈歩が怖くて、走り出してもすぐに止めたい気分になっていたのが信じられない。
「今日は君がいちばんいい子でした」とごんちゃん先生にもほめられて、うれしそうな【ときめき】だった。

■ふた鞍目は【山桜】に乗せてもらう。
お天気のいい土曜だからすべての馬が稼働している。
初級クラスは、広いとは言えない馬場に5騎部班となる。
【ベルベット・シート】【アレフ・ゼロ】【時鮭】【ときめき】と一緒となる。
■ごんちゃん先生は、ひと鞍目と同じように蹄跡周回をメインにして、馬とコンタクトをとることを課題にするようだ。
【山桜】と私は、目を離しても取りあえず安心組〉あつかいで、皆と同じ運動しながら自主トレ。
またもや、後ろから聞こえてくる他の人馬に指導する先生の言葉を聞きながら耳学問を深める。
■障害をメインに乗っている人たちの駈歩姿勢の矯正が話題の中心となっている。
「脚の付け根を伸ばして!」
「脚を曲げて身体を倒して乗るのは飛越時の姿勢です」
「普通に走っている時はもっと脚を下に、重心を下に、馬の後ろバランスがくるようにしましょう」
「あおらないで!」
ここは他の人馬の観察で勉強しよう。
確かに前に荷重してドカドカ乗っていると前肢だけが空回りしているような感じになってくる。
これじゃあ、馬が体を持ち上げて飛越するのは難しいだろうなあ。
「障害に向ければ飛んでくれる馬に乗っているうちはいいんです」
「でも踏切があわなければ飛んでくれないなど癖のある馬では、馬を飛び越して落ちてしまいますよ」
ふーん、駈歩にどんどん乗っている障害クラスの人達をすごいなあという目で見ていたが、
駈歩にただ乗っているだけじゃやはりダメなのだ。
馬場でも内方姿勢とか外方の規制をきちんとしながら駈歩することを求められるが、同じようなものだな。
■【山桜】との駈歩は、昨日のこともあって自覚をもって乗る。
馬が内方の口から進んでいけるよう、馬の先を走らず出口を開けて「さあ一緒に行こう」とエスコートする。
もっと細やかにもっと鮮明に【山桜】のことを感じ取りたい。




【チャンドラ・グプタ】 [アルバム]

【チャンドラ・グプタ】こと【ごんた】です。
誕生日:2000-03-22 生産地:北海道
父:サッカーボーイ 母:ミツワロード
2006年に【ミツワトップボーイ】としての競走馬生活を引退して、クラブにやってきました。
何事にも動じない落ち着きと柔らかな反撞が持ち味です。
右手前が苦手でしたが、蹄の調整や息の長いトレーニングで克服しつつあります。
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とにかく可愛いです。
「ったく!」「オラオラ〜」という苛立ち感情をぶつけると萎縮したりギリギリ歯ぎしりするのですが、「ごんちゃん、わかる?」「がんばれ〜」とやさしいお姉さんタイプでリードすると「ぼく、頑張る!」と健気に運動してくれます。
クラブに来た時、名前を公募したのですが候補にあがったのが【イナバウアー】だけ。
「それじゃあんまりだ」としばらく名付けを延期しているうちに、
名無しの権兵衛こと【ごんた】が定着してしまったらしいです。

【ムーン】 [アルバム]

【ムーン】こと【ウォーレン・ムーン】です。
誕生日:1987年 生産地:ベルギー ダッチブレッド
正真正銘の外国産馬、往年の名障害馬だそうです。
障害も飛ぶし、中級クラス上位の馬場馬術のお相手もできるすごい馬。
馬体が大きく体重の重い人も支えられるから【舞の海】を乗せた経験もあるとか。

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乗り心地は、セカンド発進のメルセデスベンツです。
さっと加速してキュッと曲がってピタッと止まるシビック並みのサラブレットとは違いました。
乗るよりも馬房から顔を出している彼にニンジンをあげることのほうが多かったです。


655鞍目 基礎を固める [終章]

 2008-03-02(Sun) 初級クラス 通算655鞍目
■おお、暖かい。
春ですなあ。
クラブのメインメンバーがほぼ集結している。
■本日は【チャンドラ・グプタ】がお相手。
相方の男の方が【山桜】に乗って2騎部班レッスン
■うわ〜、男の人の強い乗り方だと朝の一番目から【山桜】が動いている。
それにしても馬たちは、体重も脚の長さも力も違う人間を乗せて、よく混乱せずに頑張っているなあと思う。
■ごんちゃん先生のレッスンは、このところ〈馬の体勢〉と〈馬とのコンタクト〉がメインになっている。
「【グプタ】に『こっちにおいで』とすこしずつ呼び寄せてください」
「拍車や強い脚で追い立てるよりも、深い座りで押していく方が【グプタ】は納得して前にでます」
馬が納得して首を下げてリラックスしているところに、さらにこっちこっちと内方姿勢を取るよう身体を丸めるように呼びかけると「ん?」と柔らかくなる瞬間がある。
そんな時には、自分の座骨が速歩のリズムに合っていることがしっかりとわかる。
【アウグス】や【グプタ】など反撞の柔らかい馬にのっていると、特にわかり易い。

■ごんちゃん先生は、残り少ないレッスンを、今後どこに行っても通用するよう基礎をしっかり教える時間としてくれているのかも。
馬と自分がしっかり語り合える時間になっていることが、うれしい。

■レッスン後、【山桜】の歩様がなんとなくおかしいらしい。
「大事をとりましょうか」と配馬を変える4%先生の声を聞いて、ドキッとする。
【山桜】よ、君が心の支えなのだ。
どうか元気でいてほしい。

656/657鞍目 重い馬&軽い馬 [終章]

 2008-03-05(Wed) 初級クラス 通算656/657鞍目
■クラブの閉鎖を告知されてから、仕事のない日はすべて騎乗する日にあて、
しかも鞍数は仕事をしていなかった時よりも多くなった。
季節柄、免許更新やら確定申告などに時間をとられると、日常生活がまわらなくなる。
足がもつれて倒れそう。
「もう限界だー!」と叫んでみる。
しかし、カレンダーを見れば騎乗できる日はあと数回。
終点が見えてきているのだ。
エンドステージ
家庭崩壊しようが仕事の効率が落ちようが、最後に向ってなだれ込むだけだ。

■本日の配馬は【とら】ちゃん。
休馬日明けの最初のレッスンなので4%先生が下乗りして、馬をほぐしてくださる。
「おお、左右差がほとんどないぞな」
前回のかちかちの右に向けない【とら】とは別の馬のようだ。
【青雲】【アレフ・ゼロ】【時鮭】との4騎の合同クラス。
■【とら】は重いと誰もが言う。
この〈重さ〉は、〈常に推進しないと失速して、思い通りの方向に行けなくなり乗り心地も極端に悪い〉と思っていた。
しかし、違うかもしれない… と感じた今日のひと鞍。
■馬に「頑張って前に行って」と強いメッセージを出すことは最低限必要だが、
くっと手綱を持ってしまうと進まなくなる。
だから、首が曲がっていて内側に切れ込むからと言って手綱でなんとかしようとしたとたん、エンジンの回転数が落ちてしまう。
しかも「ごめんキツい手綱は嫌いだったね」と手綱をゆるく持つとコンタクトが途切れてしまって、また前に出ない。
手綱でつながる範囲が非常に狭い。
コンタクトがつながって馬に振り切られるまでの狭くて気まぐれな範囲に手綱の張力が収まっていると、そこに向けて馬が進んでいくような感触になる。
■部班の準備運動では、駈歩発進すらごねられて回転運動もろくにできず、私の息切れだけがひどくなっていく。
花粉症による鼻水と涙の応援もあって、騎乗者自身が長距離レースを走っているような気になる。
「脚で出ないなら鞭をどんどん使って」と言われるけれど、勢いでイケイケどんどん煽るのではないはず。
■中級者が反対駈歩の練習をしている間、輪乗り常歩で待機しましょうと指示がでる。
常歩は休み時間じゃない。
焦らずに馬を自分が向き合える貴重な時間。
手綱でつながっている状態を安定して維持できるよう、やりとりをする。
駈歩まで動いているので、レッスン初めの常歩に較べるとずいぶん肢の動きが大きくなっている。
この大きな動きを手綱で邪魔しない。
右手前内側に切れ込んでくる時は、外方の脚と腕がだらりとカーテンのように垂れ下がっているイメージを持つ。
「外側の座骨を馬の背骨に寄せるようにして内方の脚を長く伸ばすように」
内側の手綱は、拳を馬の首の付け根に押し付けるようにだけ使う。
ギリギリまで外に押し出した所で、ちょっと強引に「右側向いてよ」と内方の拳をくいいと引っ張ると苦手な右側にもしっかり向いてくれる。
「止まれじゃないよ」と内方脚でポンと押し出せば、外方の手綱に張力が残ったまま内側に何となく向いたままでいてくれる。
馬が飽きないように、時に強く脚を使って手綱も強めに持ってみたり、苦しくなりそうな時には前をすうと楽にして脚もドンと使ってどんどん進めてみたり。
「じゃあ、巻き乗りやってみる」と回転をしようとすると、左手前で全然曲がれなくて「これまでのやりとりは何だったの」とガックリ来てみたり。
また最初からやり直して、回転に入る前の外方手綱での「くっ」の合図を忘れずにできると曲がってくれたり。
とにかく待機時間中は語り合う時間に使う。
■と、「次は【とら】で」と呼び出しがかかる。
すぐに反応できるから気持ちいい。
「まず、右手前」
「輪乗りで駈歩2周したら、蹄跡まわってあちらから斜めに手前を換えてまん中で速歩、蹄跡に出て常歩へ移行」と経路のパート練習。
駈歩発進はもたつくが、最初の頃の重さは影を潜めてスムースに動く。
左手前は駈歩が蹄跡に出た所で速歩に落ちて、再発進できずに速歩のままになってしまった。
ちょっと残念。
最後に右手前でもう一度駈歩で斜めに手前を換えて下方移行をやって、なんとか完遂。
■「重い馬」って言われているが、
【とら】はぎゅうぎゅうキツくならない安心できるハミがないと前に出ていけないのかも。
【アウグス】なら多少キツくても我慢してくれる所があるが、彼の許容範囲はかなり狭いのだろう。
騎乗者が落ち着いて常歩でやりとりするとその後の雰囲気が良くなる。
私の駈歩のバランスがもっとよくなって手綱が安定すれば、もっと楽に駈歩させてあげらるだろうに。

■ふた鞍目は【毒うま】
ベルベット・シート】【ときめき】との3騎部班。
ビギナークラスの先生に見てもらう。
■【とら】と反対に、この馬は手綱を少しでもキツく持つとどんどん加速してくる。
しかも、首をあげるので制御不能に陥りやすい。
この馬も、キツくならずでもぶらぶらにならない糸のように細い許容範囲のコンタクトなのだ。

馬の軽重を脚の推進(邪魔しない騎乗バランスも含めて)という側面だけで見ずに、手綱のコンタクトの許容量にあわせると考える必要もありそうだ。

続きはまた後ほど。







【毒うま】 [アルバム]

【毒うま】君こと【ウィングル】です。
誕生日:1994-05-29 生産地:北海道
父:レジェンドテイオー 母:ホークミドリ
毒うまってひどい名前だと思います。
彼に非はありません。
ただ、彼になめられるとヒリヒリ痒くなってくるので、自分への注意喚起の意味があるだけです。
羽のように軽くあっという間に加速していきます。
「風が吹いたら【うぃーうぃー】が飛んで行く」と揶揄されたときもありましたが、イヤーネット装着したり経験を積むようになってからは、ずいぶん平気になりました。
彼の熱烈なファンがいて、ニンジン林檎メロンに柿と豪華なおやつに恵まれています。

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かっこいいです。
初めての馬洗い実習は彼にお世話になりました。
静かに立ち続けてくれて、顔をタオルでふいたら気持ち良さそうな表情をしてくれました。
「おやお前、気持ちいいの?」「そう、よかったねぇ」という教官の声が思い出されます。
この時から馬洗いが好きになりました。

【とら】 [アルバム]

【とら】ちゃんこと【トライアンフ】です。
誕生日:1997-05-18 生産地:北海道
父:サクラユタカオー 母:サクラミラクル
JRAおよび地方競馬で【サクラアヴェ】として活躍後、乗馬となる。
歩様が非常に綺麗で馬場馬としての将来を嘱望されています。
が、ものすごく怖がりなところが玉にきず。

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風に吹き払われたような流星が目印です。
本気で動いたときの速歩や駈歩はすごいです! 
私の実力では、本気になってもらう前に体力を使い果たしてしまうのがくやしいところ。

658/659鞍目 重力に対しての動き/失って得るもの [終章]

 2008-03-08(Sat) 初級クラス 通算658/659鞍目
■昨日の途中下馬速攻帰宅に心がじゃりじゃりとしたまま。
乗り心地がおかしい、歩き方がおかしいって騒いでみても、その原因を作っているのは自分じゃないか。
「最後だから乗れるだけ乗ろう」と考えるのは誰もいっしょ。
皆が押し寄せるから、結局馬たちは過重労働になる。
自分もその一員なのに、力まかせに乗っている人をみると腹が立つ。
レッスンの合間にハミも外さず、口を湿らせてあげたりねぎらいの素振りもなく、馬をほったらかしにする人を見るとこれもムカムカしてくる。
「みんな大嫌いだー!」と心の中でひとり毒づいている。
なるべく人づきあいから遠ざかるようにして、沈黙を守るのが精一杯。
下手に一緒にいると「これで最後だから」と面と向って批判しかねない自分がいる。
「これまで黙って我慢してきたけれど、これが許せない、ここが嫌だ」と切れそうになる。
困ったものだ。

■心の中は砂埃でじゃりじゃりしているが、空は明るくまさに春。
いよいよ花粉症の鼻水攻撃が始まった。
本日のひと鞍目は偉大なる【アレフ・ゼロ】
ごんちゃん先生のご指導で【とら】と【アウグスティヌス】との3騎部班。
スピードのある【アウグス】が先頭だったのに、いつもの立ち止まり後退あらぬ方向に進むといった反抗が頻発して、【アレフ】が先を行くことになった。
後続の【とら】も激重の様子なので、安心して葬送行進と見まごうスピードでいく。
■とにかく馬の邪魔をしないことが第一で、前に進んで欲しいという意図を伝え続ける。
上半身で漕がないように」
「人の体は馬の後ろで待っていてあげて」
「馬の動こうとする気持ちやリズムを感じ取って」とごんちゃん先生の注意が飛ぶ。
そう、自分の焦りや苛立をぶつけることなく馬の動きを感じ取れば、すうと動いてくれる瞬間が見つかる。
そんな時って、たいがい馬の動きと一緒に力を抜いている時なのだ。
■【アレフ】の駈歩では上半身を安定させることに最大限の注意を払う。
自分がまん中に乗っているかを意識する。
そうすると馬場全体を見渡すゆとりが出てくる。
ああ、ようやく自分から顔を上げて回りの風景全体に視線が行くようなった。
風景の中に位置づけられる【アレフ】に騎乗する自分。
なんと、駈歩は跳躍なのだ。
パカランパカランと一歩ずつ馬は跳び上がっている。
跳んで降りてを繰り返している。
駈歩の〈跳んで降りて〉に同調できると、推進は降りて次の跳び上がる前にすればいいと自然にわかる。
■これまで馬の上での〈自分の動き〉だけを考えていた。
そうではなくて地上から見た〈騎乗している自分の動き〉なのだ。
速歩での騎乗姿勢を安定させるきっかけも、埒を横目にして、自分の動きが馬の一歩毎に前に進んでいるのであって、単なる上下動ではないと気がついた時ではなかったか。
地球の重力に対してどう動いているのかが自覚できると、安定感が桁違いに大きくなる。
またもや【アレフ】に教わった。

■ふた鞍目は【毒うま】君。
【時鮭】【ときめき】【ベルベット・シート】【とら】の5騎。
スピード系の馬が混在する多頭部班なので、広いアリーナに移動してのレッスン。
今回もごんちゃん先生が見て下さる。
■【毒うま】は手綱がキツかったり、バランスが前のめりになると途端に首を上げて加速するタイプの馬で、
「ゆっくり走らせる」
「手綱のコンタクトを維持する」というのが課題。
■落ち着いたリズムでふくらはぎでしっかり接触して推進すると、ちゃんと首を下げて常歩速歩してくれる。
首を下げて落ち着いて歩く【毒うま】の乗り心地は、これまでになくもっちりとしている。
ちょっとでもバランスが崩れるととたんに首を上げて前のめりに走ってしまうのだが、敏感に反応してくれるのはかえって勉強になる。
特に速歩でのバランスの崩れが致命的。
そんな時は、いったん軽速歩をとって人のリズムでためをつくって落ち着かせる。
一定のリズムと安定したバランスが常に求められる。
「後肢がサボってきているから、長鞭でちょんと合図して」と先生の声。
うわ〜、【毒うま】に長鞭を使って制御不能にならないのかしらん。
しかし、ちょんの合図にきちんと応えてくれる。
結局、手綱が安定していれば馬はイライラせずに「はいよ」と前に出られるらしい。
早くならないようにといつも手綱を強く持ち続けていたり、ギューと引っ張ることがどれだけ【毒うま】にとってマイナスだったか。
手綱を一瞬握ってすぐ緩めるとか、内方の拳をゆずって内方脚をつかい外方の手綱にコンタクト求めるよう心がけると【毒うま】は落ち着いて走ってくれる。
どんな時でも、外方のコンタクトなのだ。
■駈歩でも昔のようにどんどん加速するということはない。
輪乗りに入るのも蹄跡に出るのも、後ろから先行する馬を抜くのも【毒うま】は上手にやってくれる。
小指薬指のあたりに鞍の感触が常にある。
「拳を鞍の前に置いておいて」と4%先生に注意されたことが、今になって実行できる。
とてつもない時間がかかっているけれど、できるようになったことが純粋にうれしい。
「ちゃんと内方姿勢がとれてましたよ」とごんちゃん先生の講評を聞いて、ほっとする。
馬を気持ちよく思い通り動かす為のバランスであり推進でありコンタクトなんだなあ。
内方手綱が譲れるようになってから(手綱を放して駈歩の乗れたあの日から)、外方のコンタクトが現実味を帯びてきた。
■乗馬って「こわい」としがみついていたものをどれだけ手放せるかにかかっているのかも。
鞍に座らず立ち乗りができるようになったら、反撞が大きくても気にならなくなった。
鐙上げの駈歩が平気になったら、かえって鐙が踏めるようになった。
手綱をはなして軽速歩や駈歩ができるようになったら、手綱のコンタクトがわかるようになった。
身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれである。







【アレフ・ゼロ】 [アルバム]

【アレフ・ゼロ】こと【森羅】です。
誕生日:1985-03-21 生産地:北海道
父:パーソナリティ 母:ヤマカツクイン
偉大なるスクールマスターです。
すべてを知っている名馬であり、
ビギナーから中級者まで騎乗者のレディネスにあわせて自在に変身します。

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彼に乗る時は「【森羅】先生、どうかよろしくお願いいたします」と自然に頭が下がります。
魔法のような駈歩に乗せてくれたあのひと鞍のお陰で、どかどか跳ね回る乗り心地だけでない、気持ちのいい人馬一体の境地があるのだとわかりました。
それが、今日まで乗馬を続けてきた原動力になっています。
あおげば尊しわが師の恩です。

660鞍目 メインエンジン [終章]

 2008-03-09(Sun) 初級クラス 通算660鞍目
■最近クラブでよく会う方々は、『チームよちよち』と呼ばれる対外競技会メンバー。
やはり「最後の競技会で花道を飾りたい」と皆が思っているのだ。
レッスンの枠が上位クラスから埋まっていくから、ビギナークラスが開設できずということもあるらしい。
ビギナー会員のいない日曜日。

■朝一番のクラス。
私は恩師【アレフ・ゼロ】にお相手をお願いする。
初級メンバーは【とら】、他は中級の【青雲】【毒うま】【ムーン】【ベルベット・シート】と合同クラスになる。
【アレフ】は【青雲】に次ぐ部班2番目を走る。
■準備運動を済ませると、レッスン内容は、経路のメインパートをそれぞれがおさらいという形になる。
6騎がドレッサージュアリーナに集まっているが、各個運動に慣れた人馬がほとんどなので非常になごやか。
みんなで楽しく外乗に出かけて休憩中なのだと錯覚してしまうほど。
■【アレフ】は馬場のまん中でたたずんで休んでいたのに、
「じゃあ、次はもちぇさん」
「駈歩輪乗り2周から蹄跡に出て斜めに手前を換えて下方移行ね」
と指名された途端に【アレフ】のエンジンは全開になる。
どうしたんじゃい、いつもは拍車や長鞭を使わないとエンジンがかからないくらいなのに…
元気になり過ぎて駈歩の輪乗りが膨らみ、隅角を甘くまわっているのか輪乗りなのかの区別がつかなくなってしまうほど。
手前を換えてやる時には、
「馬がやる気になっているので落ち着いて走れるように」と4%先生のアドバイスが飛んでくる。
かなり抑えて乗ったつもりだったが、それでもまだまだ馬に持っていかれてしまい、正確な図形とは程遠い。
【アレフ】は、普段は補助エンジンしか使っていないのかも。
「重くて前に出ない」という先入観で乗っていると、【アレフ】のメインエンジンが点火した時にどうするのか戸惑ってしまう。
その後の速歩も乗り心地が全然違う。
ガツガツした固さがなくなって、スプリングが効いている。
■すべてを知り尽くしていると言われる【アレフ】なので、最後の舞台の為に練習をしているのを感じ取っているのかもしれない。
もう23歳の超高齢馬。
その彼がメインエンジンを使ってくれるのなら、それに応えなければ。
「駈歩が速くて怖かったですか?」とレッスン後に4%先生が尋ねてくれた。
「いえいえ、今となっては、まったく平気になりました」と即答できる反面、持っていかれるままであった自分にふがいなさを感じる。

■予定のレッスンは終わったが、次もつい見学したくなる。
なんと初級中級合同8騎部班、壮観なり。
【アレフ・ゼロ】が先頭を走っている時もある。
「ちゃんと走っているよ!」
2鞍目の【アレフ】騎乗者とで「でしょ、でしょ」と感動を分かち合う。
■日々の小さな感動を共有できるって、素敵なことだ。




【ヴィーヴ・ロワ】 [アルバム]

【ヴィーヴ・ロワ】こと【スノーキング】です。
誕生日:1993-04-18
父:イクスクルジヴヌレイエフ(米)  母:ホースメンシシプウ
まっしろになった葦毛君です。
彼に乗っていると目立ちます。
見学に来た人達の視線を独り占めしたい時は、おすすめです。


彼は、私の「白い馬にのって駆け回ってみたい」というひそかな夢を叶えてくれました。
2課目の経路を【ヴィーヴ】でちゃんとまわれた時には、鳥肌が立ちました。
彼の駈歩は、ストライドが大きくゆったりとしていて、大好き。
外馬のような乗り心地と言われています。
配馬表に彼の名があるととても嬉しかったです。
それなのに、肩の故障で長引く療養生活を余儀なくされています。
今日も日当たりが良くて眺めのいいお部屋にいます。

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2009-02-11(水)  追記

2008年3月末の【よちよち】乗馬クラブの閉鎖で、
「この馬は使い物にならない」と戦力外通告をされていた彼。
クラブの関係者が引き取ったということだったが、悲しい末路を覚悟していた。
ところが、偶然、近隣の乗馬クラブにいることが判明。
よかった〜 生きていた。
彼のその後に関わって下さった顔も名も知らぬ方々、ありがとうございます。
どうか幸せに。
もう遠くから祈るしかないけれど、
それでも私に幸せなひとときをプレゼントしてくれた【スノーキング】の幸せを願わずにはいられない。




661/662鞍目 馬上の解放感 [終章]

 2008-03-12(Wed) 初級クラス 通算661/662鞍目
■昨日のぽかぽか陽気とうってかわって、風が冷たい。
それでも、すべてがしんしんと冷え込む寒さからは解放されつつある。
■本日のひと鞍目は【とら】ちゃん。
〈ギガ重〉の予想に反して〈キロ重〉程度。
このところ重いはずの馬が元気に動いてくれることが多くて嬉しい。
■【毒うま】に乗った中級の方と4%先生の2騎合同レッスン
昔からご一緒していた会員の方なので、
「【とら】も【毒うま】も、風が吹いたらどこに飛んで行くかわからない馬でしたよねえ」
「そんな2頭で普通にレッスンを受けられる日が来るなんて」と感慨深く話をする。
■メインの内容は、駈歩輪乗りから蹄跡に出て、斜めに手前を換えて下方移行といった2課目駈歩パート。
その他には、駈歩で蹄跡周回、隅角を4歩でまわるといった駈歩の精度を上げる練習。
■動いてくれるし、駈歩にもたつくこともないのだが、どこかもう一息という感じ。
手綱のコンタクトにしっくりしないものがある。
後ろから来るパワーが手綱からすっぽ抜けるという感じ。
ううむ、何をどうしたらいいんだろう。
4%先生は「レッスンの最初に頑張って馬を出したから、後がよかったですね」とさらっと言って終わりだった。
馬は扶助通り運動してくれるし何の問題もないように見えるかもしれなのだが、あと一息という感じが拭えない。

■ふた鞍目は【ベルベットシート】
ビギナークラスの先生に見てもらって【ムーン】との2騎部班。
最初、牝馬の【ベル】が部班後続だったが【ムーン】が前に出ないので順番変更。
どたどたと迫ってくる気配に【ベル】が後ろ蹴りしそうな気配もあったが、ことなきを得る。
■駈歩では姿勢を直される。
発進時に拳が上がったり、腰で煽っていたりすることがあって、格好悪いから意識して直すようにとのこと。
「座骨を寝かせずしっかり立てて」と注意が飛ぶ。
かなり意識してグッとこらえるとokをもらえる。
かつての駈歩発進に失敗してばかりの時の「馬の邪魔しない」という意識が強過ぎて、
馬が出る時にそのままもっていかせていた名残が拳や腰の動きに出ているのだと思う。
■速歩では【ベル】がしっかり前に出てくれる。
すると、座骨を立てて膝をあけて鐙を親指の付け根で軽く踏む、頭から腰までがまっすぐに落ちるという姿勢が難なくできる。
外方のハミが起点となるという感じがよく分かる。
これなのだ、外側でしっかり受け止めるパワー。
この感じは馬の推力なのだ。
前にも上にも、拳の握り加減で自由にもっていける。
馬の上で「ああ自由だ〜」「私は解放された〜」と感じられる幸せ。
麗しの【ベル】さま、ありがとう。

■レッスン後の片付け中に厩舎から引き馬されてくる【山桜】が視野に入る。
腰の具合はどうなのだろう?とじっと歩様を見つめる私に
「そろそろ大丈夫ですよ」と笑いかけてくださる4%先生。
よかった。少しは楽になったのだろうか。
【山桜】に4%先生が乗って運動させていた。
ううむ、ほれぼれする。



ビジターの品格

 2008-03-12(Wed)
■クラブがなくなったら、
よそのクラブにビジターでお世話になる以外、馬に乗る方法はない。
そう思うと、現在ビジターでいらしている方々の言動が気になる。
いずれ我が身となるのだから、しっかり観察してよきビジターとなる指針としなければ。
残念なことに「素敵だな、お手本にしたいな」というケースは皆無。
反面教師ばかり。
(最近の私は〈怒り・いらだち〉が頻発しているようだ)
■クラブは最大限の努力でビジターをもてなすものだ。
フロントからスタッフ、会員までもが「楽しいひと時が過ごせるように」と心遣いする。
なんだか、それを勘違いしてしまっている人達がいる。
とくに何度かビジターでやってきて慣れてくる時に、鼻持ちならなくなる。
それがおばさんのグループだと最悪。
自分たちだけの世界でぺちゃくちゃ。
ここは観光地じゃない! おもてなしを売り物にする施設じゃない!
馬に乗るための場所なんだ。
最近モンスターペアレンツとかモンスターペイシェントとか、サービスを過剰に要求してくる輩が増殖中らしいが、
この人達にも片鱗が見られる。
■そして最悪は、遅刻しても連絡なしの人。
【アレフ・ゼロ】は準備万端整えて、長時間待たされ、馬房に戻され夕ご飯を食べ出した所で再度呼び出し。
他の仕事に手をつけたスタッフはそれを中断。
だれも文句はいいませんが、馬も人もすごーい迷惑を被っているという現実があるのだ。
■連絡なしの遅刻やキャンセルはしない。
出会った人には、挨拶をきちんとする。
馬やスタッフのおもてなしに感謝し、態度にあらわす。
クラブの道具や備品を大切に扱う。
使う馬具や馬装の方法は、スタッフに確かめてから。
他のクラブの料金や教え方と露骨に比較しない。
ゴミは持ち帰る。
あたりまえのことだと思うのだが…


【時鮭】 [アルバム]

【時鮭】こと【トキシラズ】です。
誕生日:2000-06-09 出生地:北海道
父:ミホノブルボン 母:メレンゲバンブー
障害練習を一手に引き受けています。
一時期障害を避けるようになり皆で頭を抱えましたが、ほどなく問題解消。
現在は頼もしい存在となっています。

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大柄で前進気勢のあるところは、若い体育の先生といった風情。
手綱が安定していれば、速歩の乗り心地は星4つ(☆☆☆☆)
私に二軸感覚を教えてくれました。
障害練習や男性ライダーに配馬されることが多く、なかなか乗る機会のなかったことが残念です。

663/664鞍目 ビギナークラスは卒業 [終章]

 2008-03-14(Fri) 初級クラス 通算663/664鞍目
■「余命あと何週間」と言われた時に、
「残された日々は、やりたいことやるべきことをすべてやろう」と人は考えると思う。
しかし死にゆく時は、苦痛もあるし体力もなくなるし、やりたくてももうできないことは多々あると思う。
「クラブが続く限りこれまでと同じようなレッスンを積み重ねて」とぼんやり期待していたのだが、
先生方の勤務割りや競技会に備えた練習、レッスンを受ける人数等など諸般の事情で、
望んでもできないこともあると諦めなければならない時が来ている。
■競技会に向けてという、最後の晴れ舞台に向けての高揚感と
馬や先生方、クラブとの永遠の別れという予期悲嘆と
迫り来る仕事や家事のプレッシャーにつぶされそうな疲労感と…
馬と2人で過ごした楽園のような日々は失われてしまった。
■よく聞かれるのは、
「どうするの?次はどのクラブにするの?」という質問。
「今日はどこどこのクラブに馬に乗りに行く」という話を聞くと、首を傾げてしまう。
今はまだこのクラブがあるのに、どうして他に行くのか?
新しいクラブは、馬に乗れなくなってからゆっくり探せばいいじゃないか。
預託馬がいて次の預け先を急いで探さなければいけない人とは立場が違うのに。
■わがクラブには、大手の乗馬クラブに納得できなくて移ってきた人達や、
今はなくなってしまったクラブに在籍していた人達が数多くいる。
次から次へとクラブを渡り歩かなければならない、ジプシーのような境遇。
楽しく馬に乗れればそれでいいと割り切ってしまえば、仲のいい友達とグループを作って外乗感覚でクラブに通えばいいのだろう。
でも、馬や教えてくれる先生との信頼関係を築いて地道に積み上げて行こうと思うと、
なかなか難しいものがある。

■本日ひと鞍目は、平日の朝一番のレッスン。
【チャンドラ・グプタ】にお相手を願う。
ビギナークラスの先生に見ていただいて、【霧丸】さまとの2騎部班。
初級馬場を囲む林から今年初めてのウグイスの声が聞こえてくる。
おお、本格的な春が来た。
■レッスンは輪乗り蹄跡行進をメインにして、騎乗者の姿勢と馬の内方姿勢が課題となる。
「外側の薬指の奥が重くなるように、内側の脚を使って」
「駈歩をもっとゆっくり」
「特に言うことはないのだけれど、駈歩でもっと人がコントロールしていけるといいんじゃないのかあ」
おっしゃる通り。
【グプタ】は最近、駈歩でゆっくりできずにどんどん加速して行く傾向がある。
ごんちゃん先生からは、ぐうと深く座っていれば首も下がって安定した走りになるのからと言われているが、
首を下げて駈歩させるのがなかなか難しい。

■ふた鞍目は、昼間の用事を済ませてからの午後最後のレッスン。
馬装をしている時は曇り空だったのがレッスン直前からしとしと降り出した。
【アレフ・ゼロ】とのひとりレッスンだったので、短時間で終わらせることにした。
この回もビギナークラスの先生に見ていただく。
駈歩の時に潜り気味になる【アレフ】
脚を使って頭を上げてその分手綱を持つ。
「短く持つ分手綱が重くなると思うけれど、緩めずしっかり握っていて」と声をかけられるが、
手綱の重みは馬の首の重みではなく、前に出ようとするパワーの重みでなければならないはず。
今しっかり握ったら、馬は止まってしまうような気がして前を持てない。
頑張って動いてくれている【アレフ】だけど、今日は補助エンジンのみの運動だったと断言できる。
■レッスン講評では、「あの【アレフ】をあれだけ動かせれば文句ないですよ」といわれる。
ビギナークラスの卒業要件は満たしていると考えていいんだろうが、自分の中ではもうすこし頑張れたのかもと不満が残る。
■春雨にぬれて馬繋場に戻ると、馬の全身から湯気が立ち上っている。
まるでほかほかの肉まんみたい。
馬に乗れる機会が限られているから雨でも乗ってしまうが、本意ではない。
しっかりと水気を拭き取って冷えないように手入れをしてあげるのが精一杯だった。



タグ:乗馬

【霧丸】 [アルバム]

【霧丸】さまこと【キリバス】です。
誕生日:1991-04-12 出生地:北海道
父:トニービン 母:スイートアクトン
障害クラス初心者にとって、【キリバス】は神様でした。
「とにかく障害に向けたら跳んでくれる」
「騎乗者が何もできなくても彼がやってくれる」
という絶対の信頼がありました。
流星もなくソックスもはかず、なんの特徴もないので、
慣れるまでは【毒うま】や【青雲】と区別がつきませんでした。
横顔をみると額から鼻にかけてなだらかに膨らんだ曲線を描いています。
練習馬の鑑と呼ばれ、決して噛んだり蹴ったりしない、扶助通りに動いてくれるという優等生でした。

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彼との思い出はふたつあります。
ひとつ目は、4%先生の駈歩クラスでのひとりレッスン(242鞍目)。
今は使われなくなった3角馬場で気持ちよく運動してくれました。
「騎乗者の脚位置が正しいところにあれば、自然に馬体が脚にあたって扶助になります。」
「本当は、無理に脚を使おうとしなくていいんですよ」
と4%先生に言われたとおり実感でき、初級クラスへの復帰のきっかけとなりました。
そしてふたつ目は、障害レッスンを初めてとった時(316鞍目)。
軽駈歩(一完歩毎に鐙に立ったり鞍に座ったり)を教えてもらい、楽々と進む駈歩の乗り心地に驚愕した思い出があります。
立ち座りのリズムに駈歩の上下動がマッチして、まるでオールでボートをこいで進むような感覚。
「駈歩が怖くてしがみついていたのが何だったのだろう」と不思議に思えるほど滑らかな感触でした。

665/666鞍目 再び重い馬&軽い馬 [終章]

 2008-03-15(Sat) 初級クラス 通算665/666鞍目
■朝日が力強く差し込む。
太陽電池で動いている私は、気持ちよく活動開始できる。
今日はぽかぽかして乗馬をしたら暑いくらいの陽気である。
ということで、冬の定番のハイネックシャツにフリースジャケットから
長袖のワイシャツに変更。
■配馬表を見ると【山桜】がレッスンに復帰していた。
それでも週末だから、いきなり4鞍のお仕事。
どうか無事にお仕事を完遂してほしいと祈らずにいられない。

■私のひと鞍目は【とら】ちゃん。
レッスンの相方は【ムーン】で似た者同士の2騎部班といったところ。
ごんちゃん先生が見て下さる。
■準備運動の常歩は、「元気よく、後肢を踏み込ませて歩く」バイタルウォークにもっていくのが目標。
ちょっと前までは、ここで元気よく動かさなければ後が大変とばかりに、
「どんどん歩け!」と脚をつかって歩かせていた。
ところが、人の方が先に熱くなって「ほらほら」とせかさなくても
馬にまかせて歩かせて、馬が楽なように馬にぴたりと歩調を合わせていると自然に馬が動いてくれることに気がついた。
蹄跡2周目になるころには、ちょんと脚を使っただけでスタスタと歩いてくれる。
馬は乗った最初に人をみるというが、それは強い要求をだして妥協を許さない人か否かをみているのではなくて、馬にあわせてくれる人すなわち聞く耳を持った人かどうかをみているのではないだろうか。
■【とら】ちゃんは、キロ重程度で動いてくれたのだが、駈歩が上手くいかない。
特に右内方姿勢が取り難いので、きっちり決まらない。
何度も常歩や速歩の輪乗りで内方姿勢を取らせて準備をするのだが、さっきまで上手くできていた首の向きがあっという間に崩れてしまう。
手綱でぎゅうぎゅうにしてしまうとかえって苦しいかもと緩めにすると、今度は駈歩を続ける推力が前に伝わらないらしくドッタンドッタンとした駈歩なってしまう。
常歩で内方姿勢をとらせて、ポンと駈歩を出し蹄跡周回ぐらいの大きさで伸びやかな駈歩ができると一番いいのだが。
今日は、上手くいかない日だ。

■ふた鞍目は配馬の変更があって【毒うま】くんになる。
相方は【山桜】に乗って、再びごんちゃん先生の2騎部班。
今度の競技会に同じチームで出るので、先生は実践に即した説明をしてくださる。
■「準備馬場では、特に指示がない限り常歩をしましょう」
「馬も人もテンションが高くなって、ついイケイケどんどんと馬を追ってしまいがちになりますが
それでは馬が興奮して収集がつかなくなる危険性があります」
「常歩といっても、だらーと歩くのではなくて速歩になる寸前の元気のいい常歩にするのが秘訣です」
そうなのだ、オラオラ〜と馬を追い立てるのではなく、ちょっと脚を使えばポンと出るような即応性を求めなければならないのだ。
■〈即応性〉かあ…
思い出すと、以前の4%先生のレッスンで、
「元気のいい常歩にするには脚を使ったら速歩になってもいいんです」
「速歩が出たら、違うよと教えてあげればいいんですから」
とか、
「駆歩しようと合図して、速歩がでたらすぐ止めて下さい」
「馬が嫌がる強い合図でも、ちがうよとわからせてあげないとダメです」
「2歩も3歩も速歩を続けさせてしまったら、馬には何をさせたいのかが通じなくなってしまう」
とよく言われていた。
馬に乗せてもらっていた頃は、自分の合図の仕方が正しくないから馬が動かないと信じて疑わなかった。
だから上手く行かなくても「私が悪いのよ」と馬を責める気持ちにならなかった。
でも、そのことが馬側の聞く耳を塞いでしまっていたのだ。
「何をさせたいのかわからんヤツだ」と。
駈歩発進で速歩が出た時に「違う」と馬を止めて扶助の出し直しをすると「違うのなら、じゃあ駈歩なの?」と馬の体勢が変わるのを目の前にして、発進ができず泥沼化する場面が激減した。
正しい駈歩発進扶助の仕方を身につけたのではなく、馬の行動に即応するようになっただけなのだが。
結局、人が馬の行動に反応すれば、馬も「違うの?じゃあこれかい」と反応を返してくれる。
相手がいろいろ言ってくることに対して、Yes と No のみで絞っていって、こちらの意図を伝えるしかないのだ。
「なんでわかってくれないのよ」とまるで人間を相手にしているかのように、
突然怒り出したり引きこもったりする輩が一番始末に負えない。
だって、馬は人間じゃないのだもの…
■そんなことをつらつら思いながら【毒うま】くんに乗る。
すぐスピードアップする馬を抑えながら乗っていると馬エンジンが低速回転になってしまう。
【毒うま】の速歩は回転数が落ちると反撞がユラユラと左右にぶれてしまう。
騎乗者の身体のからだもねじれてしまうから格好わるい。
さらに回転数が低いまま手綱を強く引いたり、前傾姿勢になると、ころがり落ちるような速歩になってしまう。
毒うまエンジンの回転数をあげつつ、スピードを上げないために細心の注意を払う。
狭いコンタクトの許容範囲にぴたりと手綱の張力を合わせられるかということと、騎乗者のバランスなんだと思う。
一瞬落ち着いたかに見えても、ちょっとしたバランスの崩れですぐに前輪駆動に切り替わってしまうスリル。
馬が敏感なら人もそれに応じて敏感になるよう努力をしなければ。
それでも右手前の駈歩はぴたりとバランスが中央に収束すると静かに乗っていられる。
■2課目経路にあわせて、
長蹄跡を歩度を伸ばしたり3湾曲や中央線を入って停止など久しぶりにバラエティー豊かな内容になる。
速歩を何もしなくても前に出てくれる馬は本当に楽だ。
前に出る分を外方のハミで受けてカーブのコントロールが効く。
■「脚は、腿の前の筋肉に力が入ってはダメです」
「鐙に踏みつけるようにするとそうなりますし、足が前に出てしまいます」
「鐙には足を乗せておくだけ」
「腿の後ろとアキレス腱の上のあたりに力が入るように」
「馬の後肢に向って脚が伸びるように使いましょう」とごんちゃん先生の声が聞こえてくる。
自分の体重がまっすぐ馬に落ちるように。
それが最も強い扶助になるのだから。

■【とら】はもっとしっかり手綱を握っておいてあげないと安心して前に出られない。
でも、強すぎるかえって前に出られなくなる。
■【毒うま】は手綱がきついとどんどん加速していってしまう。
でも、緩すぎると馬エンジンの回転数が落ちて、かえって前輪駆動で転げ落ちるような走りになり止まらなくなる。
■どちらも推進と手綱のバランスが厳しくて、手綱のコンタクト許容範囲が狭い。
ぴたりとあわせて人馬ともに気持ちよく走れるときは、まるで天馬に乗っているような至高体験が味わえるのだが、今の私の実力では一瞬でもできれば大成功。
レッスン中ずうっと、納得がいかず違和感のあるままということの方が多い。
それでも彼らに乗れるのは、嬉しい。
考えながら乗れるのが楽しいのだ。







667鞍目 最終リハーサル [終章]

 200-03-16(Sun) 初級クラス 通算667鞍目
カレンダーを睨みながらあれこれ考える。
一週間後に競技会だ。
それなのに来週は忙しい。
仕事でも大きな山場を迎える。
これを乗り切ったら、後はもう競技会に向けての微調整のみしかできない。
春のお彼岸だからクラブには人が押し寄せるだろうし、準備やら輸送やらで慌ただしい。
もし今日【山桜】に乗せてもらえたら、最初で最後のつもりで乗らないと後はないだろうな。と。
■配馬表を見たらビンゴ!
私の名前の横に【山桜】とある。
「もちぇさん、折り返しを使いましょう」と4%先生に言われる。
中級の方が【青雲】【毒うま】、初級者が【とら】で全員が競技会出場予定者の4騎部班。
3人馬がエントリー馬と組んでいる。
4%先生がドレサージュアリーナを使うということは、最終リハーサルの覚悟がいる。
ラフに流してなんてあり得ない。
一瞬一瞬を全力で闘って、自分のできる最高のことをやる以外にない。
長靴も拍車も、鞍もハーフパットもすべて競技会用のものを使う。
■これまでと違う新しいペアを組んだ【とら】騎乗の方を中心にレッスンが進むので、
「先生どうしたらいいでしょう?」という甘えも排除。
自分で何が良いか悪いか判断して、何をすべきかも過去の教えから引き出してくるのみ。
う〜、緊張の競技会場と2重映しになる。
■準備運動では先頭の【毒うま】にあわせて、かなりのスピードが要求される。
【山桜】は期待に応えてしっかり動いてくれるので安心。
でも、右手前がすこし固いかなあ。
内方姿勢を取らせようとするとストンとはまる左に較べて、ジタバタする感じが残る。
輪乗りや3湾曲を大きく動かす中で「こっちむいてごらん」とちょっと強めに向かせて、なんとか収まってくれる。
先日の雨で馬場がぬかるんでいることもあるのか、カーブを曲がる時にぐにゃと腰が横滑りする感覚が何度かある。
腰を痛めていたと聞いているからヒヤヒヤする。
急な操作で隅角を曲げたり回転させたりしないよう、ラインをよく見て早めの扶助を出さなければ。
■後半は、クラスに別れてパート練習。
2課目組は、短蹄跡から駈歩発進する練習。
輪乗りに一歩入れて馬を準備させてから、駈歩を出す。
駈歩を出す方向は直線的に取る。
私は,駈歩発進時に身体を持っていかれて拳が上がったり腰が寝たりし易いから、グッとこらえて同じ場所にいられるようにする。
など、など。
なんとなく常歩させて、いざ駈歩ではなくて、
短蹄跡の常歩の時から次の運動に対する準備をしておく。
【とら】は内方姿勢を取らせるのに苦労している雰囲気。
昨日の私がそれで苦しんだので大変さが身にしみる。
それでも私より上手に駈歩を出している、すばらしい。
その後は、4分の1周ずつ駈歩と速歩の移行。
【山桜】は敏感に駈歩発進の扶助に反応してくれるので、大きく姿勢を崩さずに速歩に乗れるのが嬉しい。
「じゃあ、もちぇさん経路を回ってみましょう」
来た!最初で最後の経路練習だ。
■競技場をイメージして動く。
待機馬場は、ガンガンに走り回っている馬が多いし、本馬場に入るためのコーナーは結構人馬のたまり場になっているのだ。
スムースに輪乗りができることなんて期待しない。
自分と【山桜】がリズムよく軽速歩ができたらそれで良しとする。
常歩をしている【毒うま】に「内側とおります」と声をかける。
【青雲】が譲ってくれたルートをすり抜け、A点からまっすぐ入れる最長ルートを探す。
「あと輪乗り一周したら入ります!」とちょっとテンションをあげる。
「良いリズムで軽速歩して、なんならいったん駈歩出してからでもいいですよ」
「中央線に馬体をまっすぐ向けて、完全にまっすぐになったところで速歩」と最後のアドバイスを下さる先生。
■速歩にして入場すると、わずかにエンジンの回転数が足りない。
ああ、座っちゃうと推力が足りなくなるんだ。
これが【ベル】や【アウグス】と違うところなんだなあ。
競技場は直線が取れず馬場をまわり込んで入場だから、もっと待機馬場でのエンジン回転数を上げておかないとダメかもしれない。
わずかに足りない分を脚でトントンと蹴りながら速歩する。
停止は、うう〜左後ろが流れた。
速歩発進は、エネルギーを貯めた分がポンと出る感じにならない。
やはり、入場のときの推力不足が尾を引いているかも。
C点から隅角をまわり込むところは、次の歩度を伸ばすためにも歩度を詰めておかなければいけない。
手綱をもったら、隅角を回るのが浅くなってしまった。
斜めに手前を換え斜線歩度を伸ばすというのは【山桜】自身が知っているので、斜線後半からは伸びてくれたのだが、元のエネルギーがない所ではパンと一歩目から気持ちよく歩度は伸びないもの。
それでも、頑張って伸ばそうとしてくれる【山桜】に感謝しなくては。
蹄跡出た所で背を起こして、隅角を利用して歩度を詰めるのはいい感じ。
次の3湾曲のエネルギーを貯めないと。
左手前の回転は良いのだが、右になると失速ぎみになる。
長鞭を使ってちょっと合図を出す。
3湾曲から短蹄跡、隅角を使って再び歩度を詰める。
【山桜】はこの辺の機微がよくわかっているようで、長蹄跡は思った以上に歩度が伸びる。
いい感じ、伸びた分をしっかり受け止めて,スムースに常歩に移行。
首を伸ばして軽いコンタクトの常歩は、昔よりのびのびした感じがなくなったなあ。
H点から蹄跡に入り、隅角を回って短蹄跡へ。
ここは、次の輪乗り駈歩の準備期間。
十分にエンジンの回転数を上げて、一歩踏み込ませてから駈歩発進。
おわっ【山桜】がブヒっと弾けた。ん〜、もちとおしのバランスが悪かったかなあ。
駈歩パートは何度もやっているので、以前より平静に乗っていられる。
しかし、輪乗りから蹄跡に出て隅角を回りきると、斜めに手前を換えをすると思い込んだ【山桜】が1歩内側に踏み込んでしまう。
これは気をつけないと、その後の長蹄跡歩度を伸ばした駈歩に影響を及ぼす。
秋の部内競技会では、蹄跡に戻そうとした扶助が中途半端で腰を内に入れた駈歩になってしまったのだった。
次の左手前の駈歩では事なきを得て、長蹄跡では気持ちよく伸びる。
斜めに手前を換えもすんなりとまわって下方移行。
最後は、C点で常歩から速歩パートになる。
いつもだと失速ぎみになるところなのだが、今回は驚くほど前に出てくれる。
いいぞこの調子、速歩はぐいぐい前に出てくれると気持ちいいなあ。
X点を通過するともう終わりだよねとなるところをG点まで連れて行って、停止不動敬礼。
うむ、これが今の私の実力相応だなあ。

■待機馬場では十分と思っていても、いざ速歩で正反撞を取るとエンジンの回転数が足りない。
速歩はいつでも駈歩になれるような推力の大きい速歩にしておかないとダメらしい。
飛び出したら怖い、動いてくれれば充分だと思ってしまうと、前進気勢がない状態で経路に入ってしまう。
ぎりぎりまでスロットルを押し上げるつもりでいないと。
歩度を伸ばすためには,その前に詰めなければならないし、そのベースには十分なエンジンの回転数が必要なのだから。
後は、駈歩で隅角を丁寧に内方姿勢4歩でたどるとか、斜めに手前を換えと長蹄跡直進の扶助の違いをきちんと意識するだとか、細かな反省点もある。
■【山桜】との最終リハーサルだから、やり直しのきかない真剣勝負。
満足いかない所は多々あるが、やるべきことはやった。
いつもはひと言ふた言アドバイスを下さる4%先生からも何もなし。
「そうだね」という真っ平らな肯定の空気を感じるのみ。

■もうこの期におよんで、これ以上何もできないような気分。
【山桜】の腰がぐにゃりと動くことが心配なだけ。
あとは、エントリーの順番とか暖かい日にシャンプーができるか否かなどという雑務が気にかかる程度。
■ああ、今週は仕事が山場だった。
ひととき忘れていたプレッシャーに押しつぶされそうだ。






【アウグスティヌス】 [アルバム]

【アウグスティヌス】こと【アグネスヒット】です。
誕生日:1988-04-08 生産地:北海道
父:メジロライアン 母:シャンクシー
2006-03-25 の中山競馬場10Rを最後に競争馬【アグネスヒット】を引退しました。
次の週の水曜日には我がクラブへ。
おがわじゅりマンガの『オレッチ』のように乗馬への道を歩みました。
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柔らかくしかも前進気勢のある乗り心地は天上界の生き物のようです。
いつでもどこでも誰にでも優等生のようには動いてくれないという難点はあるものの、
一度納得すれば、かすかな扶助で滑らかに運動してくれるので病み付きになります。
手放しで駈歩に乗っても大丈夫な馬です。
黒褐色の馬体に目立つ流星、真白なソックスとかっこいい馬です。
大好きです。

タグ:乗馬

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