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519/520鞍目 硝子のバランス [第13章 初級手綱の感触編]

 2007-07-23(Mon) 初級クラス 通算519/520鞍目
■梅雨空のもとで蒸し暑い。
さらさらタラタラと音をたてて流れる汗だが、デトックス効果を期待して騎乗する。
■本日のひと鞍目は【時鮭】にお相手願う。
【毒うま】【アウグスティヌス】の3騎部班で4%先生のレッスン。
【時鮭】は体がガッチリしていて若い体育の先生のような雰囲気。
障害馬のホープだったが、最近ハミを嫌がって首を上げたり頭を振ったりとご機嫌が悪い。
「口の中に余分な歯が生えている」からではないかと取りざたされている。
【時鮭】を〈障害だけでなく馬場馬として活躍させよう計画〉がローカルに持ち上がり、
折り返しや口革などの助けを借りて落ち着いたかっこいい馬にするべく、レッスンが組まれるようになった。
4%先生の本意がどこにあるのかは(いつものように)語られぬままなのだが、
私にとっては「馬とのコンタクト」を課題とできる願ってもない練習相手なのだ。
前々回は折り返し使用だったが、前回は口革を試しに使い速歩までは順調だった。
というわけで、今回も鼻革と口革をしっかり留めて水勒だけで乗る。
■あふれんばかりのエネルギーを感じさせる【時鮭】
常歩での一歩が大きくてどっしり頼もしい。
最初のうちは部班で先行する【毒うま】を「待たんかい!」と追いかけてみたり、下方移行で手綱を握ると「何すんだよ」と首を上げていたが、だんだん落ち着いてくる。
とにかくこちらは、〈拳を動かさない〉〈外方は肘から支える〉〈内方向いたら譲る〉だけを考える。
幸い前進気勢のある馬なので推進することにあまり意識を使わず、一定の手綱で受け止めることに集中できる。
駈歩でも部班の先行馬を追いかけてくれるので、発進失敗して手綱の綱引きになってしまう場面を回避できた。
■前半は、鼻面がつんつん前に出る姿が鏡に映っていて「あともう少し顎をひいたら格好良くなるんだけどなあ」と思いながら【時鮭】に乗る。
4%先生からも「出来る範囲で手綱を短くしていきましょう」と声がかかる。
もうすでに充分なスピードが出ているので、いきなり脚を使うと不必要に加速してしまう。
隅角手前でスピードを殺しながら、脚を使って手綱を少しずつ手繰り寄せる。
速歩では座り難いので、推進をやめてスピードを落としていると、
「【時鮭】はサボってきちゃったかな?」
「鞭使っていいですから前に出して」と注文がつく。
すみませんサボっていたのは私で、馬ではありませぬ…
スピードを落とすのも速歩を座り易くするのも、常に推進あってのこと。
つい「速過ぎるのでは?暴走するのでは?」と馬エンジンのスイッチを切ってニュートラルで走ろうとする。
「それじゃあ、コントロールも何もあったもんじゃない」と頭ではわかっているのだが。
■駈歩も左右の両手前で走って身体をほぐし、後半戦は速歩での姿勢の入れ替えがメイン。
輪乗りを換えたり、3湾曲蛇乗りなど。
前半でやった第2蹄跡を使って馬体をまっすぐに進ませるための扶助の意識化と相まって、
馬の姿勢をリズムよく右ーまん中ー左ーまん中ー右と換えていく。
【時鮭】は身幅が大きいので、この左右まん中の感覚が特にわかりやすい。
自分が馬の背中の左右どちらに荷重しているのかがはっきりするのだ。
これが身幅の狭い馬だと、馬から転げ落ちているのか片方に荷重しているのかわからなくなる。
■最後は、軽速歩での歩度の詰め伸ばし。
エネルギーにあふれている馬だからか、隅角手前で詰めて長蹄跡で馬体をまっすぐにしてから脚をいれて拳をわずかに前に差し出すとヌワ〜ンと柔らかく伸びていく。
「解放された」という輝きのある走り。
ガツガツ、どこどこ、ガチガチといった濁音のまざる動きとは違い、スムースで伸びやかで気持ちいい。
手綱も単に緩めて終わりではなくて【時鮭】にハミを追ってもらう。
「あと1mmついて来られるかな?」という気持ちで拳の感触を確かめながら前に差し出していく。
■こんなふうに走っていると、イライラして首を上げたり頭を振っていつ爆発するかわからない馬に乗っている恐怖が別世界に思えてくる。
障害馬や若衆の駈歩発進不調でどん底だった先週との違いはいったいどこにあるのか?
馬場が泥沼か否かの違いか? それとも何だろう? 
「もちぇさんのバランスが良くなってきたから、苦労していた【時鮭】の駈歩にも乗れるようになったんですよ」と先生は持ち上げてくださるが、明日また崩れるかもしれないガラス細工のバランス。
過剰な期待もせず絶望もせずひたすら乗るしかないか…

■「汗だらだら〜暑い〜」と言いながら、ふた鞍目にとりかかる。
この暑い中、連続騎乗する物好きは私ひとりらしく、
【アレフ・ゼロ】との4%先生のマンツーマンレッスンになる。
■【時鮭】と較べると身幅の狭い【アレフ】
こんな細く尖った背中に乗るのか…と心痛むところもあるが、いったん馬場に出ると若造と遜色のない肢運び。
不思議な馬だ。
電磁石ブレーキがかかりっぱなしと思わせるような激重の時とさくさく軽々と動く時の差が激しい。
■今日は、細かな問題点の修正がメインのレッスン。
最初は手綱を伸ばしたまま常歩軽速歩。
「もちぇさん、常歩の時の脚の位置が動き過ぎです」
「手綱を全部伸ばして軽速歩する時のように、ふくらはぎの位置を一定に」
「軽速歩で座った時にじわっじわっと長く押し出して」
どうも、常歩の扶助があちこちブラブラするのが問題らしい。
実は脚の自由が効くようになってから、どこを押したらどうなるかあちこちクイクイやっているうちに癖になりつつあるのだ。
「膝の裏を伸ばすように」
「足首を曲げる角度を一定にして」
「いつでもふくらはぎで馬に触れているように」と定位置での安定した扶助がベースとなるように注文がつく。
【アレフ】がいつになく元気よく動いてくれるとじわっじわっとした扶助ができるのだが、急に馬エンジンの回転数が落ちたりすると、とたんに脚は大暴れ。
〈馬が動かないときちんと乗れない〉のを実感する。
長鞭も拍車も使って馬を励ます。
今日の【アレフ】は時々省エネ走行になったりしたが、それでもエンジンの回転数はすぐに復活し全般的にはよく動いてくれた。
■問題点の2番目は、巻き乗りの終点。
「巻き乗りに入ったところに出るように」と言われるのだが、どうも私は巻き乗りの始点に馬の頭が突っ込めばそれでよしとしているらしい。
「巻き乗りの終点に来ている時には、馬の体は蹄跡にまっすぐに入っている状態です」と改めて解説を受ける。
「巻き乗り始点の手前で蹄跡に入り始めましょう」と目安となるポイントを示される。
どんな図形でもそうだが、起点の手前から準備を始めないと大きくズレる。
巻き乗りは、まっすぐな馬体を屈曲させて再びまっすぐに戻すのだから始点と終点前後はかなり忙しい作業になるはず。
途中で常歩に落ちなかったスムースでリズムブレークしなかったと喜んでいるのでは、まだまだ青い。
馬の姿勢の入れ替えはこんなところにも顔を出しているのだ。
■そして改めて指摘されたのが、左内方姿勢で私の左上半身の向き。
「もちぇさん、それじゃ顔だけ輪乗りの内側向いてます」
「左の肩を引いて、上半身全体が内側を向くようにしましょう」
「上半身が回転方向を向けば自然と手綱も連動します」
どうも身体は前を向いたままになり、左の拳が前後ではなく左右に開く方に動いてしまうようだ。
拳は時に応じて前後左右上下に動かなければならないが、輪乗りで内方姿勢をとる時には内方拳を後ろに引くように使うべきらしい。
蒸気機関車の車輪に付くクランクのように、肘から馬の口までの手綱のラインが前後移動するのだ。
「肘から引いて」「もっと手綱を持ち込んで」という指示を何度か受けたことがあるが、それがこのことを指していたようだ。
「肩の動きなんですよ、ラジオ体操で肩を回すようにね」と4%先生。
つまり、拳の動きひとつではなくてすべてが連動しているって訳ね。
肩や肘関節を自在に動かすこと、つまり脊柱を中心軸とした上半身の回転か…
描きたい輪乗りの大きさに合わせて自分の上体の向きを変えるだけで、自動的に手綱や脚の左右差が生じて馬が従ってくれる。
あえて、外方脚は外に引くとか内方拳を肘から引くなんて考えなくてもいいのだ。
手綱を行きたい方に引っ張るというビギナー時代とは大違い。
ううむ、結局安定した騎座が出来て座骨と脊柱が不動であるからこそ、行きたい方向を向いただけで馬は動いてくれるという魔法が成り立つのだなあ。
安定して座れないうちは、わけもわからずあちらを引いたり押したりし続けなければならないのだ。
■【アレフ】はつらい蒸し暑さの中で本当に気持ちよく動いてくれた。
かつて悩んだ「馬の口が遠すぎる」という感覚も全くなし。
駈歩も速歩も【アレフ爺】とは思えないようなしっかりした気持ちのいい動き。
ありがたや、ありがたや。
そこで、レッスン後は汗まみれになった馬体をシャンプー丸洗い。
肢やお腹が乾くまでの間は、プチ散歩しながらタンポポやクローバーや芝を食べてもらう。
運動して汗をかいてシャワーですっきりお手入れして散歩するなんて、ちょっとしたリゾート気分。
夏はこういう楽しみがあるから好きなのだ。


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