So-net無料ブログ作成
検索選択
第12章 初級騎座拳安定編 ブログトップ
前の10件 | -

509鞍目 落ち込む [第12章 初級騎座拳安定編]

 2007-07-09(Mon) 初級クラス 通算509鞍目
■うららかな解放された気分のレッスンが続いていたが、今日はどよ〜んと落ち込む。
「気力と体力とお金と時間をかけても、こんなに下手クソ…」
「ああ、すんなり上達する人がうらやましい」
まあ、落ち込み気分は循環してやってくるから珍しくないのだが、
乗馬にかまけて、ないがしろにしたことの反撃が凄まじい。
「乗馬にかけた時間とお金、もっと他にかけるべきだったのでは」
荒野にただ一人とり残されたような虚しさに取りつかれる。
■本日は【アレフ・ゼロ】
【毒うま】【山桜】との3騎部班。
右手前の速歩がガクガクしてどうにもならない。
輪乗り(右手前)ではどんどん内側に切れ込む。
馬が上手く動けないところを騎乗者がどうやってカバーするのか?
今日はなす術もない。
乗り難いといわれている馬をこともなげに乗りこなしている人を見ると、
「乗り心地が悪いから乗れないんだもん」と堂々開き直っている自分が惨めに思える。
■唯一の救いはアレフの駈歩。
とっても気持ちよく乗せていただいた。
ありがたし。


508鞍目 [基本的な運動] 実習 [第12章 初級騎座拳安定編]

 2007-07-06(Fri) 初級クラス 通算508鞍目
■明日は七夕。
もう2007年の半分が過ぎてしまった。
半年前の1月5日、美容院でシャンプーしている時に
「あっ、私、まともに駈歩できるようになる…」と天啓が下ったことを思い出す。
ありがたいことに〈馬による〉という限定付きながら、
「駈歩オッケーです楽しいです」と言えるようになった。
すとんと降りてくる確信=天啓は「まさか?無理でしょ?単なる願望でしょ?」という反論を寄せつけない。
しかし、どんなに「乗馬が上達するって言って」と天啓を望んでも、
天は黙して語らず。冷たい。
■本日の配馬は【山桜】
〈もちぇの愛馬〉と噂されているようだが、好きとかお気に入りという次元を越えている。
〈主戦馬〉という雰囲気。彼となら一緒に戦場に出て行ける。
朝一番のレッスンは【毒うま】【チャンドラ・グプタ】との3騎部班で、ごんちゃん先生が担当。
35m×35mの本来の初級用馬場を使う。
合同レッスンが多くて、中級の方とドレッサージュアリーナ全面を走り回っていた身には、
「狭い〜短い〜物足りない〜」
おうおう、偉そうな感想じゃないか…
■レッスンは、手綱を伸ばして常歩、軽速歩のウォームアップから。
「みなさんも中級にあがると各個乗りをすることがでてきます」
そうそう、運動会の準備馬場とか…
「自分で馬の運動を組み立てなくてはなりませんから、覚えていきましょう」と
ごんちゃん先生が運動の目的や内容を説明してくださる。
「まずは動いて馬体をほぐすところからです」
「固くてぎこちなかったり眠っている馬が動き出すまで、左右の手前で10分ぐらいはかけましょう」
「関節や筋肉が滑らかに動かないと斜め横足などの運動もうまくできませんからね」
「そして、駈歩まで動かして準備運動です」
「その間に、今日の馬の調子はどうかな?反応はどうかな?と確かめていきましょ」
確かに手綱をブラブラにしても大丈夫な馬とがっちり持っていないと躓く馬がいる。
どの馬も同じような運動をすればいいというものではないから、馬の反応を細かく受け止めどうするかを考えなければいけない。
今のレベルでは、教官から「こんな風に運動させて」と指示を仰がないと何もできない。
■駈歩まで流して常歩に落とし、ようやく「少しずつ手綱をとって」と声がかかる。
いきなり手綱を短くしてはいけない。
脚を使って馬の首があがってきた分、余った手綱をたぐりよせる。
隅角や巻き乗り等の回転運動のときも狙い目。
軽速歩では、
「脚をまっすぐ下に踏み込んで」
「ふくらはぎの横が馬体に接するように」
「足先が外に向くと拍車が不用意に入りますよ〜」と基本的な注意がとぶ。
足元の安定しない人のために
「今度は鐙に立ちましょう」と2ポイント速歩の練習が入る。
「体をまっすぐ立てるようにして」
「膝と足首を柔らかく使って反撞を受け止めて」
自分の膝がタカタカタカタカと勝手に伸び縮みする感じが愉快。
我が意識とは別に勝手に動くというところがミソで、動かそうとか合わせようと意識を向けると途端にタイミングがずれて反撞とぶつかりバランスを崩す。
勝手にどうぞと自分自身を馬の動きに預けられる気分になることが大切なのだ。
〈鐙を踏む〉とか〈腰を浮かせ続ける〉という意識はほとんど必要ない。
2ポイントを維持するのは〈馬に預ける〉感覚だけでいい。
「鐙に立ってられる時のふくらはぎや踵の位置をそのままに、座ってみましょう」とごんちゃん先生の声。
■脚が安定したところで、今度は手綱に注文がつく。
「外側の拳をしっかり持って」
うえ〜、外側をきっちり張るのは難しい。
肩から肘がストンと落ちて、肘から先が1本のラインになるように上半身をしっかり立てなきゃ。
「脚をしっかり使って!」
そうそう、前に出ないと手綱はすぐゆるゆるになる。
馬に手綱を引っ張っていてもらわないと。
「座った時に内側の拳をぎゅっと握って、立つ時に緩めて」
「内側の拳を握る緩めるを繰り返していると馬は安定した外側のハミに頼ってきますから」
「外側に一定の力がかかるのがわかりますか?」
あれ〜?【山桜】は外側向いてますな。
つまり内側の刺激に対して外側がゆるいから、楽な方に向いてしまうのだろうな。
肩肘腰にまっすぐに重みが降りてないと鉄壁の外方にならない。
そして内方脚で押し出す。
一瞬だが「よしっ」ときれいな体勢がとれる。
外の肘が重みがかかって馬の首が下がり、楽に動く。
わずか数秒。まだまだ修行しなきゃ。
「馬がハミを受けてくれば、そこに向けてもっと後肢を踏み込ませていけるし」
「外方が馬にきちんと意識されていると楽に巻き乗りや反対駈歩もできるんです」
そうか〜、内方姿勢というのは外方のハミを起点にして馬を動かしていることなんだ〜
「皆さん馬を前に出すのに長鞭を使ったりしてますが、
敏感な馬だと鞭を振る動き、特に外方拳の動きを別の意味に捉える馬もいるんです」
「だから、なるべく脚を中心にして推進してきましょう」
「【山桜】にも拍車つかって大丈夫ですからねっ」
足元が不安定だから拍車は使いたくないと思ってきたが、
手綱を一定にすることを考えると拍車は標準装備と考えた方がいいかも。
■内方姿勢は初級クラスの最初に〈馬を内側に向かせる〉というところから入るが、
輪線に沿った馬体の屈曲という形のみならず、収縮とかハミ受けとか外方の支えとか
その網羅する範囲は広く深い。
〈内方姿勢をとらせた〉と同じ表現でも、その中身には天と地程の開きがある。
3課目Bの運動(8字乗りとか巻き乗り駈歩や反対駈歩)ができるようになるためには、
内方姿勢を極める必要があるのだ。
これからの練習の方向性が示されたな。
■駈歩だってもちろん内方姿勢そのもの。
水曜日のレッスンで4%先生が「その拳をしっかりその位置で持って」と強調していたのは、このことだったのだ。
【山桜】の駈歩にはなんの心配もなく乗れるので、
いろいろ考えながら乗る。
「頭、肩を後ろに身体を起こして、腰を前に」と声がかかる。
「タタターン」という反撞の「タタ」の部分をお尻の下で受け止める。
そして、伸びたり縮んだりする馬の首の動きが拳に伝わってくる。
かつて「拳が安定すれば、ゴムのように伸縮する感じがわかってきますよ」と言われていた通り。
馬の体が伸びてきて、私が振り抜けそうになるときには、
内側の脚を強く使ってみる。
よしよし、首が起きて座るのが楽になる。
半年前、とにかく「駈歩を続けてくれ〜」と必死になって馬の背にしがみついていた時とは全然違う。
自分手足が自由に動くようになったし、馬から感じ取れることが何百倍にも増えた。
「あと1周駈歩したら、速歩、常歩に落として停止しますよ」と予告がある。
スムースな移行のためには、勢いで走っているのではなく
充分な前進気勢と安定したリズムが必要だよねと脚を使って背を起こして準備をする。
速歩には華麗に移行するが、その後の速歩にちょっと乗り切れない。
ちょっと背を張った状態でやりとりしていると、後ろから迫る【グプタ】
彼も慌てて走っている様子。
と、外側から抜かれたのに驚いたのか、ビょンどわ〜と飛び出す【山桜】
(防振マットの上にぬめと乗っているような感じで、
「なんで普通に乗っているんじゃ」と落ちそうにない自分に却って驚く。)
【山桜】が飛び出すということは、ここが馬とちゃんとコンタクトがとれてない証拠なのだ。
下方移行中の速歩は、駈歩より速歩のリズムのほうが早いから、スピードを落とすつもりでゆったり構えるとリズムに乗っていられなくなる。
この一瞬の慌てぶりで、ハミが当たったり手綱を引いたりと馬には辛い思いをさせているのだろうな。
落ち着いてからの速歩では、脚とバランスバックですうトンと停止も決まる。
■最後は自由常歩でクーリング。
馬の鼻息が落ち着いて、首を下げてゆったり歩いていられるようになれば終了。
たとえ暑い時期でも「馬がさぼっていたら鞍下にしか汗はかきません」
「首や股に汗をかいているのがしっかり運動した証拠ですよ」と汗の評価の仕方も教わる。
【山桜】ちゃんと汗かいたかい?
「楽しかったよ、ありがとうね」といい気分を分かち合って帰る。
■今日のごんちゃん先生レッスンは「馬の基本的運動:実習編」という感じ。
個人的に「もちぇさん、そこがダメ」と注意される所はなかったが、学ぶことは多かった。
まだ酷暑とは言い難い季節だけに、30分のレッスンは「え〜もう終わり?」と物足りない。
2鞍連続して予約するのもいいが、万が一暑くなったら2鞍はつらいだろうなあと臆病にもなる。
まあ、あともう少し乗りたいという気分で終えるのがいいのかも。


506/507鞍目 2、3mmの世界 [第12章 初級騎座拳安定編]

 2007-07-04(Wed) 初級クラス 通算506/507鞍目
■4月にクラブで撮影していたドラマの放映日が決まったらしい。
『○○○〜△△△ー乗馬クラブ殺人事件!』7月最後の土曜夜。
乗馬の指導員が殺人の容疑者。
死体の傍には、サバイバルナイフと鞭と蹄鉄があったらしい。
はて? ナイフと鞭は持ち歩くことはあっても、何で蹄鉄なんだろ?
突っ込みどころ満載の予感。楽しみである。
■本日、ひと鞍目は【アレフ・ゼロ】ふた鞍目は【山桜】にお世話になる。
レッスンの最後に4%先生が評した「ずいぶんリラックスして乗っていましたね」のひと言が、すべてを物語る。
馬に乗っていると
「なんだか、何でも出来そうな気する」
「私はカモメ〜、自由に空をはばたく〜」という気分になる。
100鞍にひと鞍あるかないかの魔法の時間。
「人が乗りやすいとは、馬も乗せやすい」というフレーズをかつて耳にしたことがある。
だから乗馬を続ける中で常に、暗闇を照らす先の光としてこの〈心地よさ〉を目指してきた。
何がどうしたとあまり細かく思い出す気力がないのが、今日の騎乗日記の困った所。
■【アレフ】も【山桜】も元気よく動いてくれたことが、最も大きな理由。
輪乗りで「外側をしっかり握って」がキーワードとなる。
肩から腕一本分の重さがストンと下にさがって、肘が起点の接線を張る。
あるべき所におさまるとなんの無理もない。
曲げようとか内方姿勢をとらせようとか思わなくても、輪の向かい側に視線をやっているだけでスムースに回ってくれる。
軽速歩でも駈歩でも同じようにできた。
■斜めに手前を換えでの斜線歩度を伸ばす運動では、以前から「もう少し前をゆるして」と言われていた。
ようやく今日それを実感。
2課目の斜線常歩と同じように、馬が前に行きたがるのにあわせて手綱をゆるすと馬がハミを追っていく。
2、3mmの違いなんだと思うが、前に行くゆとりがあるところに馬は安心して進んでいけるのだ。
これが脚の合図と一緒にガチャガチャ動いていたり、手綱をゆるすつもりが緩んでしまうハミだとまったく信頼できない代物になる。
馬が安心してゆだねられるハミの持ち主に何としてでもならなくては…
■速歩や並足からの下方移行の練習を最後にする。
「止まれ」の合図に、バランスバックに脚をやや後ろに使って手綱の動きを止めて〜とマニュアルどおり身体を動かす。
4%先生から「脚を使って!」とこれも最近なじみのお小言が飛ぶ。
どうしても止めるとなると手綱でという昔のやり方が先に立ち、「そうそう脚も使うんだった」と後から付け足すように使っているのが問題とみた。
それなら「とまれ」で、まず脚を使ってみよう。
両脚をちょっと引いてふくらはぎをつけてから、背中から腰にかけて緊張させてみる。
おや、ふくらはぎが支点になって重いバランスバックができるじゃないの。
あらまあ、手綱なんてほとんど使わず【ヴィーヴ】が反応するように肢を止める【山桜】
これまで手綱を握って合図をしていた時は「ぐっ、あっハイ止まるんですね」とタイムラグがあったのに今のは「すうトン」と収束。
「脚を使うと後肢が踏み込みますから、その分馬の前半分が軽くなって次の動きがし易くなるんですよ」と解説してくださる先生。
これからはバランスバックは脚とセットで使うのを肝に銘じよう。
■とにかく今日は、わずか2、3mmの世界ですべてが完結する感じ。
小さな扶助で必ず反応が返ってくるから、あれこれ馬に話しかけるのが楽しくてしかたない。
初心者向きの懐の深い馬たち【アレフ】【山桜】
簡単に動いてくれるからつまらないという上級者もいるが、今の私にはなくてはならない先生だ。



504/505鞍目 乗り較べ [第12章 初級騎座拳安定編]

 2007-07-02(Mon) 初級クラス 通算504/505鞍目
■7月からサマーシーズン
レッスン時間は30分に短縮され、昼休み(休馬時間)が10:30から15:00になる。
午前と午後が大きく分断されてしまうから、どの時間にレッスンを入れるか迷うところ。
暑いさなかに根を詰めた運動は向かない。
去年はバランス強化シーズンであったが、
はてさて、今年は何に取り組むことになるのか?
■ぱらつく雨の中、本日のお相手はひと鞍目が【アウグスティヌス】
ふた鞍目が【ときめき】
2頭とも久しぶりの配馬。
去年の初秋つまり私が2課目の練習を始めてからは、おつきあいがなかったのだ。
■2006年の若衆は、この2頭に加えて【チャンドラ・グプタ】の3羽ガラス
それぞれの個性が際立ってきて乗り較べると面白い。
■【アウグス】の乗り心地は絶品。バネが効いていてゆったりとしていて安心して乗れる。
ただ、ときおり「こんな仕事やってられるか〜」と職場放棄したくなるようで、突然ゴネゴネと進まなくなる。
ゴネゴネに対して「えっ?」「どうしたの?」と「わけを話してごらん」という姿勢でいると泥沼化するので、「バカ言ってないで、仕事!仕事!!」とぴしっと流すと「はあ〜」と職場復帰してくれる。
駆歩発進には、従来通り手間取る。
気配を察して発進してくれるベテラン馬とは違うので、〈ためてゆるして〉という扶助のタイミングがとれない。
「もうそこから前をゆるして」と4%先生に声をかけられる。
どうも最後までギリギリに持って合図を出しているから「どこに出て行けというんだよ〜」と思わせているらしい。
一旦、駆歩が出れば柔らかく伸びやかな駆歩を続けてくれる。
■次のレッスンでは【ときめき】に乗る。
若衆のなかでほとんど駆歩に乗ったことがないのが彼である。
跨がったとたん「うわっコンパクト」と驚く。
歩幅が小さくタカタカとした反撞。
ちょっとした扶助でだっとスピードが上がるしキュッと鋭く回転する。
まるで日本が世界に誇るコンパクトカーですな… ジムカーナには最適。
「そんなに焦らなくていいから」とゆっくりリラックスして動いてもらうことに腐心する。
駆歩は右手前のみ苦労して発進したが、後は上手くいかなかった。
発進の合図が伝わらないと、どーと焦った速歩が出る。
それを止めて落ち着かせて再度駆歩の合図という一連の流れが、ヒートアップして混乱するだけになる。
止めようとすればするだけ、前に行きたがりこちらの姿勢もバラバラになってくる。
一度は駆歩できたのをよしとして、左手前は諦めてしまった。
まだまだ、駆歩のバランスとタイミングは馬の愛情に頼っているのが実感される。
■右に向きたがらない【グプタ】といい、馬の苦手をカバーするために自分の技術を向上させる必要性に迫られる。
速歩までなら、外方をしっかり支えるとかバランスバックして落ち着かせるとかなんとかなりそうなのだが。
駆歩は馬に教えていただく段階に留まっている。
4%先生がよく言っているが、
「駆歩も速歩も同じように乗ればいいんです」
「駆歩でできないなら、速歩でまず出来るよう練習していきましょう」
そうそう、勢いに乗せてわ〜と走ればいいってものではない。
バランスとリズムとタイミング、無理も無駄もない芸術的な動きが理想なのだから。



503鞍目 安定すると見えてくるもの [第12章 初級騎座拳安定編]

 2007-06-29(Fri) 初級クラス 通算503鞍目
■午後から細かい雨が降り出し、大気が重く湿っている。
夕暮れ時になって雲の切れ間が見え始めた。
「あっ虹だわ」
日没の最後の光がかすかな虹を浮き出させていた。
おばあちゃん馬は、あの橋を渡って行ったのだろうか。
■クラブに出かけたのはお昼過ぎ。
昨日空になってしまった馬房には、たくさんの花が供えてあった。
牝馬だし長寿だったからピンクパープルのきれいな色であふれている。
反面、隣の翁馬【主席】が寂しそうにぼんやりしている。
なんとなく厩舎全体が喪に服しているようなしめやかな雰囲気。
馬たちにもわかっているのだろうな。
「じいさま、力を落とさずにいてくださいな」と2頭分の黒砂糖を差し入れして、首を抱くようにスキンシップ。
これからの季節、どの馬も元気に乗り越えていってほしい。
■本日もお相手いただくのは【アレフ・ゼロ】
【チャンドラ・グプタ】との2騎部班になる。
4%先生が下乗りをして下さる。
先生がどんな風に乗っているかで、レッスンの意図や馬の調整具合を読み取ろうともくろむが今の私にはちっともわからない。
今日は随分と横運動が多いような気がする。
【アレフ】の華麗な肢さばきを見てほれぼれする。
「身体の柔らかな馬なんだなあ」
乗り替わる頃には、馬の汗が馬場の砂にぼとぼとと落ちる。
■【アレフ】エンジンの準備が万端整ったので、気力を喰われることなくスムースにレッスンが進む。
ちゃんと前に出ると【アレフ】の乗り心地は柔らかく弾力があって、それでいて渋く抑制が利いているので〈老練な〉とか〈名人〉という表現がぴったりくる。
そして、そういう状態で乗ると軽速歩でも速歩でもぴたりと姿勢が決まる。
気味悪いくらいにまっすぐに安定して乗っていられる。
■安定して騎乗できると細やかなことに神経が集中できる。
左手前での蹄跡行進では右脚が埒に押し付けられて擦れることが多い。
しかも右手前ではなんとなく馬体が斜めになっているような感じがする。
馬の後ろ半分が内側に入ってきているようで、馬のお尻を外側に押し出したい欲求にかられる。
巻き乗りや輪乗りでは、左手前は気持ちよくできるが、右手前が内に切り込んでしまう。
「まずは馬を外側に引っ張り出しましょう」と外方手綱を開いてスペースを作ることと内方脚で馬の肩を外側に押し出すようにと指示を受ける。
ただ、斜め外に馬を推進することだけではなく「馬の腰を左外に押し出したい」という気分にさいなまれる。
右の脚を前とか後ろとかいろいろな場所で押したりトントン叩いたりしてみる。
どこかに丁度いいスイッチはないだろうか?と。
あちこち落ち着きのない扶助に自分でもあきれる。
これじゃ【アレフ】にも伝わらないだろうし、下から見ている4%先生に「脚は静かに」と注意されるに違いない。
しかしながらこの件に関しては、ひと言の注意も指摘もなかったので、
レッスン後にたまらず「左手前の蹄跡行進で斜めになっているように感じるのですが?」と質問してみた。
すると「馬場で言う真直性、後肢が前肢の真後ろに踏み込んできていないのです」
「腰が内に入るような感じになってますね」との言葉。
「【アレフ】はちょっと右に偏りが出てきていて、それで右の巻き乗りも小さくなってしまうんでしょうね」との説明をいただく。
「そういう時はどうすれば?」
「首を内側に向けてあげればいいのですか?」と尋ねると
「馬の首はどうにでも曲がるので、巻き乗りする時のようにしてあげればいいですよ」と答えが返ってきた。
でも、何が原因でどんな扶助をすればいいのか、やっぱりわからん。
ただ自分の「あれっ?」と感じた違和感は、それなりの根拠があることはわかった。
■【アレフ】でのレッスンでは、今週はネックストレッチをつけず水勒だけで動かしている。
499鞍目でネックストレッチの効力を目の当たりにしただけに、水勒一本の重みを感じる。
鏡に姿が映るたび、馬の首はどの位置にあって鼻梁はどんな角度になっているか気になって仕方がない。
これまでも【アレフ】の口が遠い、首が稲穂のように垂れ下がって口を割っている、前にのめった姿勢でかっこ悪いし乗り難いとさんざんこの馬の悪口を言ってきた。
しかし、推進とハミのバランスが悪い騎乗者がその原因を作り出しているのだ。
■今日は下乗りのお陰か【アレフ】は楽に前に出てくれる。
ゆえに手綱がずるずる弛んでくることがない。
「もちぇさん、手綱をもう少し短く」
「一度に引っ張らなくていいいですよ」
「少しずつ馬の首が近くに来た時を狙って、短くなったらそこで持つ」とガイドされる通り、脚を使い内方姿勢をとるたびに馬の口が近くにやってくる。
また肘が伸びてきたなあと思っていると、
「もちぇさん、手綱を左右に引いてハミをすべらせてみて」と声がかかる。
指示通りやると肘は元の位置に戻る。
「馬が顎を引いてくれるとその分短く持てるでしょ」
「そうなれば、馬はもっと楽に動いてくれるから」
鏡を見るとかっこいい位置に【アレフ】の首が落ち着いている。
そのまま隅角を深くまわると芸術的な乗り心地。
顎を突っ張ったり巻き込んだりされると、手綱はもどかしい感じの長さになるし、手綱にかかる張力も前に出る力以外のよけいな力がかかってくる。
これまで馬に顎を引かせることを何度かやってみたが、この顎を譲ることそのものが目的ではなく、その後に続く魔法のような操作性の向上が真の目的とみた。
だから私は「馬上から見ると馬が顎を譲ったかどうかハッキリ見えない」と悩む必要はないのだ。
手綱にもどかしさがなく張力と前に出る力がぴったり合っているときの感覚さえ把握していれば、それが到達点の指標であるから。
■駆歩の講評は「最後の駆歩は安定してましたよ」が、ここのところ毎回続いている。
最初のうちは「まだ手が動く」と指摘されることが多い。
「拳が安定してきたら、その時の手綱を感じてみて」と送り出された駆歩は、ぴたりと安定していずこも弛んだりきしんだりしない。
速歩できちんとハミを受けている時の感触と同じ。
この感じ、いつもこの感覚に向けて行ければいいのだ。
しかし、どうすればこうなるのか再現性に著しく欠けるのが玉にきず…
■名馬【アレフ】から教えてもらえることは多い。
お年寄りで夏の暑さに弱いのが心配なのだ。
レッスンでお世話になったら、せめて丁寧なお手入れをして、不用意なストレスをかけないよう十分に気をつけなければ。

  


502鞍目 逆を張って試す [第12章 初級騎座拳安定編]

 2007-06-28(Thu) 合同クラス 通算502鞍目
■30℃が目前の暑い日が続く。
体調を崩していたおばあちゃん馬が亡くなった。
最高齢の【主席】と馬房が並んでいて、クラブの〈翁媼〉「鶴亀つるかめとおめでたい」象徴だった。
オーナーさんに看取られて静かに旅立っていった。
■この〈翁媼〉の馬房の前に私の鞍ロッカーがある。
鞍を取りにロッカーの前に立つと必ず2頭から「ぶぶぶぶっぶぶっ」と声がかかる。
「はいはい、じいさま。ばあさま。今日も練習しに参りました。」
「いつものように、お茶うけに黒砂糖などいかが?」とひとかけらずつ差し入れする。
すると、
「今日も頑張りなされ」
「早よ練習にいかんかい」と〈翁媼〉が送り出してくれた。
レッスンの時は常にこうやって励まされて来たのに…
オーナーさんがいらしたから直接的に関わることはなかったが、おばあちゃん馬の存在は大きかった。
■本日は中級初級合同レッスン。
私は【アレフ・ゼロ】
ご一緒の方々はそれぞれ【山桜】【とら】【青雲】で4騎部班となる。
■事細かくアドバイスがない中で、自分の課題と取り組む。
内方姿勢は、推進がないとぜんぜんダメ。ということで【アレフ】を前に出すことが最重要課題。
動かなくなってからグリグリビシバシするのはナンセンスなので、早めの対応。
ぴしっと長鞭を使ったところで
「そう、今の長鞭は効いてましたね。いいですよ」と4%先生のコメントが降ってくる。
指摘されてからやるのではなく、自分の判断でやった扶助にOK が出るのは嬉しい。
が、この一回だけ。
気力を食いつくされて、後はもったり運動で諦めムード。
「もっと推進」と教官から指摘され続ける。
■駆歩は、小股のちょこちょこ走りになる。
乗り難いからバランスがとれない、だから何とか大きく動いてもらおうと拡大の方向に考えて来たが、今日は逆をやってみる。
この小股の駆歩に静かに乗ってみる。
ロバかポニーに乗っているつもり。
身体を揺らさないよう、まん中にそっととまっている感じ。
この周期の短い反撞は苦手だ。
やはり、しっかり内方姿勢をとってもらって推進を十分にかけた駆歩のほうが楽だ。
■中級の方々が3課目Bの反対駆歩のパート練習をするので、場所をあけるように指示される。
3騎が待機なので、うろうろ歩き回っているより止まっていた方が安全と考える。
ただ【アレフ】をぼんやり停止させてしまうと、以降のレッスンは動いてくれなさそう。
なんとか馬とやり取りを続けなければと考える。
馬を歩き回らせず反対駆歩の練習の見学。
「歩かないでね」でも「あっちの方を見たいんだけど」と【アレフ】に伝えると面白いことにその場でぐるりと回ってくれる。
自分がコマの中心で馬がぐる〜りと回ってくれる。
おもしろい。ウェスタンのスピンのよう。
いつもとは違う動きを楽しませてもらった。
■本当は姿勢とかリズムとか、プレッシャー&リリースとか考えながら乗らなければいけないのだろうが、何も指示されないのをいいことに好き勝手をやっている。
もっと系統的に効果的な練習の仕方があるはずなんだろうが。
教官から特に何も言われないのは、心もとない。
自立しなきゃと思うけど…
■汗をかいたレッスンの後は【アレフ】の鬣を中心に全身シャンプー丸洗い。
すっきりしたというのは人間側の価値観だと思うけれど、夏は運動してシャワーを浴びてゆっくり休むというのはあながち悪いことじゃない。







501鞍目 もっと自立を [第12章 初級騎座拳安定編]

 2007-06-27(Wed) 初級クラス 通算501鞍目
■近所の方に驚かれた。「えらい日に焼けてまんなあ」
7月に入る前からこんがりきつね色になっていた。
夏至近くの強烈な太陽光を一日中浴び続けていたのだった。
ああ、おそろしや紫外線老化
■本日は【山桜】と。
【チャンドラ・グプタ】との2騎部班でごんちゃん先生が見て下さる。
■内方姿勢がきちんととれるよう、姿勢の入れ替えはスムースにと心がけたが、果たしてどれだけできたか。
反応のいい【山桜】だと、自分が正しい姿勢を維持していなくても馬があわせてくる所があって楽をさせてもらっているのだ。
慢心しないようにしないと。
■駆歩は、指示通り続けてくれるのだが… 
どこかで馬に無理をさせている感じがある。
レッスンが終わって、長靴手入れをしていると拍車受け(拍車をつけずにいた)の周囲に馬の汗と毛が付いていた。
駆歩の外方脚で踵を押し付けるように乗っている証拠だ。
拍車をはいていたら、駆歩をしている間中外方に拍車が刺さり続けていることなのだ。
私は踵でつかまっているのか?
ちゃんと走っている時は扶助をリリースせねばならないのに、それができていない。
■軽い扶助で動いてくれるから、つい扶助を使っていることすら意識しなくなる。
でも、それでは馬は楽になれない。
ごんちゃん先生は、あまり細々姿勢の注意はせず、のびのび運動させてくれる。
〈何も言われないし馬も動いてくれる〉というときは、どれだけ自分自身でモニタリングできるかにかかっている。
どんな状態を良しとするか、他人に指摘されないとわからないのではなく自分で判断できるよう感覚を磨いていかなければ。
教官にあれこれ指摘され解説されて、わかったつもりになる受動的なレッスンから、自分で自分の善し悪しをわかろうとする能動的な学びに切り替える時期にきているのだろう。
まずはどこから手を付けるか? 悩んでしまう。


500鞍目 スタンダードレッスン [第12章 初級騎座拳安定編]

 2007-06-25(Mon) 初級クラス 通算500鞍目
■とうとうこの日がきてしまった。
この節目の数字が持つイメージと自分の現状が余りに隔たっていて、「私は500鞍乗りました」と胸を張って言えない。
まあ、このうち約350鞍は駆歩恐怖のトラウマを抱えての騎乗だったからなあ。
先日鐙上げ駆歩ができたということで、よしとしよう。
■小糠雨の中、本日のお相手は【アレフ・ゼロ】
【毒うま】くんとの2騎部班でごんちゃん先生に見てもらう。
ドレサージュアリーナ全面を使って初級クラスの最もスタンダードな練習。
馬や騎乗者の組み合わせによって様々な内容になるレッスンなので、典型例をこなせる回は数えるほどしかない。
■朝一番、まずは手綱を伸ばしたまま常歩、軽速歩、そして駆歩まで流す。
かつて「手綱ブラブラでは方向転換できない、駆歩発進できない」とぼやいていたのがウソのよう。
馬たちは軽く駆歩を終えて「ブルルルっ」とウォームアップ完了の鼻息。
普段はここでネックストレッチをつけるのだが、ごんちゃん先生は水勒のみでやらせるつもりらしい。
慎重な4%先生に較べて、ごんちゃん先生の方が大胆でハードな内容。
女同士の方が容赦が無いというわけだ。
■ウォームアップでは【毒うま】のスピードに遜色なかった【アレフ】だが、
手綱をとって内方姿勢を気にし始めると、徐々にサイドブレーキがかかっているような重さになる。
舌鼓と拍車と長鞭とを使って動いてもらう。 
一瞬でも「もういいや」と気を緩めると、そのあとの挽回に3倍の気力体力が必要。
くう〜、気力食いの燃費の悪い馬だ。
■速歩で中央線に入り斜め横足の練習。
中央線でいったん巻き乗りを入れ、その姿勢を崩さないまま斜め前に進めていく。
「内方姿勢を維持したままで」が肝心なようだ。
つまり外方の規制を解かないことと馬のリズムに合わせた内方脚の推進。
左手前は姿勢もとれてスイスイと気持ちよく動いてくれる【アレフ】
だが右手前はただ斜めに直進しているだけなような…
前に進む力も弱いし、なんだがぐちゃぐちゃして何が悪いのか今ひとつわからない。
こうやって前進気勢がなくなると手綱をきちんと張っておけなくなり、
なんども手綱を持ち替えつつ内方向かせるなどのガチャガチャ操作が増えてくる。
最近の私は、手綱をガチャガチャさせているのに気がつくと気持ち悪くて、自分に嫌気がさす。
「なんですぐに手綱が緩むのっ!」 
「なんてがさつなのっ!」 
「馬の口の中を想像してご覧なさいよっ!」と自分の怒鳴り声が頭の中に響く。
何とかせんとなあ、すぐに手綱が緩む癖。
困ったなあ、前に出る力が弱くても動いていればまあいいかと流してしまう癖。
なあなあで騎乗してしまうと結局は馬の背中にも良くないし、人も徒労感で終わってしまう。
【アレフ】は速歩よりまだ駆歩の方がいい、はやく駆歩の号令にならないかなあ。
■「駆歩させてくれ〜」という心の叫びが聞こえたのか、ほどなくして駆歩運動。
【毒うま】とは蹄跡の対角線上に位置取り、それぞれ蹄跡行進、輪乗り、15m巻き乗り、斜めに手前を換えをする。
発進に手間取ったり、速歩に落ちたりということもなくなり何とか図形は描けるようになっているが、一定のリズムでバランスのいい駆歩には程遠い。
特に斜めに手前を換えは、途中で勝手に下方移行されたくなくてこちらも気合いを入れて走ってしまう。
それを受けて、まるで突進していくかのような走りになる【アレフ】
どんな図形を描くにせよ、バランスよく一定のリズムを刻めるようにまだまだ修行が必要。
ごんちゃん先生は、
「【毒うま】の駆歩は頭を上げるし【アレフ】は前にのめりやすい」
「それぞれ両極端のコワイ駆歩タイプですよね」と我らの苦労をねぎらってくれる。
そうなのだ、駆歩発進に苦労はしないが広い馬場で自由自在に駆歩するにはさらなる技術が必要。
「【アレフ】がのめってしまう時は、身体を起こして手綱をしっかり持つとさらに巻き込んでくるので、もちぇさんのようにやや前傾で手綱も強く持たない方がいいんです」
あらっ、やっぱりまだ前傾なんですね…
この場合、褒められているのか注意されているのか?
「そこで、脚で推進してあげれば頭が起きてきますから」
「起きて来たところで手綱で支えてあげればいいんですから」と説明を受ける。
速歩とやることは同じなのだ。
スピードがあるから慌てやすいが、滞駆歩時間が延びれば慣れるだろう。
■オーバーホール明けの騎乗では、〈手綱で支える〉が課題になってきた。
手綱を一定の張力に保てず、すぐ緩んでガチャガチャ握り直してしまう自分が嫌だ。
また、前傾したり肘を伸ばしっぱなしにして手綱を譲るのと引くとをごちゃ混ぜに使っているし、外側で支えるはずがいつの間にか許してタリラリランと外が緩み内側だけ引っ張り続けている。
何をさせたいのかわからないだろうなあ。
馬たちには申し訳ないなあ。
次の600鞍に向けて、馬とつながる時間を1秒でも長くしたい。
そして、一定のリズムでバランスよく駆歩ができるようになりたい。
基礎の基礎なんだろうけれど、それ以外に望むことはない。

 




499鞍目 ネックストレッチの威力 [第12章 初級騎座拳安定編]

 2007-06-22(Fri) 夏至 初級クラス 通算499鞍目
■ようやく梅雨らしい雨模様。
ところが、先のホースショーで大雨の中騎乗した経験が仇をなして
しとしと降る程度なら「これなら乗れる」と考えてしまう。
普通の感覚なら、雨傘と長靴を装備し屋外の活動はキャンセルするのに…
世間一般からズレてきている自分がちょっとコワイ。
■クラブに行くと、やっぱり皆さん乗っている。
本日もお相手は【山桜】にお願いして、4%先生のひとりレッスン
■このところの【山桜】は、さらなるバージョンアップをしたなあと感じる。
身体が柔らかいのが取り柄だったけれど、くねくねふらふらしがちで線の細いイメージだった彼が、芯が通って内側からぱんと張り出してきた雰囲気。
こっそり自主トレーニングでもしているんじゃなかろうか?
馬房でスクワットしたり、放牧中はずっと速歩でジョギングしたりする姿を想像してしまう。
■レッスンは並足から丁寧に運動を組上げていく。
元気のいい常歩で、隅角通や過巻き乗りを利用して少しずつ手綱をとっていく。
肘を起点に外方の手綱をしっかり張って、内方の脚は馬の肩を外に押し出すように使う。
「内方脚の力が外方の拳に出るように」と表現されるが、
確かに脚に使った力が外方の手綱の張力と連動している。
しかし、せっかく馬が近くに来て、手綱もピッチマーク3番と半分の理想に近い所まで短くできるのに、ちょっとした方向転換とかリズムの崩れでするっと手綱が緩んでしまう。
鼻がかゆくても決して片手手綱にしちゃダメだし、拳の位置も握りも気を抜いちゃいけない。
■「歩度を詰めて、速歩軽速歩」の号令。
歩様を変える前の「歩度を詰めて」の号令に最近ようやく反応するようになった私。
これまで枕詞程度に流していたのだが、脚を使って背を起こしてスピードはそのままに馬エンジンの回転数をあげて準備する必要性を【山桜】から教わった。
自分の扶助に反応を示してくれるからこそ、さらに脚を強めて手綱を譲るとポンと速歩になるというのが実感できる。
速歩でも、巻き乗り輪乗りで内方姿勢の練習。
「内方姿勢も収縮のひとつです」
「馬には不自然な姿勢だから、馬が納得するまではきちんと姿勢がとれないかもしれない」
「人がその姿勢以外にとれないように規制すれば、馬は内方姿勢をとれば楽になれるとかわる」
「人も我慢、馬にも我慢させて」
だんだん慣れてくると手綱も短く安定した状態を維持できる。
蹄跡にもどると「直進する時もわずかに内側を向かせて」と指示が出る。
ああ、これが外方のコンタクトってやつだ。
わずかに【山桜】の内側のまつげが見えるくらいの状態だと外側の肘に常に引っ張られる感じがある。
これがあるから、曲がる時にわざわざ外方の手綱を張って脚で規制してとゼロからの手順を踏まなくても、すっと動けるわけなんだ。
とまあ、一瞬いい感じになるがすぐほどけて緩むのが、私の現状。
緩ませずに維持するには、人の集中力や体力がさらに必要とされるということだ。
中央線から左右10mの巻き乗りをすると、新しい姿勢をとらせるのにあらぬ方に向きたがる【山桜】に手こずる。
「馬自身はどちらに行くのかわからないので、人がきちんと伝えて」
「もう一周同じ手前の巻き乗りで」とスムースな回転になるまで何度も回る。
正面を向いた時に馬体が一瞬まっすぐになりすぐに逆の姿勢をとらせるのは、思ったより難しい。
正面から審判が見ていたら、できていないのが丸わかり。
蹄跡から右に入って左に出るなど直線の組み合わせでも、直進と姿勢の入れ替えの準備という忙しい作業があるのを今更ながら気がつく。
ああっ、簡単な運動だけど何もわかっていなかった。
ちゃんとやっていたわけじゃなかった。
■「まっすぐ進む時と内方姿勢の時の拳の位置関係を気にして下さい」
「直進時は両拳は同じ位置に揃えて同じ力で持つ」
「内方姿勢をとっている時は、内側の拳がやや上がることはあっても外側は上がりません」
「外方拳は下ろしたまま動かさない」と改めて説明をして下さる4%先生。
ふむふむ、以前に「外側を固定して内側を引っ張って馬が苦しくないのか」という説明をしてもらった。
「馬は内側に顎を引くように首をかしげるから、スムースにいくのだ」と。
「だから、内側の手綱はすくいあげるように使う」と。
輪乗り速歩で拳の位置の確認を終えると、
「じゃあ、次は駆歩で」
■短蹄跡中央から輪乗り駆歩を出す。
「駆歩でも同じです」
「外側の拳は下ろしたままで」
右手前では左側の拳が安定しているのが自分でもわかる。
しかし、左手前になると
「ん〜外側の拳が上がって動いちゃいますね」と指摘される。
「外側の鐙を踏むことを意識してみて」
「内方脚は腹帯のすぐ後ろで」
言われた通りやってみる。
「内側に人が倒れ込むとどうしても外側の拳が上がってくるようですね」
うへえ、内側に傾く癖がまた悪さしている。
進行方向直前を見つめるのではなく馬場を広く眺めるよう、言われる前に気をつける。
自分が傾いているかどうかは広い空間の中の自分を意識しないとわからないのだ。
駆歩の回転運動で傾かないというのがこれからの課題だな。
■駆歩を終えて再び速歩。
蹄跡行進から斜めに手前を換えて斜線軽速歩で歩度を伸ばす。
斜線になってから脚で強く蹴るのではないことは、重々承知している。
手前を換える段から歩度を詰めておいて、斜線で馬体がまっすぐになってからグンと脚を入れて拳をゆずる。
「馬が行きたがっているのにあわせて、もうひとつ前を許して」と声がかかる。
ええ? 譲ってないですか?
どうもメリハリがないらしい。
やっているつもりのチマチマこちょこちょした扶助なんだろうな。
これも私の個性に由来するやっかいな課題だ。
■歩度の詰め伸ばしの後は、下方移行や停止の練習。
「準備して」と号令で、脚をやや後ろに付けて背を起こしてという動作をとれるようになってきたのだが、
【山桜】はこの半減却を違う意味で受け取っているらしい。
急によれるのだ。「どうして?何がわるいの?」
同じように使っているつもりの脚か拳に力の左右差があるのか?
ハッキリした原因がわからないまま、雑にならないよう左右差が出ないよう何度が繰り返す。
馬が「やらせたい事はこれね」と理解すれば、問題なく停止できるようになるのだが。
停止の扶助もバランスなど難しいことが山積したままだ。
■「じゃあ、今日はこれでネックストレッチ外しましょう」と4%先生。
ゴンちゃん先生の時はクーリング時はネックストレッチを外して楽に自由常歩をさせるパターンが多いだけに、レッスン終了だなと確信した私と【山桜】
ところが「常歩で推進して」「内方姿勢をとらせるように」と指示が出る。
のんびり自由常歩のはずが手綱で規制されたまま。
「ええ?まだ続くの? 聞いてないよう〜」と意義を唱えたのは【山桜】
常歩の蹄跡行進だけなのに、いきなり首が上がってくる。
そして水勒1本だけで、落ち着いた姿勢にしてコンタクトをとる難しさに直面。
鼻梁が垂直のあのいつもの美しい姿勢はどこにいっちゃたの?
頭が高い姿勢はなんとか落ち着かせたが、鼻梁は前を向いたままつんつんしちゃってる。
「内方姿勢をとらせて」と言っていた4%先生も、これはダメだと感じたらしく
「ハミを口の中で左右にすべらせてみて」
「馬が顎を引く感じになるように」とアドバイス
がーん、ネックストレッチのおかげでコンタクトがとれていたわけなのね…
クイクイと動かしてみるが、馬の首がフラフラ揺れるだけでなんの効果もない。
見かねた先生が馬を止めて、手綱を持ちくいくいと左右を引っ張る。
思ったより強く合図している。
「はいはい、わかりましたよっ」とすいと顎を引く【山桜】
ああ、私の扶助にはメリハリがないんだなあ。
■今度は心を入れ替えて、わかってくれるように明確に扶助を出す。
すぐ伝わって、顎を引いてくれる。
「その位置で!そのままっ!」
「舌鼓でいいからそのまま速歩に」
脚とか鞭を使ったらバランスを崩して拳の静定ができない私をお見通しの指示になっている。
速歩になってもなんとか維持していたつもりだが、隅角を曲がってまたもや解けてしまう。
世界のほとんどが拳になったような感じ。
〈そのままの位置で〉がかくも困難とは… 背中と拳の筋肉トレーニングしなきゃ。
■折り返し手綱やネックストレッチという助けがあって、馬に姿勢をとらせていただけだったと反省。
まあ、最初はできないことの自覚から始まるのだ。
最後の停止は四肢がそろって綺麗に止まれたから【山桜】を大いに褒めてレッスン終了。
学ぶことの多い45分間であった。








498鞍目 鐙上げ駆歩 [第12章 初級騎座拳安定編]

  2007-06-21(Thu) 合同クラス 通算498鞍目
■いま、限りなく500鞍に近づきたくない気分。
馬には乗りたいが「これだけ乗ってこの程度」という現実からは目をそむけたい。
■本日は【山桜】にお相手願う。
彼は、先週末の競技会で頼もしい活躍を見せてくれた。
なんだか一段と逞しくなった風情。
レッスンは、中級者@【チャンドラ・グプタ】との合同クラス。
例によって、中央に立つ4%先生の指示のもと各個乗りレッスンとなる。
■【山桜】は最初の常歩からぐいぐい歩いてくれる。
「もっと前に出さなけりゃ」とか「右に向いてくれない」などの苦労がない。
駆歩もスムース。
「隅角で内側に入ってきやすいので、もっと隅角通過を丁寧に」
「輪乗りに入る所で曲がり難いときは、もっと外方で押さえて」
など、要所でアドバイスが入る。
ところが、普段より早い段階で駆歩が始まり長時間続くと息切れがする。
ん〜、調子がいい時は駆歩が続いても平気なのだが、
今日はいきなりの駆歩でついていけないのか。
■常歩、速歩での運動に切り換えて、自分の身体を慣らしていく。
蹄跡行進でときおり巻き乗りを入れるというメニューをこなす。
「内方脚は馬の肩を外方の拳に向って押し出すように使って」
【山桜】は〈外側に押し出す〉扶助への反応がわかりやすい。
押し出して外方でしっかり受け止められると、するりと抵抗なく曲がってくれる。
このするりと楽に動く感覚が気持ちいい。
「速歩、鐙上げでも乗ってみましょう」
脚の付け根をしっかり伸ばす。
隅角通過を丁寧に行うと魔法の瞬間がやってくる。
楽になって馬がいかようにでも動いてくれる感じ。
「今なら駆歩でも何でもできるぞ」と思える。
■4%先生に「あの、駆歩の練習をしてもいいですか?」とリクエストしてみる。
「いいですよ、鐙上げの駆歩でもしてみます?」
今なら何の心配もなくできる気分。
駆歩発進。
最初は鐙を踏んだままで駆歩が安定しているのを確認できたら、
「しゅぱっ」と両方の鐙を脱ぐ。
脚を下に長く伸ばすと意識をするだけで、後はなんの問題もない。
方向を変えるのもできるし、鞭を使って前に出しても大丈夫。
反対の手前でも挑戦してみて、蹄跡行進と輪乗りとクリアできた。
駆歩から速歩に落とした瞬間だけ座れなくなるが、慌てず常歩まで落としてしまえば鐙上げは問題ない。
「やった、やった、できた、嬉しい〜」
ようやく到達できた〈鐙上げ駆歩〉の境地。500鞍目前で間に合った。
駆歩バランスのゴールであり悲願であった。
■「競技会の観戦が役に立ったかな」
「自分が乗るつもりで人の騎乗姿を見ることができるようになると、得るものが多いんです」と4%先生の談。
とまあ、やっぱり【山桜】のおかげである。


前の10件 | - 第12章 初級騎座拳安定編 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。