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第14章 初級駈歩向上編 ブログトップ
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593/594鞍目 今なら離陸できる [第14章 初級駈歩向上編]

 2007-11-09(Fri) 初級クラス 通算593/594鞍目
■先月の半ばぐらいから、馬に乗ることにクリアな焦点を結べない。
「あれ〜、今日のレッスンは何をやったんだっけ?」と思い出せないことが多い。
いよいよ老化現象が顕著になってきたのかも。
そうは言っても、
「うむ、今日も気持ちよく馬に乗れたぞ」とご機嫌で帰るのだから世話はない。
■本日のひと鞍目は【アウグスティヌス】
本当は【とら】ちゃんが配馬されていたのだが、4%先生の下乗り中に「今日は止めましょう」と【アウグス】と交代になったのだ。
厩舎の廊下で足音のリズムが変だなと思った悪い予感が的中してしまった。
(せっかく療養生活から復帰したところだったのに、気の毒なことになった)
急遽仕事にかり出された【アウグス】は「え〜またレッスンに出るの?」とご機嫌斜め。
「まあまあ」と皆でなだめながら、【毒うま】くんとの2騎部班となる。
■最初はゴネゴネと前に進んでくれないのに、いったん納得するとずんずん前に出てくれる。
乗り心地は今日も最高。
駈歩では、輪乗りから蹄跡に出る所で速歩に落ちるので「こらっ、勝手に速歩しないで」と叱りながら再発進する。
4%先生いわく、
「輪乗りをしていたら次も輪乗りと思うのが馬」
「自動車ならカーブに来たらハンドルを切ればいいけれど、馬はそういうものじゃない」
「行く先を変える時は、その手前から脚を強く使うなりして馬に準備させましょう」
「カーブの直前で急に進路をかえようとするバランスの崩れで速歩に落ちるんだと思いますよ」
その通りだなあ、まだまだ駈歩では次の運動をイメージして乗ることができてないのだ。
■「もちぇさんは、駈歩長蹄跡では拳をくっつけるようにして乗りましょう」
「今度は拳の間を左右に広げてみましょうか」
意図を語らないことで有名な4%先生だが、このエクセサイズの目的は拳の安定(特に左右を揃える)にあると見た!
駈歩に乗っているのが精一杯だった時代には、拳をなんとかしようと思った途端に空中分解していたのだから、曲がりなりにも指示された事ができるのは嬉しい。
【アウグス】の駈歩は気持ちがいいから、いくらでも乗り続けたいと思うがあっけなく終了。
駈歩を楽しめるようになるなんて1年前には考えられなかった。

■ふた鞍目は【チャンドラ・グプタ】
4%先生が引き続きご指導くださる。
■【グプタ】も右に曲がり難いのだが、【とら】ちゃんと同じようなタイプらしいと気がついた。
中央線を鏡に向って直進していると、四肢は前後でまっすぐ揃っているのに首だけわずかに右に折れている。
なるほどなあ、首の位置に気をとられて、手綱でぐいぐい引っ張り回しているから上手くいかないんだ。
「どの馬でも大なり小なり曲がっているんですよ」
「母親のお腹の中にいた時に首を折って丸くなっているのが原因という説があるんですよね」
そうか、首の長い動物は前後に折るのではなくて左右で畳まれているのか、大変だねえ。
「首の折れがあると当然、筋肉の使い方にも歪みがでてきますから」
「少しずつでも均等になるよう運動させる中で考えていくんです」
ふーん、馬を調教したり調整するというのは、
〈馬に言うことをきかせる〉〈馬に運動の手順を覚えさせる〉という表層的なやり方ではないのだ。
筋肉の発達をするのを待つなど時間や手間のかかる仕事なのだ。
■【グプタ】も【アウグス】と同じ時期に新馬としてやってきて、右の駈歩がスムースに出ないという難点を抱えていた。
私にとっては、蹄跡半周でも駈歩ができればそれで満足という要求水準の馬だった。
ところが今日は駈歩ができて当たり前の感覚になっている。
もちろん、発進でもたつくことが多いのだが「これじゃ、できるわけない」という拒絶感がない。
内方姿勢を取らせるのに輪乗りの中で巻き乗りしたり、輪乗りを閉じてから開いていくなかで発進の扶助をおくってみたりと4%先生がいろいろなメニューを提案して下さる。
■特に、輪乗りを開いていくところで「今なら絶対離陸できる!」と感じる馬の瞬間があった。
「今ここで外方脚をすっと引けばふわっと駈歩が出るぞ」と確信する。
馬がグウウと力をためて指示を待っている状態。
すかさず「駈歩の準備」と声がかかったのに…
蹄跡に出るあのポイントから出そうと欲を出して2歩よけいに歩かせたら、すうとエンジンの推力が低下。
ああ、あの推力マックスの状態で駈歩出せばよかった〜 
もたついた駈歩になってしまって残念。
■これまで駈歩発進の難い馬の場合、先生の「〜して」という指示に従って努力してきた。
しかし、いかんせん指示を聞いてから人が反応するから、チャンスを逃してしまう事も多かった。
「馬がどんな状態なのか感じ取って下さいね」と言われながらも、よく分からないまま無闇に扶助を出す日々が続いていた。
それが今日は、「推力最大、離陸します」という馬の状態をありありと感じ取ることができたのだ。
先生の逐次指示ではなく、自分と馬のやりとりで駈歩出せるかもと先の見通しが明るくなった。
■ホースショー後のレッスンでは、〈馬を伸ばさすに推力をためる〉課題に取り組んできたが、馬の状態を強烈に感じられた今日は記憶に残る日になりそう。
■駈歩の後は、速歩での怒濤の回転運動。
「3湾曲、次は4湾曲、そして次は5湾曲ね!」
25m×40mの馬場を細かく動いていく。
乗っていてふと気がついた。
2湾曲は曲線が隣接するから一瞬で姿勢を変えないといけないのだが、3湾曲から湾曲数が多くなるに従って直線部分が多くなるのだ。
「次のカーブはどこを通るかしっかり見て」と4%先生と言われながら、
「カーブは小さくなるけれどまだまだ先にあるなあ」と思う。
カーブまでの準備距離が長いから、姿勢の入れ替えがかえって楽に感じられる。
■「じゃあ、最後は手綱を楽にして脚と姿勢だけで馬を左右に動かしましょう」
馬上体操でするように人の上半身を振り向くようにねじると、振り向いた側に馬は曲がっていく。
「見えるのは馬の首がほとんどだけど、馬の体全体を感じられるようにしてくださいね」
「手綱に頼らなくても、馬は左右に動くでしょ」
その通りである。
目に見えない後ろ半分にエンジンもタイヤもついているのだから。

■乗馬って、同じようなことをやり同じアドバイスを繰り返されていても、新しい発見があるから素敵。
いや、同じような毎日だからこそ小さな違いに気がつけるのかも。
■いよいよ来週から出稼ぎの季節に突入。
去年のように外界と遮断された働き方ではないが、これまでのように連日クラブに通うことはできなくなる。
ああ楽しかった日々よ、ありがとう。
ひとつ区切りとなそう。


592鞍目 馬を伸ばさない [第14章 初級駈歩向上編]

 2007-11-08(Thu) 初級クラス 通算592鞍目
■とうとう立冬。暖かな小春日和。
■本日は【とら】ちゃんがお相手を務めて下さる。
彼は冬毛がもふもふと伸びて、かつての拍車痕も目立たなくなった。
つやつや輝く夏の薄い皮膚もいいけれど、ぬいぐるみのような冬毛もかわいらしい。
【アウグスティヌス】と【ムーン】の3騎部班で4%先生のレッスンになる。
■馬体に左右差があって、回転運動や駈歩で難儀しやすいといわれる【とら】ちゃん。
今日はものすごい発見をしてしまった。
レッスン中盤、中央線を入って鏡に向ってまっすぐに速歩する指示が出る。
「直進ですから、馬の前後肢が揃っているか鏡で確認してください!」
「【とら】は首がちょっと左に向いていてもいいですから」と4%先生が脇でつぶやいた。
「もう【とら】ったら、きちんと正面を向いてくれないんだから」と手綱でぐいぐいやろうとした矢先だったので、鏡を見て驚く。
「あれ〜、四肢はきちんと揃って進んでいるではないの!」
「首だけ左に折れているんだ」
すべてがひとつに繋がった。
基本姿勢で首が折れているから、右肩に重心が移り易いのだ。
右手前で内側に切れ込んでくるのもこれが原因か!
見える所は馬の首なので、つい首の向きをあれこれしたくなるが、実は馬の肩を脚でどう動かすかなのだ。
首の向きじゃなくて、まずは馬の肢がどうなっているかを感じ取らなければ。
そう言えば、左手前で巻き乗りをするとまったく曲がらない時があった。
「どうして? 直前まできれいに左内方姿勢を取っていたじゃないの?」といぶかしく思っていたが、外側に依拠した姿勢ではないから、右の肩から逃げていたのだ。
そうかあ、右の押し手綱が効果的なのは、【とら】ちゃんのこういう特徴によるものだったのかあ。
ものすごい納得。
■それ以降の直進では【とら】の首の向きには頓着せず肩が揃って動いていればよしとしていると、
「もちぇさん、馬がまっすぐ進んでいるなら、首の向きもまっすぐになるようにしましょう」と注文がつく。
そうか、折れた首をそのままにしているのも問題か…
左手前の蹄跡行進だから、首の位置を手綱で直しても肩から逃げることはない。
確かに今のままじゃ巻き乗りしてくれないだろうな。
左に向き易いからこそ、外側(右)の手綱でがっちり支えてあげないと曲がれないんだ。
でも、いつも右側のハミにテンションがかかっているのは、いかがなものか。
【とら】ちゃん、つらくないんだろうか?
■その他の運動では、4%先生ご指導のキーワードが「伸びてきてます」である。
駈歩や速歩での詰め伸ばしなど頑張って動いた後の運動で、私は手綱を拳半分ほど伸ばしてしまう癖がある。
緊張と弛緩のメリハリをつけないと馬がイライラするのではないかと、ついやってしまうのだ。
そこを「手綱を短くして」「馬が伸びてきちゃっているから」と見咎められる。
「うう、今のは知らぬ間に手綱が長くなったんじゃないんです」と心の中で弁解する。
運動の組み立て方によっては、馬の緊張を維持したままの方がいいこともあるから、勝手に手綱を長くするのはまずいのかも。
「ピッチマークの3番目を持てるようにして!」
ほえ〜、何があっても手綱の長さを死守せよとの厳命だ。
輪乗りの速歩で手綱の長さを維持するには、推進するしかない。
前に出てきたら、今度は手綱に凄い力がかかるんですが…
綱引きのように持っていかれる感じとは違って、どむっと重いものが手綱の先についているみたい。
落ちそうになった人の腕をつかんで「決して放しはしないっ」と顔を歪ませるヒーローになった気分。
こんなんで、いいんだろうか?
アクションシーン並みの運動をしているので、何がどうなのかよく分からないのだ。
反撞が大きい【とら】なのだが、振り落とされまいと「そっと動いてね」と抑えて乗るよりも、推進も手綱も両方使ってパワフルに動かした方が乗り心地がいいように思える。
ん〜、これから学ぶべきことが沢山ありそうだ。
■駈歩では「発進前に馬が脚に反応するか、まず確かめましょう」といつものガイダンス。
「反応が鈍いようだったら、強く合図するとか鞭などを使って反応するような準備をしましょう」
同じ台詞だが、今日は新鮮に聞こえる。
内方姿勢を取っているか、馬が伸びていないか、これらの扶助に馬が応えてくれているか。
レッスン前半で苦労したことなので、改めて自分のやっていることの振り返りになる。
駈歩発進は「馬の伸ばした状態にしない」でスムースになる。
ふむふむ、【とら】は馬体が大きい分ためをつくる状態がわかり易い。
■駈歩は右手前で内側に入られ易いのだが、何もしなくても右前に荷重し易い【とら】の特徴に合わせた、駈歩の乗り方は今後の課題なんだろうなあ。
多分「内方脚で支えて」なんだろうが、駈歩の脚が安定していない自分にはまだまだ難しそう。

■それにしても、ホースショーのビデオに映る駈歩の騎乗姿勢は情けなかった。
【とら】ちゃんとか【毒うま】くんのダイナミックな駈歩に乗っても怖くなくなったのは、この1年の大進歩だが、いったい何時になったら〈思わず目をそむけたくなるようなみっともない駈歩姿〉から卒業できるんだろうか。
優雅な騎乗姿勢を得るのがもちぇの悲願なのだ。

 


590/591鞍目 手綱を短くって言われても [第14章 初級駈歩向上編]

 2007-11-07(Wed) 初級クラス 通算590/591鞍目
■雲ひとつない青い空に黄色に輝く銀杏並木が映える。
肌寒いどんよりした日が続いただけに、小春日和の穏やかさが心にしみる。
我がクラブも、オータムホースショーを終えて普段の練習に戻る。
■本日ひと鞍目は【とら】ちゃん。
中級の方@【青雲】、マダム@【チャンドラ・グプタ】との3騎部班で4%先生のご指導を受ける。
運動会が終わってそれぞれ新しい課題にとりかかるべく、これまでの配馬とは趣が違ってきている。
私はとにかく騎乗姿勢と駈歩の随伴をなんとかしたいのだが…
■休馬明けの朝一番ということもあり、常歩での巻き乗りなど馬のストレッチを多めに取り入れる運動メニュー。
【とら】ちゃんは、いつものように右に曲がりにくいとか虫を気にするなどの操縦困難を伴うが、途中から左右差がなくなってくるような感じ。
ウォームアップでの駈歩を終えていったん常歩で一息ついたあたりからである。
4%先生は「馬が集中しだしたからですね」とおっしゃるが、
何をすると集中させられるのか? 
自分で乗っていながら、何が功を奏したのかわかっていない。
■「手綱は3番目の目印の所で持つようにして」
「短く持てないなら、まずは脚を使う」
「脚の効きが悪いようなら、鞭で脚位置を刺激して注意喚起してみて」
私が普通に持つとどうしても4番目になる。
3番目をしっかり持とうとすると、緩ませないで持つ握力が必要で、常に脚で推進しなければならない緊張状態に陥る。
ここで「ほへ〜」と弛んだままにしたら良くないとわかるのだが、緊張の解ける一瞬がないまま、流れにのまれてうやむやになっていく。
この流される状態は気持ち悪いなあ。

■ふた鞍目は【毒うま】くん。
【アウグスティヌス】【時鮭】の3騎部班で同じく4%先生のレッスン。
■先のひと鞍目が、やや重く右が固めの馬だっただけに、どんどん前に出てくれる馬は自分の騎乗に集中できるゆとりがある。
「軽い馬ほど手綱がきつくならないよう気をつける」と前回の【毒うま】で学んだので、ブレーキをかけたり曲げたりと手綱を使うたびに「ちゃんと緩めているか」の確認をする。
手綱の滑り止めの右4番目が取れているので、(多くの人が持つから取れたと考え)そこを定位置として持っていると、
「もっと短く持てます、拳を自分の前で揃えて置ける長さで」
「【毒うま】はピッチマークの3番、2番でもいいくらいだから」と教えてもらう。
ええー? こんなに短く持っていいんですか?
時に【毒うま】は首がクイと曲がり騎乗者の近くまで来てくれるのだが、実際にはハミの手応えがなくスカスカになってしまうことがあり、あえて短くするのに抵抗感があった。
拳に感じる手綱の張力が一定の時は、3湾曲も巻き乗りも気持ちよく決まるのだが、ひとたびハミの手応えがなくなると馬の体が斜めに走っているように感じられるなど、すべてが緩んで崩れていくみたいだった。
■駈歩では、3頭同時に走るのがスリリング。
追い抜かれそうになったり、追突しそうになったり。
いずれも血気盛んなスピード系の馬。
前方で停止中の馬を発見する等、駈歩の勢いを削ぐ場面がたびたび出現する。
「ちょっと待って」と私が気にするので発進がもたつく。
駈歩が出にくく速歩になってしまう状態を「馬が伸びているから、いったん常歩に落として!」と注意されて、ようやく「伸びた馬」を縮める実感がつかめてきた。
その後は速歩からの出し直しも順調にいって、駈歩は気持ちよく乗れる。
■「もちぇさん、拳は鞍の前に」
「手は下に落としておくように」と4%先生が注意して下さる。
そうそう、拳を動かさないでおこうと意識すると、結局身体の揺れと一緒に動いていることをビデオ姿で発見して、これは肘を開閉することで揺れを吸収しない限り解決できないと思い至ったのだ。
拳を動かさないために肘をやわらかくする。
ちょっとはできたかな?
無理なく乗れる駈歩をしてくれる馬でないと、なかなか自分の姿勢を直せないのが悩みだ。

■レッスン中の休憩時間に、4%先生に尋ねられた。
「こんどのホースショーはどうでしたか? 楽しく乗れましたか?」
「はい、もちろん!」
「お察しの通り、すごく楽しかったです」 
準備運動から待機馬場、経路に至るまで、何の翳りもなく馬に乗る経験をさせてもらったのだ。
「馬が動いてくれない、暴走したらどうしよう、駈歩がでないし続かない、準備馬場で各個乗りするのが怖いetc.」といつも不安が暗い影のように付きまとっていた。
それが今回は、まったくなかったのだ。
来てくれた家族に、
「ほら、見て!」「馬に乗れるようになったのよ」と笑顔で手を振る幸せ。
初めて補助輪なしで自転車をこげるようになった時のような高揚した気分だった。
「楽しんで乗るってことは大事ですよね」とおっしゃる先生。
いやあ、ここまで来る道のりの長かったこと。
ようやく〈馬に乗せてもらう〉から〈馬に乗る〉へ変わることができたと思う。

*** オータムホースショー関連の記事は、後ほどアップします


588/589鞍目 乗り心地 [第14章 初級駈歩向上編]

 2007-11-02(Fri) 初級クラス 通算588/589鞍目
■このところ現世の雑事が多くて、日々の暮らしにおける馬係数が低下している。
しかし、馬の背中をなでていると実感が戻ってくる。
ゼッケンをのせる前に、馬の背骨に沿ってゆっくり騎甲から尻尾まで。
「この背中に支えてもらっているんだなあ」
骨のゴツゴツ感と背中の滑らかさを感じながら何度もなでる。
肌寒いので、この温かさ柔らかさにめろめろになる。
「ああ、馬だ〜」
馬エネルギーのチャージ完了。
■今日は変則的に午後の騎乗になる。
ひと鞍目は【アウグスティヌス】
【山桜】との2騎部班で4%先生にみてもらう。
■【アウグス】はややご機嫌斜めな感じでゴネゴネする場面が多い。
しかーし! 自分のことはさておいて、
この馬の乗り心地は、史上最高 !!!!!! 次元が違うと思う。
ここまで気持ちよく乗れるのに話題沸騰しないのが不思議なくらい。
もしかして側対歩しているのかと思うほど、滑らかで弾力があってすうと前に出てくれる。
乗るたびに感激している自分が滑稽だ。
■駈歩では4%先生に外側の手綱を注意される。
「外側で馬を回すように」
定型文のようで便利だが、人や馬の状況でその中身は千差万別。
手綱を長いままにしない、緩めない、脇を空けない、開き手綱を使う、内方を緩める〜 やる事は沢山ある。
理想は、傍目ではわからないようなわずかな動きなのだろう。
でも、現状はバランス不良による各パーツの遊びが大き過ぎる。
騎乗の上手下手は、この遊びが多いか少ないかなんだと思う。
しかたない、今は大きく動いてガタピシ騎乗するなかで何とかしよう。
■最後に2課目経路を回ってみる。
【アウグス】は駈歩ゴネゴネモードなので定点からの発進、継続ができない。
ダメもとの意識があるので落ち込むことはないのだが、
4%先生からは、
「駈歩がでないまま速歩で慌てて発進させようとしても、かえって出にくいです」
「そのまま速歩が続くと、経路では不実施と判定されてしまう」
「それなら、いったん常歩に落としてから落ち着いて駈歩を出した方が成功の確率が高いです」
といつもの焦り癖を戒めるアドバイスをいただく。
そうなのだ、【アウグス】に限らずどんな馬でも不測の事態は起こりうるわけで
このアドバイスは普遍性のあるものだ。
■それ以外の速歩は口笛を吹きたくなるほど乗り心地がいい。
歩度を伸ばしても転げ落ちそうにならない速歩って、本当に素敵!

■ふた鞍目は【毒うま】君と。
【アウグス】が関節や筋肉の連携が緊密でぐっとまとまった乗り心地だとすれば、
【毒うま】君はいろいろな関節がゆるんで外に開いてしまっているのではと思えるような乗り心地なのだ。
どんどん加速する走り方も、前へ外へ逃げるような感じで求心力をとらえられない。
私には難しい馬なのだ。
続けて騎乗する機会では、このような馬の違いが鮮烈に感じられる。
引き続き4%先生のご指導で、今度は駈歩クラスの方@【アウグスティヌス】との合同レッスン。
■速くなりがちな【毒うま】のぺースを抑えるように乗っていると
「拳をほんの少し前に出すようにして」といつもの不可解な指示がでる。
輪乗りをしていても
「蹄跡沿いを走る時は内側の手綱を楽にしてみて」と言われる。
取り立てて馬と綱引きをしているつもりはないのだが、といぶかしく思っていると
「軽い馬に乗っていると知らぬ間に手綱がきつくなるんです」
「馬の口が楽にならないと、どんどんエスカレートして止まらなくなりますからね」
【毒うま】君は手綱を引かれて苦しくなると首をあげてくるから、その分手綱が短くなって持ち直してさらにきつくなる連鎖がうまれるらしい。
なるほどなあ、意識して馬の口を楽にしてあげなければ。
【アレフゼロ】と逆である。
手綱を持てば持つほど走ってくれるのが馬なのだ。
■知らぬ間に手綱を持っているのは、バランスが悪く手綱にぶら下がっている時にもあり得る。
というわけで、手綱が緩んでいても姿勢が変わらないようにと変則軽速歩の練習となる。
〈2回立って1回座る〉いつものパタ−ンだけでなく、〈1立ち2座る〉〈2立ち2座る〉など自分のバランスだけで動けるように練習する。
その後は速歩の練習も。
【毒うま】の速歩は、左右のブレが大きい。
意識して左右の座骨にのるが、上下する振幅にも左右差があるような感じ。
難しいお馬さんだ。
■クリアな駈歩発進にも苦労する。
私が初級クラスに進級した最初の頃は、軽くてほとんど何もしなくても出てくれたのに、今ではグウと矯めてからでないと出ない。
そして、うしろから【アウグス】が追いかけてくる。
どうも競馬モードになったらしい。
半馬身差まで迫る。
あやうく差されるところで「速歩、軽速歩」の号令。
前を走っている分には何ともないのだが、【アウグス】に乗っている人が怖がりでないことを祈る。
■夏の頃の完膚なきまでに叩きのめされた騎乗に較べれば、楽しく乗れた。
「もちぇさんが進歩したからですよ」と先生が持ち上げて下さる。
まあ、乗り心地の差がわかるようになった程度でも進歩のうちだ。
今はそれで良しとしよう。

■明後日に迫った運動会にむけて経路の練習する人が多い。
いつもの午前中常連とは違う方々の様子を眺める。
「ううむ、2課目経路デビューですな」
「今回もいつも組む馬と一緒ですね」
「あれれ、常歩パートをとばしませんでしたか?」
自分が慣れてきたせいか、
他の人が苦労している所に「そうそう、難しいよね」と共感してしまう。
うまくいかないと嘆いている人の背中にそっと囁く。
「私もそうでした!」
「去年は私が馬場の中でめちゃくちゃな経路を走り倒してますから、それよりはマシですよ」
それぞれ似たようなことで悩むんだ。
まっとうな苦労の道を順調に歩んでいるじゃないか。
みんな、がんばれ! 


587鞍目 パートナーシップ [第14章 初級駈歩向上編]

 2007-11-01(Thu) 初級クラス 通算587鞍目
■カレンダーをめくって、霜月に。
この時期特有の暗く煙ったような雨の日が趣き深い。
肌寒く気が滅入るばかりで、紅葉した街路樹すら寂しく感じられる。
でも、まだ凍える冬には間がある。
終末を予感させるけれど今ではない。
長いお別れのはじまり。
■昨年同様、出稼ぎの準備が始まる。
馬の事だけを考えていた日々に、突如として割り込む異形の現実。
馬に乗って手入れをし散歩させながら、馬と人しかいない世界を浮遊していたのに…
楽園から引き戻されたような気分を味わっている。

■本日のお相手は、古き戦友の【山桜】
【ムーン】との2騎部班で、ごんちゃん先生に見ていただく。
小さめの馬場で朝一番のウォームアップから始める。
「最初なので反応が鈍いことがありますよ」と言われるが、駈歩発進もピタリと定点から出る。
今の私には、文句のつけようがない。
■運動会にむけて、こまかなパート練習となる。
速歩は私が普段乗っているよりも、もう一段元気に動かすようにと言われる。
おっとり乗っていると、前進気勢の不足と評価されるらしい。
「やるぞ、やるぞ」という沸騰寸前の状態が理想らしい。
【山桜】はホットになりかけても、すんなりと落ち着いてくれるので安心していられるのだが、この状態は心臓に悪い。
特に【山桜】は身体が柔らかく敏感だから、ちょっとした拳や脚の左右差でくねっと曲がったり、駈歩を出したりしてくれる。
沸騰寸前の馬と喧嘩しないで、氷のように集中し切ればすごいだろうなと思う。
あこがれなのだ。
ぴーんと張りつめた緊張の中、一瞬でも均衡が破れたら暴発しそうなパワーをギリギリでコントロールして経路を回る。
その根底には「この馬を心から信頼している」「この人間を信頼している」という人馬相互の絆が感じられるさま。
いいなあ。
妄想の世界が広がってしまうけれど、【山桜】とはその片鱗を味わせてもらっている。
■定点からの駈歩発進や輪乗り、駈歩からの下方移行など難所パートのおさらいをする。
ほぼ思い通りに動いてくれる【山桜】に大船に乗った気分にさせてもらう。
去年の今頃は、無難に経路を回れたのは1度きりで「お願いだから暴走or省エネ走行しないでね」と祈るような気持ちだったのを思い出す。
「駈歩輪乗りが膨らみがちな時は、外側の脇を締めるようにしましょう」
「速歩入場停止&速歩発進の時に、前肢はちゃんと出るが後肢が左右にぶれ易いので、脚の扶助は左右差なく前にドンと押し出すつもりで」とごんちゃん先生から【山桜】騎乗時の留意点を教えてもらう。
■トラブルがなければ【山桜】が主戦馬になるようだ。
彼との2007年を誇れるよう精一杯頑張ろう。 おー!


585/586鞍目 馬も人も成長する [第14章 初級駈歩向上編]

 2007-10-29(Mon) 初級クラス 通算585/586鞍目
【主席】が逝ってしまって1週間。
私の鞍ロッカー近くの馬房は沈黙したまま。


祭壇には彼の遺影が飾られ新たな花束や供え物が増えている。
寂しくて切ないけれど、多くの人が彼のことを心に留めてくれた事実に救われる。
調子を崩してからは何度も獣医さんを呼んでもらえたし、
最後の時はレッスン時間中にもかかわらず「私は乗ったことはないけれど、ひとりにしておくなんて絶対にダメ」と見守り続けて下さった方がいたし、
その後の作業もベテランの方々が手伝って下さったようだ。
そして、悲報を聞いてわざわざ花を手向けにきて下さる会員の方々。
彼とつながっている人達がこんなにもいる。
それだけで心に陽が射す。
■「よちよち乗馬クラブの【ひとつの時代】が終わったなあと感じるんですよ」と感懐をもらす方がいた。
クラブ設立当初の輝かしい競技馬から、信頼の置ける練習馬へそして療養生活。
同じような毎日が過ぎていくように見えて、老い衰えさせる時間の流れはとどめようがない。
■反面「どうしようもない」と嘆かれていた馬が、いつの間にか諸問題をクリアしている。
暴走馬と怖れられた【山桜】しかり、永遠の新馬【アウグスティヌス】しかり。
「危ない」「何もできない」と言われ続けて、それでも辛抱強く時が経つのを待った人達がいる。
馬に乗り始めて3年を過ぎて、見えてきたことである。

■朝一番のレッスンは見慣れた顔。
40代も半ばになると習慣的な行為に愛着がわく。
目新しいことに出会うのが苦手になるなんて惚けの始まりなのだが…
配馬表には雷雨でずぶぬれになって以来の【アウグスティヌス】の名前。
「キャホ〜、久しぶり」と喜ぶ。
いつものメンバーで【毒うま】【チャンドラ・グプタ】【山桜】の4騎部班。
■4%先生は運動会にむけての経路練習会とする意図らしい。
部班での運動でも、速歩歩度の詰め伸ばしや停止や移行の練習を細かいところをやる。
【アウグス】って、後肢の踏み込みが大きくて乗り味最高の馬ではあったが、
部班で細かい運動をさせるのは難しい馬だったはず。
突然、止まったり後退したり。
しかも私は駈歩はマトモに走らせることができなかった。
それなのに… あれっ? 部班2頭目で普通に運動している。
4頭同時に輪乗り駈歩できている。 あれっ?
しかも極めつけは、右手前駈歩が最高っ!!! の乗り心地。 
どこでも自由に飛んで行けそうな開放感。 
重心線がピタリとあっているから身体も拳もどこも揺れない。
この感触は首を下げて駈歩する【クレヨン】君並み。
■秋の運動会では、中級クラスの方が【アウグス】で2課目にエントリーしている。
その練習の成果なのか?
何の問題もなく気持ちよく運動できていることが不思議に思える。
「じゃあ、もちぇさんも【アウグス】で2課目経路やってみましょう」と4%先生に言われて、「冗談でしょう」とは思えず、素直に「はい」と答えてしまう。
■他の人馬が演技中、止まって見学しているうちにいつものイヤイヤ【アウグス】が出現する。
そうだよね、自分が何をすればいいのか見当がつかなくなると首をあらぬ方に曲げて指示通り動かなくなるんだよね。
「まずは前に出して」という4%先生のアドバイスに従って、ピシピシやると「あらら…」リセット完了。
元気よく駈歩まで出してくれて待機馬場での運動OK
■2課目経路は、速歩で詰めようとしたら止まってしまうところもあったけれど、調子いい。
左手前駈歩でようやくおなじみの〈駈歩が出ない〉状態に陥る。
何度かやり直しをして切り抜ける。
最後の速歩はやっぱり調子がいい。
知らない人が見たら駈歩が定点から出ないなど問題だらけの経路だと思うが、あの【アウグス】に私が乗ってここまでできるなんて…(涙)
■彼がこのクラブに来た最初、馬運車から降りてきた姿からずうっと見つめ続けた私には、感慨深いものがある。
中央線や斜線をまっすぐ進めない、常歩から駈歩はでない、駈歩の斜め手前替えなんて無理、いやいや、レッスン中にうんともすんとも動かなくなった所も見たぞ… 
それなのに「できるようになったんだねえ」「成長したねえ」

■ふた鞍目は【山桜】となる。
同じメンバーで【毒うま】【アウグスティヌス】とそれぞれの愛馬に騎乗する。
ひと鞍目で、馬も人もアップは終わっているので、より精緻な経路のパート練習になる。
■4%先生は、輪乗り駈歩を出すところと正確な輪乗りの図形をかけるようにとご指導下さる。
駈歩発進をしてから輪乗りの軌道に乗せるのでなくて「一歩内側に踏み入れてから発進するよう」とアドバイスをもらう。
そうなのだ、C点からぴったり駈歩を出そうとばかり考えて図形は2の次になってしまう。
ところが、内側に入れようと手綱を使うと肩から逃げられて内方姿勢が崩れて発進で遅れる。
「もちぇさん、肩から逃げられて姿勢を直すのに手間取りましたね」
「内方手綱だけで操作しないようにね」
まさに小手先で何とかしようとする弊害。
■輪乗りでは「3点は蹄跡に接するように」
「一歩だけ蹄跡を踏んですぐに出る」
「円ではなくて四角を描くつもりで、外に膨らみ易い馬は特に気をつけて」と注意が飛ぶ。
【山桜】の駈歩は、妙に小回りが利く。
ちょっと押せば外に出るし、ちょっと外側を握れば内側を通る。
一歩毎にどこに肢をおろすかまでコントロールできるような感じなのだ。
勢いに乗せて最初に決めた曲率どおり走ってくれればそれで十分幸せな私には、怖いくらい。
これも【山桜】が3課目で小さな回転の駈歩や反対駈歩を練習しているからなんだろうなあ。
すごい、彼もやっぱり日々進歩しているのだ。
■最後に1騎ずづ経路を回る。
【アウグス】は上のクラスの方が乗って、きれいに経路を回っている。
どこにも危うい所はない。さすがである。
■そして、【山桜】と私。
3月の競技会の時は、とにかく経路違反なく最後の敬礼まで行き着いてほしいというのがすべてだった。
今日は2課目経路の全体の流れの中で、次のポイントをどうしようかと考えるゆとりがある。
まるで、曲を奏でるなかで一瞬一瞬の響きに酔いながらも次はどう聞かせるかと冷静に考えているような感じ。
馬場馬術の経路は音楽なんだなあ。
スムースに正確に、それでいて緩急自在でクライマックスがあって収束があって。
だから「上手くいかなかったらどうしよう」という怖れや力みは、心地よい音楽の流れを台無しにしてしまうのだ。
【山桜】に乗りながら、経路という音楽に酔うなんてちょっと素敵じゃないか。
■講評では、駈歩で外側の手綱が長くなっていると指摘された。
そう、右手前の駈歩で自分自身が「あれ、余っている」と思ったのだった。
普通なら、外側の手綱が緩んだ結果として内方がきつくなり内側に切れ込んでくる駈歩なるはずなのに、今日は馬の駈歩はそのままで手綱だけがだらんと長くなっていたのだった。
不思議…
4%先生は、短蹄跡の直線で手綱の長さを確認すること、不揃いのままで駈歩を続けないようにというアドバイスを下さった。
ううむ、〈駈歩で外側の手綱を緩ませない&内側の手綱をきつくしない〉は、いまだ自覚しにくい。
〈拳を回すな〉〈手をあげない〉の次に来るのは、手綱の左右を揃えてか…
先は長いなあ。










584鞍目 空もどんより [第14章 初級駈歩向上編]

 2007-10-26(Fri) 初級クラス 通算584鞍目
■あいもかわらず、どんより乗馬ライフ。
今朝は細かい雨が降っていて天気も気分もそろい踏み。
「それでもいつもの皆さんはキャンセルしてませんねえ」とお互い雨でも騎乗する姿を笑いあう。
■本日も【山桜】と一緒。
愛馬なのだが私のあとにも仕事が控えているので、ゆっくり手入れしたり散歩したりできないのが残念。
昨日と同じく小さめの初級馬場でごんちゃん先生に見てもらう。
蹄跡が溝になっていて「馬が躓いて怖い」と言ったら、さっそく馬場がきれいになっていた。
こうやって細やかに手を打ってくださるのが嬉しい。
【毒うま】【時鮭】といつもの中高年チームが部班を組む。
■【山桜】はなかなか内方姿勢を取ってくれないのが気にかかる。
内方より外方の手綱と脚への反応がいいのはどうしてなのだろう。
■レッスンは、基本姿勢の徹底がメインテーマとなる。
「お尻の下に踵がくるように」etc. と事細かなアドバイスがされているのだが、
【山桜】組にはこれといった注意がない。
気持ちよく一定のリズムで動いている時には、確かに姿勢は崩れ難いものなのだ。
まあ、いいでしょう。
元気のでない時には、しっかり者の馬に乗せてもらってとにかく心を潤すのも必要。
来週には、盛り返していこう!


583鞍目 どんより [第14章 初級駈歩向上編]

 2007-10-25(Thu) 初級クラス 通算583鞍目
■どんより気分なのにさわやかな秋晴れ。
もったいないなあ。
■本日は【山桜】
【チャンドラ・グプタ】【ムーン】【ヴィーヴ・ロア】の4騎合同クラスでごんちゃん先生のレッスン。
中級クラスがアリーナを使うので、初級は古巣の小さめ馬場で練習。
■【山桜】は何の問題もない。
駈歩の時に「お尻を静かにできるよう」「馬に衝撃をできるだけ与えないよう」と声がかかる。
内側の座骨から脚や鐙までがぴたりと決まる瞬間はあるのだが、いつもというわけにはいかない。
どうも駈歩では推進の扶助がよく分からない。
内方脚や外方脚など手を換え品を換えて扶助を送ってみるが、確実にエンジンの回転数が上がる手段が見つからない。
【山桜】に気持ちよく乗れる回転数というのもがあるのだ。
それよりも遅いとどうしても前が詰まったようになってしまってバラけてくる。
あとひと吹かし「ブルルン」と回転数を上げて欲しいと心から願っても、扶助が通じないときの方が多い。
どうしたらいいんだろうか。


581/582鞍目 拍車傷事件 [第14章 初級駈歩向上編]

 2007-10-24(Wed) 初級クラス 通算581/582鞍目
■朝一番に厩舎に行っても、いつもの「ぶぶぶぶっ」がない。
しかも【主席】の隣にいた【ヴィーヴ】が一連の騒動で動揺していたらしく、離れた馬房に引越しをしてしまった。
寂しくうつろな気分。
■本日のひと鞍目にお相手してくださるのは【アレフ・ゼロ】
朝晩の冷え込みを意識し始めた途端に、彼の冬毛はすごい勢いで伸びだした。
今期初めて着せてもらっていた薄馬着を日なたに干して、馬装を始める。
と、ものすごい拍車傷。
何なの?これは? 
ぽつんとついている傷は時折見るが、広範囲に冬毛がはげて皮膚が剥けて浸出液が乾いて固まっている状態の傷は初めてだ。
4年このクラブに通っているが、ここまでひどい傷を見たことはない。
これじゃあ動物虐待だと忌避される某大手乗馬クラブと同じではないか!
【とら】の右側に拍車傷が目立った先月から、何頭もの馬に拍車傷がつき始めている。
軽くて有名な馬にもだ!
何かおかしくはないか? なぜこんなことが起こる? 
■4%先生に見ていただいて【毒うま】【山桜】と3騎部班のレッスン。
私はいつもの標準装備、先丸の豆拍車と長鞭で乗る。
【とら】の時のように「拍車なしで乗ります」と言えない部班のプレッシャー。
とは言え、ショートカットや規定より小さな輪乗り巻き乗りをどんどんさせてしまう。
無理に他の馬にあわせて動かす意欲を捨て去った。
■鏡の前で脚位置を確認すると「うわっ、私の拍車はもろに傷にあたる位置にある!」
ちょっと前から4%先生が
「脚を定位置に置いて動かさないように」
「ふくらはぎの上の方を押し付けるように脚を使って」としつこいぐらいに注意し始めたのは、このせいだったのか…
拍車で蹴りを入れた日に自己嫌悪で最悪の気分になったが、今日は鏡を見て背中に冷たい水をかけられた気分になった。
私が踵を使うということは、あの傷に触れることだ。
自分の脇腹がひりひりツーンと痛むような感じになる。
■「重くてもいいです、遅れようがショートカットしようが、それでいいです」
「静かにそっとバランスと座骨のリズムだけで乗ります(できるか否かはさておいて)」
と自分に言い聞かせる。
「そういう時は鞭を使って」と4%先生。
「ポンポンと何度も叩いても意味ありません」
「わかる強さで一度叩けばいいんです」
「手綱が長いです、どんなに長くてもピッチマークの5、6番目で」
うう、推進が足りないということだよね。
脚を静かにして乗るって本当に難しいけれど、以前のようにどんどん動かなくなるという悪循環にはならない。
それなりに動き続けてくれる【アレフ】の頑張りをまず認めなくちゃ。
そして、何を言われようが部班のお荷物になろうが「大丈夫だよ」と焦らず【アレフ】と会話を続けなくては。
■レッスンの最後に2課目経路を回ることになった。
【毒うま】がスタートすると「次は【アレフ】行きますよ」と先生に指名される。
「うわっ大変だ、経路回るんだって準備運動しなきゃ!」とこれまで気を抜いて運動してきたツケをここで払わなくてはいけないと慌てる私。
長鞭を大きく振るってアクセルを踏み込む。
すると「もちぇさん、そんなに最初から気合いを入れなくていいです」
「前の馬が駈歩パートを始めてからでいいんですよ」
「馬の集中力を考えてみれば、経路自体で5分、待機馬場でもひと経路分運動させたらその倍の時間になっちゃいますよ」
「集中力を10分以上保たせるのは無理と言うものですよ」と宣わく。
ああ待機馬場での運動の意味って、身体を温めるとか筋肉をほぐすことではなかったのだ。
馬のメンタル部分に働きかける場なのだ。
〈集中力〉かあ、これまでになかった概念だなあ…といたく感銘を受けてしまった。
■【アレフ】の場合は、
「入場をする前に駈歩を出して調子が出た所で軽速歩、大きく回って直線をしっかりとって速歩入場としましょう」と教えていただく。
うん、こういう一定の手順がファンファーレのように馬のメンタル部分に「やるぞ」と働きかけるのかもしれない。
人が勝手に「気合いだ〜!」と熱くなっても運動するのは馬なのだから。
経路は大きな問題なく回れる。
駈歩での隅角通過が甘くなるのは「もちぇさんの場合、駈歩の外方手綱が緩み易いのでその分馬が内側に入り易いんです」
「駆歩しながら手綱の長さを揃えるのが間に合わない時には、外側への開き手綱で緩んだ分を調整すればいいんですよ」と教えてもらう。
ウウム、駈歩だと馬場を楕円周回してしまうのは手綱に問題有りなのか。
拳の位置や握り方、外方手綱での規制など速歩と同じような難問が待ち受けている。
■「経路の練習」と言われた時から、拍車傷のことなんてすっかり忘れていつも通りの脚の使い方になっていた。
馬から降りて【アレフ】の脇腹を点検する。
ガガーン、乗る前は乾いていた傷から新しい浸出液を認める。
私も拍車事件の共犯者だ。
「拍車傷をつけてしまいました」と先生に報告し、脚位置まで気にしていられない駈歩の時の傷ではないかと話す。
一番小さな丸い拍車でも、いったん傷ができると簡単に新しい傷を作るらしい。
「もちぇさんの脚の位置とは違うみたいですよ」とのんびりとおっしゃる4%先生の心遣いはありがたいのだが、「誰が拍車傷をつけたのか」という問題よりも、これ以上【アレフ】につらい思いをさせない対策を考えなくては。
やっぱりこれは、私より上手な人が乗る以外ないのでは…

■ふた鞍目は【ヴィーヴ・ロワ】
【チャンドラ・グプタ】【毒うま】【霧丸】の4騎部班で同じく4%先生に見てもらう。
■運動会に不参加の人が半数なので、このレッスンでは基本的な運動のみ。
前後に長くてまとめるのに手間がかかるのが【ヴィーヴ】や【アレフ】なんだそうだ。
その分、人のバランスに敏感な感じがする。
前に出せなければ、ばらけてひどく苦労するが、馬がやる気になって〈モチとオシ〉のバランスが取れると至高の乗り心地を味わえる、そんな馬のような感触をもっている。
■【ヴィーヴ】には(いつものように)拍車なしで乗る。
拍車なしの気楽さでビギナーのようにバンと蹴りつけてしまうと、
「脚をバタバタさせるのはダメです」と4%先生のお叱りを受ける。
ああ、もっと早く気がつけばよかった。
このところ「脚の位置を一定に」「ふくらはぎの上を使って」とうるさく言われていたのは、拍車傷事件の主犯格と目されていたからなんだろうなあ。
誰よりも小さな丸い拍車を使っていると自負していたのに、こんなことになるとは…
まあ、「拍車禁止」と言われるより傷つけない乗り方を教えてもらえる方が、長い目で見たら馬の福祉に役立つのだ。
今週はつらいことが多いけれど、なんとか乗り越えて馬も人も楽に乗れる日がくることを願いたい。





579/580鞍目 元気が一番 [第14章 初級駈歩向上編]

 2007-10-22(Mon) 初級クラス 通算579/580鞍目
■秋晴れの清々しい空が続いている。
馬疲れは庭掃除と窓磨きで癒して、「心機一転また今日から始めよう」と出かける。
その矢先【主席】が逝ってしまったことを知る。
平静を務めたけれど、洗い場で転ぶし、腹帯を締めようとして歩き出した馬から落ちそうになるし、インシデントが頻発。
あぶない、あぶない。
■ひと鞍目は【山桜】
【ベルベット・シート】との2騎部班で4%先生が見て下さる。
■【山桜】は重いわけじゃないけれど、「もうちょっと動いてくれるといいのに」と感じる。
それが脚の動きに出る。
「もちぇさん、今日は脚をじっとしておきましょう」
「ふくらはぎの上で押すだけでいいんです」
「馬のお腹を抱え上げるような動きはまずいです」
馬の動きや気持ちを無視して、自分の扶助を押し付けているのだ。
最近の4%先生は「脚を静かに」を強調する。
■駈歩では「手綱は紐ではなく固い棒でできているつもりで」
「馬の首が前に出る時にいっしょに前に押し出すつもりで」
「腰が鞍に押し付けられる時に拳を前に」とアドバイスされる。
ん〜、何だかわかるような気がする。
「拳を静かに」「手をあげないように」と動かさないようすればするほど、馬の動きとズレて衝撃が大きくなるメカニズム。
一緒に動くよう心がけるほうが静かで衝撃がなくなるのは、正反撞の随伴と同じなんだと思う。
「もちぇさんの場合、逆の動きをしがちなんですよ」と4%先生が指摘してくれる。
くぅー、駈歩の騎乗姿勢が情けないのは知っていたけれどズバリ言われると重いものがある。
ちょっとしたタイミングやバランスの取り方の違いなのだと感じる。
ひと呼吸の半分で位相がずれるから、いったん正しいやり方を身につけてしまえば当たり前にできてしまうのだろう。
こんな時に、どんくさい自分が嫌になる。

■ふた鞍目は【ベルベット・シート】
【毒うま】【アレフ・ゼロ】との3騎部班、ごんちゃん先生のレッスン。
■レッスンの最後に2課目経路の練習。
準備馬場では、駈歩発進がもたついたりしていたのだが、いざ速歩入場となるとイケイケ【ベル】に豹変。
うわ〜、斜めに手前を換えでどんどん前に出る彼女。
これだけ前に出ているのなら蹄跡から3湾曲に入る所で抑えてメリハリをつけようと考える。
抑え気味にすると馬場の外からごんちゃん先生の舌鼓が聞こえてくる。
「ええーん、ここはわざとメリハリをつけているんですよ〜」
「【ベル】がサボっているわけじゃありませんから」と心の中で言い訳する。
速歩パートは無難に過ぎ、常歩ではまたエンジンの回転数が上がりだす。
この沸騰寸前という感じは心臓に悪いが、駈歩発進などポンと出て楽に乗れる。
最後の速歩パートは再びイケイケモードになるので失速を心配せずにいられてよかった。
■うーん、【ベル】が競技会で点数を取れるのは、このイケイケモードをうまく利用できるからなのだなあ。
この火に油を注いでしまうと、駈歩入場や一時停止違反のとんでもない経路違反につながるわけか…
これまで安全第一で、どちらかと言えば失速するタイプの馬が多かっただけに新鮮な感じがした。
ごんちゃん先生の講評では、私がメリハリをつけたつもりの抑えた速歩では、前進気勢がないと思われるらしい。
イケイケの速歩に乗っていられるなら、そのままのほうが評価が高いのだそうだ。
元気が一番ということか。


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